
“ヴィジュアルCHAQLA系バンド”を掲げる今注目のバンドCHAQLA.
異質な存在に見えた彼らだが、音楽への真っ直ぐな思いは確かにシーンを揺るがしている。
新体制初のフルアルバム発売、ワンマンツアーに挑む彼らのインタビューは伝説になること間違いなし!
――〝ヴィジュアルCHAQLA.系バンド〟とお聞きしましたが、まずはバンドのコンセプトを教えてください。
ANNIE A どことも被らないような、自分たちの表現がヴィジュアル系の〝チャクラ系〟という1つのカテゴライズになればという気持ちです。
Bikky ヴィジュアル系の特性を生かして、音楽的にも視覚的にも楽しい、刺激のあるような攻撃的芸術作品と自分たちは呼んでいるんですけど。音楽分野も視覚分野も、惜しまずに出しています。
kai それに加えて…
鷹乃助 オリジナルをめちゃくちゃ追求してる、他に誰もできないようなことをしたい。その集まりが我々CHAQLA.でございます。
Bikky そしてさらに。

ANNIE A 僕はスピリチュアルな部分をリリックに使っているんですけど。シックスセンス、視覚的に楽しめるだけではなくて、ライブに来ると見えない波動のようなものを感じる瞬間ってあるじゃないですか。
そういうその場の空気感を意識してライブをやらせていただいております。
――アートディレクションもメンバーの皆さんが手掛けられてるとのことですが、ヴィジュアル面が形作られる過程やこだわりを教えて下さい。
Bikky 意識というか、作品を作る時は6畳1間の和室に入って目を閉じるんですね。
それで宇宙の音、音源にも入れてる太陽の音を聞きながら降ってくるのを待つと、大体2分から7分後には降ってきます。
ANNIE A 超次元的な何かと繋がりを。
――それをメンバーに伝える時はどう伝えたりするんでしょうか…?
Bikky メンバーはもう目を見て、こちらが頷けば向こうも頷きますね。
kai テレパシーに近いのではないでしょうか。
ANNIE A 衣装に関しては、衣装の方からこちら側に引き寄せられるよね。
Bikky 糸が紡がれて衣になるという。
―― 今までのヴィジュアル系にないような世界観を感じました。
Bikky ヴィジュアル系からインスピレーションはあんまり沸かせてなくて。他のアートな世界とか、映画とかからインスピレーションを沸かしてるから。ヴィジュアル系っぽくないというか、浮いてるのかもしれないです。
――1st FULLFULL ALBUM「CHAQLA.」の聴きどころやオススメの曲を教えて下さい。
Bikky フルフルアルバムと言いつつ、CHAQLA.第1章のベスト版みたいな出来です。
DISC2には過去に収録した曲も入っていて、これを聞けば今までのCHAQLA.がわかる集大成。今までのCHAQLA.ってすごかったと思うので、CHAQLA.がこの先超巨大に…もう宇宙に飛んでいくぐらいビッグになった時に、これを持ってるやつは伝説級になる。曲は選べないので、俺はこれを伝説版だと思っているので。
鷹乃助 全部いいのは当たり前なんですけど、ベーシスト目線で言うとDISC2の11曲目『SINK SPIDER』です。エレキベースを弾かず、シンセベースを1曲通して弾いてるんです。新しい試みというか、アルバムを通してずっとエレキベースが鳴ってたものが急にシンセベースになるから。彩りというか、オンオフというか、差別化をしてる。曲は全部好きです(笑)。
――いつもと違うベースだと弾き方も違ってくると思いますが、難しかった場面はありましたか。
鷹乃助 エレキベースと違って全く違う楽器なので、例えば弦を弾いたら徐々に音量が大きくなるんじゃなくて、鍵盤に触ったらもう音が大きく出ちゃう。別の楽器と思って弾いているんで、ライブでは特にドラムを意識しながら演奏してます。
でも新しいことするのが好きなので、それがオリジナルにも繋がるのかなって。
kai 俺も全部です(笑)。マジで全部なんだよな。
―― ギターで大変だった箇所や気持ちよかったみたいな部分はありますか。

kai 全部大変です。大変だけど、新しいことやってるから楽しいですよ。いい意味で統一性がないので。俺の曲とANNIE Aの曲は全然違うし、ANNIE Aの曲でもバラエティ多いからいろんなバンドの曲をやってる感覚にもなるし。
ギターもいろんなギター使ったり、フレーズごとで録り方とかピックも変えるので、1曲ずつそれぞれにこだわりがあります。あと、間に入ってくるSE調の音源がアルバム通しての流れを作っているので、それも通して聞いてほしいですね。
ミックスを俺とANNIE Aでやるんですけど、曲ごとに変えるし。ドラムのキッキングもちゃんと叩いてるし、打ち込みの世の中ですけど、ミックスもDIYで結構作り上げてるんで1曲1曲聞き応えが違うと思います。
