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【ライブレポート】defspiral tour 2026 「QUALIA」-2026.4.11(Sat) 岐阜・柳ヶ瀬ants-

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defspiralの2年ぶりとなるアルバムツアー「defspiral tour 2026 “QUALIA”」。新アルバム『QUALIA』を引っ提げて挑むツアー、4カ所目となる岐阜 柳ヶ瀬ants。これまでの3カ所は関東近郊、今ツアーでは最初の地方公演ということで期待も大きく、地元で待ちわびたファンも多いように感じられた。
新アルバムの楽曲達もわずか3回の公演でも徐々に変わりつつある。さらにはセットリストも毎公演ブラッシュアップを重ねており、今ツアーへかける熱い思いが感じられる。
前回のアルバムツアー『ULYSSES』以来実に2年ぶりに訪れたこの場所で、今新たな物語の幕が上がる。

なお、このライブレポートでは「defspiral tour 2026 “QUALIA”」のセットリスト・演出についてのネタバレを含むため、これからツアーに参加予定の方はご注意を。


アルバムのタイトルでもある『QUALIA』。その言葉を紐解く中で生まれた音が、会場に鳴り響く。感覚が研ぎ澄まされるような繊細な音は、一つ一つが光の線となり、感覚(QUALIA)を各々の思い描く形で浮かび上がる。

青い照明に包まれる会場。4人がステージに揃うと、凜とした空気を纏う赤い光がツアーの旅路を照らし始める。始まりの音色を響かせる『CARAVAN』。静かに熱を帯びる会場、砂のように散らばる小さな星々のように音が空に浮かぶ。そして、歌声は風のように人々の心を溶かしてゆく。浮かぶ情景は長い旅路。今回のツアーだけでなく、楽曲に込められたストーリーに限らず、昨年15周年を迎えた彼らの歩んだ道、そしてFREAKS(defspiralファンの愛称)がこの旅の仲間として集った軌跡のようにも感じられた。響く音は伸びやかに、この日のライブの進む道を確かに示し始める。

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TAKA(Vo.)
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MASATO(Gt.)

そんな夜の光を切り裂くのは激しく揺れるダンスナンバー『Nyx Dance Hall』。ふつふつと温度を増す会場に、音が光の雨となって降り注ぐ。高らかに響き渡るコーラスも色鮮やかで、磨かれた4人の音はダイヤモンドの輝きを見せる。TAKAも両手で指揮をするように会場を煽る。音が会場を切り裂く夜のダンスホール。ギラギラと輝くステージでTAKAも「ようこそー!」と声を張り上げる。

そんな期待を煽る挨拶に呼応するように、響いたイントロと共に大きな歓声が湧き上がる。『VIVA LA VIDA』だ。

明るい照明、爆発するように瞬時に弾けるサウンド、誰もが曲に合わせ拳を掲げる。時間にしてわずか2分40秒という疾走感。濃密に仕込まれたサウンドの妙に誰もが魅了されていく。

その熱を引き継ぐのは『THE CALL』。イントロから、シャウトに合わせたジャンプの一体感も心地よく、激しくもヘヴィな、火花のような音楽が鳴り響く。さらには今ツアーからのアレンジも加わり、激しさだけでなく大人の色気があふれ出す演出に誰もが息を飲む。MASATOも両腕を上げ、RYOもベースを掲げもっともっとと求めるように煽る。硬質なサウンドが響かせる鈍色の熱、先ほどまでの曲達と全く違う色を映し出しながらも会場の熱気はさらに高まっていく。

さらに続くのは、RYOのベースサウンドから導かれる『BLACK BIRD』。一層強く歪むギターサウンドは毒々しくも、闇を切り裂くように眩しい光を放つ。TAKAの歌声は時折震えるように、叫ぶように、ドラムも雷のように轟き、4人の音が共鳴する。リズム隊の呼吸を合わせた重低音、MASATOとTAKAも向かい合い、音を響かせ合う。披露されるのは4度目だが、すでに体に馴染んだ心地よいサウンドで会場を染め上げていく。

