【ライブレポート】摩天楼オペラ 関西LIVE CIRCUIT「DOMINATE CIRCUS 2026」-2026.3.20(Fri) 大阪BIGCAT-

摩天楼オペラ初となる関西サーキットツアー。たった4日のツアーではあったが、大勢のオペラーが集うBIGCATのフロアが、このツアーの勢いを物語る。誰もが今か今かとその幕が開くのを待っている様子が伝わってくる。この4日間の集大成。19周年だけでない、次のツアーを見越して挑む決戦の大舞台。MAKE初の密着取材から見えた摩天楼オペラの新境地。そのすべてを記録する。
赤く染まるステージに送られる割れんばかりの手拍子。メンバーが登場すると同時に湧き上がる会場。待ちくたびれたと言わんばかりに楽器が鳴く。ステージに立つだけで圧倒されるほどの存在感を保ち、これから始まる舞台への期待を高めていく。張り詰めた空気を引き裂くように始まりを告げるのは『BLOOD』だ。
苑の歌声が響くと同時に全身に鳥肌が立つ。ビリビリと痺れるサウンド、体中を駆け巡る熱とは裏腹に身体はゾクゾクと震える。これまでの比ではない程に感情が震え、畏れにも似た冷たい熱が全身を駆け巡る。

しかし、フロアは熱く激しく、これまでにない勢いでヘドバンが渦巻いている。続く『EMBRYO』でもサウンドに合わせて会場は揺れる。鳴り響く音は散弾銃のごとく、重低音が全身を打ち抜く。優介、彩雨の刻む演奏の中、苑はステージを闊歩する。燿もステージ中央でずしんと音をぶつけてくる。響のドラムは会場全体を揺らすように、時に嘆きのように、時に儚げに5人の音が魂を震わす。
「さあガンガンいこうぜー!」と苑の叫びに合わせて『Murder Scope』が始まる。
初日からの宣言通り、激しいライブが続いていく。太陽のような輝きを持った頼もしくも情熱的な煽りに誰もが手を引かれていく。メンバー4人も前に進み出て音を重ね合う。彼らの積み上げるハーモニーは激しくも神々しく、重厚な存在感を放つ。その熱を後押しするのはここまでの3曲だけではない。これまでの3公演で積み重ねてきた彼ら自身の音、そしてオペラーの止まない声援が、今目の前に立つ彼らをさらに強固な存在へと導いているようにみえた。
苑は「ファイナルだぜーーーーーーー!」といつも以上に声を張り上げると、「バンドやったなって感じがします。毎日ライブのことを考えるのは幸せでした」と語り思い出を噛み締めた。さらには「関西のパワーは特殊でなんか“来る”」と言葉に出来ない地方のエネルギーを肌で感じたようで、メンバーも皆、このツアーで確かな結果を掴み取れたことを実感していた。

そんな喜びを伝えたMCだったが、ツアーはまだまだ前半戦。苑が「さあ遊ぼうぜー!」と叫ぶと、彩雨、優介の勢いある煽りに合わせ揺れる会場。優介のギターが導く、妖艶な物語『舌』へと続く。苑の歌声は一層甘く、滑らかなステップが艶めかしく色気を纏う。響と優介も目を合わせ、サビでは一気に鮮やかなサウンドが華開いたかと思えば、闇へ墜ちていくようなヘヴィなサウンドが鳴る。蝶のような軽やかさを纏いながらも光と闇を巧みに操り、どこまでも深い世界を見せつける。
続く『Curse Of Blood』では、優介のギターに会場から歓声が上がる。5人のシルエットを浮かび上がらせるステージは神々しく浮かび上がると、大地を引き裂くような重低音と燃えるような赤い光が会場を包み込んだかと思えば、『誰も知らない天使』では熱を纏ったまま青と緑の光に包まれる。彩雨の赤いキーボードがステージ上でギラギラと瞬き存在感を放つ。苑の射貫くような鋭い眼差し、優介のコーラスも力強く会場を彩り、激しさの中にある痛みが心を引き裂くような感覚になる。5人の表情は真剣そのものだが、怒濤の勢いで導く一体感と震える熱気を感じ取り、その表情は楽しげに映っていた。
大きな手拍子と共に蠢く『MONSTER』。ペンライトを持ちながら、大きくジャンプし会場が揺れる。カラフルな細胞が呼吸するように音を輝かせる。その光景に合わせてメンバーも踊るように舞う。アップテンポなステージは彼らの心を映すように眩しく光り続ける。
そして会場は桜色の照明につつまれ、春分の日にふさわしい暖かくも切なげなナンバー『桜』へと移ろう。まるで本のページを捲るように、突然のようで自然な空気の変化を描くサウンドに思わず息を飲んだ。会場を埋め尽くすピンクの光が花吹雪のように舞う。凜と鳴る高音はこぼれ落ちる涙のように、美しく舞う花びらのようなサウンドが春を告げるように鳴り響いた。