ANNIE A 全部好きっすね(笑)。ただ、ちょっと贔屓目に見てる曲が1曲あって。それが、DISC1の14曲目『愛』です。この曲はCHAQLA.を組む前からデモが存在してたんですけど、歌詞を書くのに1番時間かかった曲です。
展開も多くてラップも入ってればメロもあって。ライブは同期を使っていないロック調の曲なんですけど。
リリックも愛に対して歌いたいって思ったのがCHAQLA.になってからなので、ものすごく大事にしてる。
(バンドの)コンセプトの中に愛ってあるんですけど、それを歌うってなるとリリック書くにも何回もぶち壊して作ってを繰り返して、長い期間大事に温めて作ったのがこの曲ですね。なので贔屓してるのは14曲目の『愛』です。
他はどれも子供なので選べないよね。
鷹乃助 まじで全部シングルの気持ち。全部MV取りたい。
ANNIE A ね。映像をもっと撮りたかったなと思うぐらいどの曲もお気に入りだし、1枚のアルバムでまとめられたことで、一旦走りきったっていうか。
Bikky 好っきゃですわ。このアルバム、好っきゃですわ(笑)。
――曲によって曲調も雰囲気が全然違ってジャンルレスというか…。やはり、いろいろな表現に挑戦したい思いから曲が作られているのでしょうか。
ANNIE A 1番は新しさじゃないですかね。今のこのシーンでやるから面白いんじゃないかを意識して曲作ってますね。何処に似てるってあんまり言われないし。最新であり続けたいというか、みんなを驚かせたい。
小さいこだわりがオリジナルになっている。もちろん、フレーズとか曲を作るのはすごく時間かかるし。だけど、〝最新で何処とも被らずオリジナル〟が俺のモットー。曲を作る時にどこから持ってくるとかのニュアンスもない。6畳一間で座ってたら降ってくるから。
Bikky ANNIE Aの場合は6畳がフローリングです(笑)。
ANNIE A フローリングのちょっと長めのになってます(笑)。
今はミクスチャーロックにすごく興味があって。ラップ使ったり、いろんな要素が混ざってるロックに興味があって、ニューメタルも意識しています。CHAQLA.のライブは縦ノリの音楽を意識していて、ハンズアップが多いんですよ。
kai ノリが違います。他のバンドとは。
ANNIE A ライブを見てもらったらわかると思うんで。ぜひライブハウスまで!
――音楽を始められたルーツはヴィジュアル系とかではないんでしょうか。
ANNIE A 俺は、きっかけはカノンロックだと思う。
Bikky でも、みんなヴィジュアル系も好きですよ。
ANNIE A 皆いろんな音楽が好きで、いろんな音楽を知ってるから出せてるごちゃ混ぜ感。僕もメロコアが好きなので、メロディーはキャッチーなのにこだわっているけど、Bikkyはニューメタルが好きだから、伴奏はこういう要素入れてみようかなとか、kaiちゃんはギターロックだから、それも入れてみようかなとか。で、たっちゃん(鷹乃助)はベースめちゃくちゃうまいからスラップを多様しようかなとか。各々のルーツを殺さずに混ぜてるから、演奏もバカテクだと思ってるし。技術で舐められたくないんで。

Bikky 大変っすよ。マジCHAQLA.の曲(笑)。
鷹乃助 それな(笑)。タッピングしながら「Wow Wow」って言ってた(笑)。
ANNIE A kaiちゃんはギター弾きながらコーラスを歌うのがとても上手で。プレイもそれ以上に上手いし。
だからどのジャンルの人にも舐められないような音楽になってるんじゃないかな。Bikkyも(ドラム)パット使ってるしね。
Bikky サンプラーといって、(叩くことで)サンプリングした音を出すパットです。シーンでは使ってる人もあまりいない。
ANNIE A ビートを同期でじゃなくてそれで流したりとか。
kai 同期にある音とかをドラムの一環と出してる。
ANNIE A 『リーインカーネーション』のクラップもそれで音を出して、そういったところでちゃんと音楽的なバンドになってる。
――次に『次元急上昇TOUR-2025-』について、会場が東京・大阪・北海道・宮城という東名阪でもない特殊な構成になっているのがすごく気になりまして。どのようにして会場を決めたのでしょうか。
Bikky 最近めっちゃ言われてやっと気づきました、変なんだって。(去年)ワンマンツアーと3マンツアーと、結構いろんな箇所回った上で、好きなところを集めたらこれっていう(笑)。
――新体制になって初のワンマンになりますが、どんなツアーにしたいですか。
ANNIE A タイトル通り次元急上昇ですかね。1人抜けて4人編成になると、やっぱり周りから見るとマイナスじゃないですか。これを俺たちはプラスに変えないといけないんですけど、それをさらにプラスに、急上昇させる。これが4人のCHAQLA.を成長させるツアー。