次は『PARAÍSO』と、新曲が続く。新アルバムでも特に異彩を放つラテン系のリズムに体は揺れる。真夏の太陽を思わせる鮮やかな音色が会場を包み込む。曲に合わせて誰もが体を揺らし、導かれるように手を叩く。

これまでにない新しいdefspiralの形だが、伝えたい思いはブレない。この瞬間が永遠に続くことを願うように、包み込むサウンドは暖かく胸に満ちていく。「多幸感」「包容力」といったキーワードがアルバムリリース前のインタビューでも語られていたように、彼らの音楽が目指す先に生まれた『PARAÍSO』。16年目、彼らの新境地に芽吹いた花が美しく揺れているように見えた。

さらにダンスナンバーは続き、ミラーボール輝く幻想的な空間に包まれる『SPIN THE UNIVERSE -Ai no Wakusei-』。ギター、ドラムサウンドも軽快に導く色とりどりに輝くステージ。その景色は無限の宇宙を旅する宇宙船のようだ。メンバーの表情も朗らかに、バンドとファンだけの誰にも邪魔されない特別な時間が過ぎてゆく。

続く『雨のLullaby』。軽やかなサウンドとは対照的な悲しげな歌詞が胸を打つ。青い照明は雨のように会場に降りしきる。ギターサウンド、ベースドラムのリズムも揺らす。TAKAの歌声を包み込み、言葉が会場に降り注ぐ。そして最後はRYOのベースサウンドだけが印象的に、雨を打つようにしっとり響き渡った。

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RYO(Ba.)
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和樹(Dr.)

雨上がりのように空気は澄み渡る中で続くのは『COLD SLEEP』。ギターサウンドが撫でるように空気を揺らす。これまでの楽曲から一転する緩急、息を呑むような張り詰めた空気へと導く演出力に吸い込まれていく。伸びやかながらも、冷たく切なさを纏った祈りの歌声が会場を切り裂く。受け取り方も様々で、手を伸ばす者、じっと聞き入る者と、思い思いに噛み締めていた。

静寂を切り裂いたのは『ECLIPSE』。ピアノサウンドから始まり、水面が揺れるように徐々に熱が広がりだす。夜の闇の中でドラムサウンドが星のようにきらきらと音を輝かせる。「情熱的」という言葉とは少し違う、静かながら確かな熱が胸に灯る。「ありがとう!」とTAKAから言葉が送られると拍手が起こる。そして「ツアー4本目にようこそ!ツアーが始まった気がします!」とMCでも地方ライブでの喜びをにじませた。

さらに「この夜に火をつけて!」とTAKAの宣言通り、弾けるようなダンスナンバー『IGNITE THE NITE』が会場を塗り替える。赤い照明に染まる会場で誰もが楽しげに体を揺らす。RYOも軽やかにステップを踏みながら笑顔を向ける。会場の熱気を煽るようにミラーボールも鮮やかに輝く。RYO、MASATOと2人が前に進みでて音を奏で合う。TAKAもMASATOの肩を組み、共に奏でる音を楽しみながら会場を見渡す。喜びを打ち鳴らすサウンドがカラフルな夜に溶けていく。

「もっともっと熱くなっていこうぜー!」とTAKAの煽りに応えるように、RYOのベースソロから切り開く『PULSE』。イントロでは「RYO!」コールが巻き上がり、会場は期待と興奮で揺れ始める。ライブでも定番の1曲だが、誰もが求めるように激しく、全力で拳を掲げ熱を上げる。熱く、激しく、4人の音がファンの歓声と共に絡み合う。音の持つ引力に心奪われ、一瞬も目を離せない瞬間が続く。