再び世界は色を変え、インストゥルメンタルで魅せる『Apocalypse』へと。4人のシルエットが逆光の中浮かび上がり、バチバチと燃えるサウンドに会場は熱を帯びる。音に合わせて誰もが体を揺らし、腹の底に響く重低音、そして伸びやかでシンフォニックなサウンドに心躍らせる。音の持つ感情が、今日という日を喜ぶように響く。言葉は無くとも、彼らの感情は刻まれる音がはっきりと伝えてくれた。
そして始まる後半戦。暗闇の中、静寂を切り裂いた苑の歌声が告げる『闇を喰む』。眩しすぎる空を表すような閃光。硬質な音が重く重く突き刺さり、ビリビリと体を震わせる。音が肌を切り裂くようにして、指先まで全身を余すこと無く駆け巡っていった。

息を飲む苑の歌声が耳に残る中、間髪入れずにドラムサウンドが導くのは『悲しみは僕への罰』。海の底のような冷たさと暗さを描く音色が会場を飲み込む。彩雨のサウンドが一層切なく、わずかな音の違いで感情の変化を生み出していく。氷のように冷たい悲しみが響く、誰もが固唾を呑んで見守るステージ。5人が全身で表現する剥き出しの感情に心揺さぶられ、圧巻の美しさに会場は感動に包まれた。
そこに続くのは『流星の雨』。絞り出すような歌声は、まるで夜空に生まれる一番星。きらびやかなサウンドは夜の帳を下ろすように優しく導く。苑もステージ中央に座り込み語るように「今は永遠じゃない」と歌い上げる。その言葉は優しくも力強く胸を打つ。今この瞬間を噛み締めるように最後の一音まで静かに静かに響かせた。
静寂を切り裂くサウンドが降り始め、『雫』へと続く。光を反射させ響くサウンド。轟かす重低音、繊細なピアノサウンドのコントラストは息を呑むほどの美しさに満ちている。会場一体となり描く景色に向けて歌声を響かす苑の顔にも笑みが浮かんでいた。
そこからつながる『翠玉のワルツ』。激しく揺れる衝動を優介のギターが導く。緑のペンライトが描く宝石のような景色が会場いっぱいに広がる。誰もが釘付けになって見守る苑の歌声。その調べは心臓を鷲づかみされるような迫力を持ち、苑もファンと目を合わせながら歌う。甘美なハイトーンから鮮やかなバンドサウンドへ。最後には圧巻のアカペラが闇に溶けていった。
そしてラストは『六花』が務める。誰もが思い思いのペンライトを掲げ会場を彩る。集まった全員を祝福するように、苑は手を伸ばす。舞い散る雪のような眩しく優しいサウンド。押し寄せる光の波が美しく光る。メンバー全員がこの景色を刻みつけるように目線を交わし、色とりどりの音を重ね合う。暖かな光は雪解けのように、冬が終わり新しい季節、そして摩天楼オペラの新たな舞台への期待を感じさせる。希望と祝福に満ちたパフォーマンスは会場を感動の渦で包み込んだ。
歓声、拍手を全身で受け止める5人。あっという間の舞台だったが、計り知れない充足感に満たされたライブとなった。そして最後に送られた苑の深々としたお辞儀が、この日の喜びを物語っていた。