前回ツアー回った時にバンドが本当に成長したんですよ。その期待を込めてこのタイトルにしました。4人でいろんな地方回って、音楽奏でまくって、同じ飯食って成長して帰ってくるみたいな。最高のツアーですね。
Bikky CHAQLA.がだんだん広まってきてる気がしてるので、生で見てもらって、噂通りかそれ以上だぞっていうのを見せつけたいです。
鷹乃助 アルバムもリリースして、その後に次元昇急上昇ツアーがある。CHAQLA.はアルバム以上のものをライブで提供するバンドで、「ライブがすごくいい」ともよく言ってもらえるの。この4人でよりソリッドになったCHAQLA.を体感してきてほしいな。
kai 可愛い子には旅をさせろと言いますから。
ANNIE A (笑)。
kai 可愛い子には旅をさせろというように。僕たちはバンドとは人生と思って生きているので、人生を歩み続けなきゃいけないわけですよね。この節目節目っていうのが人生にはあって、今CHAQLA.はまた1つの節目を迎えたわけで。ここからまた歩き出そうよって。旅路を今年のスケジュールとして出して、また歩み出そうという意気込みで臨んでおります。
Bikky パパの話をして。野球で例えたやつ。
kai 僕のパパの言葉をfacebookから引用をさせていただきますと、「マーヴェリックという事務所と一緒に歩み始めるということは、野球で言うとプロ野球に入団した状態だ。CHAQLA.、君たちはここから1軍に上がって、その1軍で活躍できるかどうか。次のフェーズに今切り替わっているから、そこ目指して今から4人で頑張っていけ。」と。
一同 (拍手)
―― 最後にMAKE読者へのメッセージをお願いします。

Bikky MAKEをご覧の皆さんこんにちは。CHAQLA.です。
鷹之助 DAMチャンネル?
一同 (爆笑)。
Bikky CHAQLA.はCDをアナログにこだわってるように、デジタルで読めるやつより紙面の方が好きなんで。
ファンの方も今1度デジタル社会に囚われず、生モノでもって物の良さを体感する機会に。ライブを生で観たり、CDを買ってプレイヤーで聞くような、そういう楽しみ方もしてもらいたいなと思います。
鷹乃助 まずは普段日頃より応援してくれてるチャクラ―の皆様、本当にありがとうございます。
これをきっかけにCHAQLA.を知ってくれた人は、まずはサブスクからでもyoutubeでもいいので作品に触れてみてください。
それで自分の直感に引っかかるものがあったらディグってください。
Bikky 俺の真逆言ってる(笑)。
一同 (爆笑)。
鷹乃助 幅広いところ、Bikkyが出来ないところを(笑)。できれば好きになってください。
kai アナログとデジタルどっちがいいか…。
Bikky そういう質問じゃない(笑)。
kai MAKEを通して我々を知ってくれた人もいると思うので。
鷹乃助 ここまで一緒(笑)。
kai どっちにも行かないからね(笑)。その時点でもう人生の中ではCHAQLA.に出会ったということです。CDでもサブスクでも音源は好きなように、インタビューが見たかったら、誌面開いたりスマホ開いたり。アナログとデジタルどちらから行こうが、MAKEを通して縁ができたということです。
Bikky MAKEとCHAQLA.で縁をMAKEしたってことか。
kai そう。縁を大事にしてるバンドなので。あなたとの縁もできたということで、ぜひこれからよろしくお願いします。
ANNIE A 何よりもライブに自信があって活動してますので、気になったって人はぜひ生のCHAQLA.をいつかどこかで見てほしいなって心より望んでおります。
生で見た時に、俺たちが言ってたことを30分の間で伝えなきゃいけないと思ってるんで、自分たちは。そうやって活動してきてるし、でかくなるためには説得力のある音楽を続けていかないといけない。でかい口叩きよるけど、なんかどぎゃんかねってほんとみんな思うと思うけん、1回生でCHAQLA.を体験してほしいです。
当インタビューは2025年3月に本誌公開されたものです。
Writer:藤村 栞里 / Photographer:宮脇 進( SUSUMU MIYAWAKI)
【LIVE】
CHAQLA. “ 次元急上昇TOUR-2025-”
4月10日(木)北海道・Crazy Monkey
4月11日(金)北海道・Crazy Monkey
4月18日(金)大阪・心斎橋Clapper
4月29日(火祝)宮城・LIVE HOUSE enn 3rd
5月3日(土) 東京・渋谷CHELSEA HOTEL
【RELEASE】
1st FULLFULL ALBUM「CHAQLA.」
2025年3月5日(水)発売
CDアルバム(2枚組)¥5,500(税込)