その熱を逃がさないように続くのは、和樹のドラムサウンド、MASATO、RYOと順に音を重ね合い始まる『Arcoromancer』。TAKAの「行こうぜFREAKS!」の宣言に合わせて、皆はジャンプしながら拳を掲げ、一層会場は激しく揺れる。情熱的な赤い音色が会場を染め上げる。4人の音は刻み込むように、激しいサウンドは雨のように激しく打ち付ける。ファンの声も一層強く聞こえた。

音が止み、静寂が会場を包む。ぴりっとした緊張の中、再び星が空に浮かび『銀河航路』へと続く。これまでの熱を保ちながらも、会場は優しい光に包まれる。「待ち焦がれてた今夜」という言葉も、ツアーで訪れたこの場所で特別な意味を持つように聞こえた。誰もが自然と手を伸ばし、彼らの思いをその手に受け取る。暖かな歌声を浴び輝くサウンド。彼らの音色が出会えた喜びを祝福する。その光景に大きな拍手が送られた。

拍手が闇に溶けきると、柔らかな光の粒が導く『Nitefall』へと移り変わる。徐々に夜は満ち、彼らの音色が会場を照らす。暖かな喜びが胸に満ちていくような感覚に包まれ、静かに体を揺らし音に身を委ねる。揺り籠のように穏やかで、心地よい安心感に包まれる。

本編最後は『FLY INTO DAWN』。たくさんの音が眩い星となって、会場を色づける。ファンと共に手を伸ばし、メンバーと今この場所にいることを確かめ合うように目線を交わす。伸びやかな歌声は彗星のように尾を引き、夜の底へと消えていった。音が導く物語は、ここが一時の終着点のようにも見えた。しかし、4人の表情はすでに次の景色を描き始めており、誰もがこの先の物語を予感し、期待に胸を高鳴らせている。

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その期待は次の公演からではない。鳴り止まないアンコールの声に呼ばれメンバーは再びステージに姿を現した。

まずはRYOが「やってきました柳ヶ瀬ants!」と大きく喜びを爆発させ、駆けつけたファンに感謝を送り、和樹は「もう4本目ですね!楽しいですね、幸せですね!」と語るとRYOからの「何も用意していないコメント」という手厳しいツッコミに笑いが起こる。MASATOも「柳ヶ瀬久しぶりですね!」とレトロな町並みにテンションの上がる様子で、地方公演の特別な空気を楽しんでいた。ライブ途中で何度も喜びを言葉にしてきたTAKAも改めて「楽しもうぜ!」と送ると、ファンは大きな歓声で応える。

和樹のドラムに合わせ軽快な手拍子で彩る『EUPHORIA』からアンコールは始まった。鮮やかな黄色の照明に照らされ、とろけるようなサウンドに体は揺れる。間奏でもTAKAは「We LOVE YOU!」と愛を叫ぶ。歌詞には無かった、ライブを重ねた中で生まれた言葉に胸を打たれる。

旅はまだまだ続き、音に合わせて変わる景色に導かれる。次の物語は『ALEGRiA』。会場も待ってましたと言わんばかりに手拍子で出迎える。ファンの心を映すように、サウンドは楽しげに弾む。コロコロと色を変えるステージはカラフルに輝き、誰もが思い思いの旅の景色を浮かび上がらせる。パンと跳ねるドラムサウンドが大輪の花を咲かせるように大きく広がった。これまでの旅が彩る音色は常に進化を続け、新たな音が一夜限りの夢を形作る。

そんな幻想的な世界から繋がるのは、ミラーボール回る『MASQUERADE』。会場はダンスホールのように揺れ、誰もが手を伸ばし踊る。メンバーも会場に笑顔を向け、TAKAも囁くように優しく歌声を送ったかと思うと、「いい声聞かせてくれ!」と煽り、その言葉にファンも大歓声で応える。穏やかだった空気から、熱気が会場に満ちていく。体の奥底から湧き上がる衝動に突き動かされ、誰もが全身で喜びを表現していた。