鳴り止まないアンコールの中、誇らしげにたたずむ旗と楽器もまだまだ物足りないというように光を受け輝き、彼らの再登場を待ち望む。
しばらくして、今回のツアーTシャツを纏った5人が再び現れると、会場は割れんばかりの拍手が巻き起こる。
彩雨が「元気ですか!?」と呼びかけると当然会場からは大歓声が上がり、「メンバーも皆さんも元気ですか?」と聞くとメンバー全員元気で応える。すると、「元気な子には飴をあげる」とメンバー全員に飴を配りはじめた。そして、初日滋賀公演での宣言通り、ファイナルでグッズの飴の味を当てるクイズ(梅・苺・桃の三択で答えは桃)を行い、見事正解した“元気なファン”に彩雨と響はフロアに飴を撒いて盛り上げた。
そんな和やかな空気を苑は「そんなバンドじゃないんですよ」と一刀両断し笑いを誘うと、話題はオフの日に行ったUSJの話に。なぜか響と苑は2人でセンターマイクを分け合い漫談のようになりながら、関西ツアーの思い出を語り合った。
しかし、もちろんそれだけでは終われない。すでに公開されている「摩天楼オペラ TOUR 2026」の続きが発表された。新たな試みとして全席指定、さらにファイナルは8月オープンの新しいライブハウス(東京・Shibuya LOVEZ)で行われるということで、会場はこれまでにない高揚感に包まれる。そして、「秋も冬も決まってます!」という来年の20周年に向けて一層期待の高まる宣言に拍手が巻き起こった。
そんな期待と熱気が入り交じる中、この日を締めくくる音が鳴り響く。
「大阪まだまだやろうかー!かかって来いよ-!」
苑の煽りと同時に、ライブモードへ間髪入れずにスイッチが切り替わる。アンコール1曲目は『Ruthless』。
爆発するように激しく燃えるサウンド、眩い照明が輝くステージ。ビリビリと突き刺す重低音に飲み込まれていく。苑の歌声も一層伸びやかに、「さあ行きましょうか大阪ー!」と声を張り上げる。その言葉に応えるように、響のドラムがバンと跳ね上がる。そしてその勢いのまま続くのは『Adult Children』。イントロと同時に黄色い悲鳴が巻き上がる。激しいシャウトと、大地を震わす重低音が、今この瞬間を生きていることを思い出させる。衝撃に震え、彼らの生み出す音に飲まれていく。アンコールといえど、決して攻めることを止めない5人の熱が、会場を包み込む。

さらに『DioramaWonderland』では誘い込むようなカラフルでヘヴィな音に体を震わす。激しく力強い重低音に拳を掲げ、歓声で応える。光の中に浮かぶ苑の肖像。一心に手を伸ばすファンの姿。それは絵画のように美しく、この瞬間を永遠のものとするように形を残していった。
そして、このツアーの最後を飾るのは、やはり『喝采と激情のグロリア』だ。優介のギターサウンドと呼応するようにして、会場ではペンライトが輝き出す。心まで染み渡る音が皆を魅了する。誰もがこの瞬間を忘れないようにと、声を送り手を伸ばす。そして、忘れてはならないオペラーと共に彩る瞬間が訪れる。静寂を破るのは、この日集まったファンで創るアカペラ。様々な思いを胸に集ったオペラー達が送る、摩天楼オペラへの盛大な祝福だ。メンバーも皆、その歌声を全身で受け止め、この日を迎えた喜びを静かに確かめる。
最後には苑がマイクを通さずに生のアカペラで会場を震わせる。宝石のように輝く、魂を震わす歌声に拍手が送られた。最後には5人で送るバンドサウンドが花火のように打ち上がり、眩しく輝くステージは幕を下ろした。
誰もが幸福に包まれ、彼らを称え、喜びを分かち合う感動のフィナーレであったが、今年の摩天楼オペラの活動はまだ序章に過ぎない。19周年の節目に挑むのは、さらなる大舞台「豊洲PIT」。その後の夏のツアーだけでなく、今回のサーキットツアーも今後どのような形で進化を遂げるのか、それはまだ誰にもわからない。しかし、摩天楼オペラはこれからも前に進み続け、さらなる大舞台で今以上の景色を見せてくれることは間違いないだろう。この日、閉幕後も鳴り止まなかったアンコールが、そう確信させてくれた。

Writer:藤村 栞里 Photographer:Yukino:)
<セットリスト>
- BLOOD
- EMBRYO
- Murder Scope
- 舌
- Curse Of Blood
- 誰も知らない天使
- MONSTER
- 桜
- Apocalypse
- 闇を喰む
- 悲しみは僕への罰
- 流星の雨
- 雫
- 翠玉のワルツ
- 六花
En
- Ruthless
- Adult Children
- Diorama Wonderland
- 喝采と激情のグロリア
<LIVE>
19th Anniversary Live
2026/5/4(月・祝) 豊洲PIT
TOUR 2026
6月7日(日) 東京 LIQUIDROOM
6月21日(日) 奈良 EVANS CASTLE HALL
6月27日(土) 静岡 Sunash
7月4日(土) 福島 郡山Hip Shot Japan
7月5日(日) 栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya(VJ-2)
7月11日(土) 北海道 札幌cube garden
7月12日(日) 北海道 札幌cube garden
7月18日(土) 福岡DRUM Be-1
7月19日(日) 熊本B.9 V2
7月25日(土) 石川 金沢AZ
7月26日(日) 富山 SOUL POWER
8月1日(土) 香川 高松DIME
8月2日(日) 岡山IMAGE
TOUR 2026 – Final Series –
2026年8月11日(火・祝) 宮城・仙台Rensa
2026年8月15日(土) 大阪・なんばHATCH
2026年8月23日(日) 愛知・ダイアモンドホール
2026年8月30日(日) 東京・Shibuya LOVEZ
<関連リンク>
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