そしてその勢いを上回ったのがこの日最後の1曲『SILVER ARROW』だ。まだまだ元気なファンは声と共に大きく跳ねる。

「大切なものはいつだってここにある」

その言葉をはっきりと届けるようにTAKAは歌う。銀色の眩しい音色は、激しくも寄り添うように優しく会場に満ちてゆく。熱気は最高潮。ステージが隠れる位にファンも皆大きく飛び、会場は揺れる。

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ライブは終幕と思われたが、鳴り止まないアンコールに応え、「今日は気分がいい!」と予想外のダブルアンコールに会場は歓喜に包まれる。そしてこの日、正真正銘最後の曲は『AURORA』。弾けんばかりのサウンドと眩い光に照らされる会場。時に手を伸ばし、時に体を揺らし、思い思いに全力で音楽を楽しむ。しかし、まだ足りていないのはメンバーも同じようで、前へ前へと進みでてこれまで以上に力強く音を刻み込む。熱狂に包まれ、MASATOのギターソロもどこまでも伸びやかに会場を駆け抜ける。燃えさかる熱は燃えさかる炎のように空へ上っていった。

TAKA「柳ヶ瀬ー!またやろうなー!!」

最後はこの夜を惜しむように、しかし満ち足りた気持ちで特別な夜が幕を下ろした。

彼らの音楽は時に幻想的に夢のような景色を見せてくれる。しかし、それは夢では終わらない。心にそっと寄り添い背中を押してくれる優しさを残し、光となって私たちの進むべき道を照らしてくれる。

進化を続ける彼らの音楽はライブという特別な場所で一層輝きを増し、その物語に深みを持たせる。挑み続ける、だからこそ彼らの音楽は魅力的で何度も足を運びたくなり、心に響くのだろう。

まだ始まったばかりの物語。さらに進化を続ける彼らの旅にぜひ同行してみてはいかがだろうか。

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Writer:藤村 栞里 Photographer:水野トモキ(LiveYou)

<セットリスト>

  1. CARAVAN
  2. Nyx Dance Hall
  3. VIVA LA VIDA
  4. THE CALL
  5. BLACK BIRD
  6. PARAÍSO
  7. SPIN THE UNIVERSE -Ai no Wakusei-
  8. 雨のLullaby
  9. COLD SLEEP
  10. ECLIPSE
  11. IGNITE THE NITE
  12. PULSE
  13. Arcoromancer
  14. 銀河航路
  15. Nitefall
  16. FLY INTO DAWN

En1

  1. EUPHORIA
  2. ALEGRiA
  3. MASQUERADE
  4. SILVER ARROW

En2

  1. AURORA

ライブ情報
●defspiral tour 2026 “QUALIA”
 4月25日(土) 姫路Beta
 4月26日(日)  大阪Yogibo HOLY MOUNTAIN
 4月29日(水・祝)  川崎Serbian Night
 5月9日(土)  仙台ROCKATERIA
 5月10日(日) 郡山CLUB #9
 5月15日(金)  札幌Bessie Hall
 5月16日(土)  札幌Bessie Hall
 5月23日(土)  横浜ReNY β

●THE MICRO HEAD 4N’S presents MONTHLY 2MAN「B-EAST」
 2026年6月27日(土)川崎Serbian Night

●メリー 25th Anniversary LIVE -Many Merry Days-「狂宴」
 
2026年5⽉31⽇(⽇) 姫路Beta

●『hide Memorial Day 2026 ~Sing along Live “Hi-Ho!”~』
 2026年5月2日(土) CLUB CITTA’

●【Kiyoshi & Chirolyn★ROCK’N’ROLL THREE-RING CIRCUS 2026】
 2026年7月11日(日) 東京 下北沢 ReG

リリース情報
●defspiral new album『QUALIA』
 [DIGITAL RELEASE]2026年3月26日(木)より各種配信サイトにて順次配信開始!
 [CD RELEASE]2026年4月17日(金)よりライブ会場物販&オフィシャルWEB通販にて販売開始!
 https://defspiral.shop-pro.jp/?pid=191487609

<関連リンク>
■defspiral Official Web Site
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