ARTICLES

記事

【ライブレポート】摩天楼オペラTOUR 2026 Cinematographe -2026.6.7(Sun) 恵⽐寿 LIQUIDROOM-

ブログ画像

「摩天楼オペラTOUR 2026 Cinematographe」が6月7日東京・LIQUIDROOMを皮切りにスタートした。

最新アルバム「Cinematographe」のリリースより先にツアーが始まるという事もあり、初披露となる新曲達への期待は今まで以上に高まっているように感じられた。生憎の雨もものともせず、期待と興奮に満ちたオペラーの熱に包まれた会場。新アルバムを引っさげて挑む特別な夜。生きた証を刻み込む熱烈なツアー初日の様子をお届けする。


ツアーの始まりは、アルバムでも1曲目を飾る『SCAR』で幕を開けた。
漆黒に揺れる赤を纏い、全身を震わす重厚な音が会場を包み込む。苑(Vo.)の鈍く光る歌声は、苦しみと痛みを纏いながらも高らかに響き渡り、激しいメタルサウンドが突き刺す会場。フロアではその音色に合わせ、手を伸ばしたり、静かに聞き惚れたり、思い思いの形で新しい摩天楼オペラの世界に浸っていく。

昨月の「19th Anniversary Live」で初披露されていたが、この僅かな期間でも進化は目覚ましく、研ぎ澄まされたサウンドに胸を打ち抜かれ、ヒリヒリと肌を焼くような熱が巻き上がる。優介(Gt.)のギターも一層伸びやかに、雪辱を晴らすように、光に満ちたサウンドを響かせていった。

ブログ画像
苑(Vo.)

湧き上がる感情のままに、続く『EMBRYO』。痺れるドラムサウンドに導かれ、漆黒の衣装がカラフルな照明を浴び幾重にも色を変える。その様子はまるで夜空に浮かび上がる花火のように、華やかにステージを染めていく。彩雨(Key.)も前へ進み出てファンと目を合わせ、待ちに待った瞬間を祝うかのように音色を重ねていく。そして、真っ直ぐに会場を射貫く苑の視線に釘付けになる。新たな武器を手に挑むこのツアーに賭ける思いが、動作の一つ一つからひしひしと伝わってきた。
さらに勢いのままに新曲『Solitude』を披露。シンフォニックなサウンドと重低音が混ざり合う中で、燿(Ba.)も音に合わせ軽やかにステップを踏む。5人の刻む多様で重厚なサウンドに会場は飲まれ、誰もが体を揺らし初めて出会った楽曲と手を取り合い、その輪郭に触れていく。
氷の花のように艶やかな美しさを持ったギターソロが、儚く響き渡る瞬間が印象的に輝いていた。

「飛ばしていこうぜー!」

苑が声高に叫ぶと『BLOOD』のイントロが流れ始める。その誰もが拳を掲げ会場を揺らす。
赤い光が包むステージ、そしてオペラーの持つペンライトが波打つ赤いフロア。それは文字通り“血”のようでありながら、今回はレッドカーペットの如く荘厳さを見せつける。新曲だけではない、磨き上げた楽曲が見せる深く突き刺すサウンド。伸びやかな歌声が摩天楼オペラの様々な表情を映し出し、敷き詰められた赤の上をメンバーは優雅に歩く。その上段から響(Dr.)も全身でドラムを叩き込む。5人で魅せる圧巻のパフォーマンスはこれまでにない臨場感を纏い、圧巻の熱量でオペラーを魅了していった。

ブログ画像
優介(Gt.)

前回(19th Anniversary Live)から一ヶ月と短いながらも、メンバー視点では「やっと開催された」という印象だったという今ツアー。演奏だけではない、その言葉からも彼らのツアーへの熱い思いが伝わってくるようだった。
さらに特筆すべきは、今ツアーはアルバムリリース前にスタートするという、これまでにない異色の始まりであるということ。まだ新アルバムを聴いていない人々に向け、苑は「『AGONY』から続く、今まで描いていたものを全て超える楽曲をメンバーが作ってくれました。僕たちの完璧な演奏で届けます!」と高らかに宣言。そして、「摩天楼オペラを作ってから1番のアルバム」と続けた。
“1番のアルバム”を真っ先に、“完璧な演奏”で聴けるオペラーの歓喜と期待に満ちた歓声で会場は震える。その喜びはこの場に居合わせたことだけでなく、立ち止まることなく過去最高を更新し続ける彼らへ向けた賞賛でもあるのだろう。

熱いMCも終え、待ちきれないといった様子で誰もが次の瞬間へ期待を寄せる。

そして、その思いに応えるように始まったのは、こちらも新曲の『三千世界』。イントロから燃え上がるメタルサウンドに導かれ、衝動のまま拳を掲げる。誰もがこの瞬間の当事者として、思い思いに全身で感情を剥き出しにしていく。さらには、一斉に湧き上がる手拍子で、初披露ながらも抜群の一体感を見せる。響渾身のドラムサウンドが駆け抜ける重低音に、息の合った繊細なギターサウンドを重ねていった。

ブログ画像
彩雨(Key.)

さらに続く『EGO』では、燿も一歩進み出て、逆光に包まれながら一層強く音を響かせる。アップテンポに揺れる会場で、徐々に波及する拳がさらに熱を高めていく。苑も、もっともっとと求めるように手を伸ばし、この日限りの景色に色を添えていく。彼らの持つメタルの世界はまだまだ奥深く、新鮮な驚きに満ちているようだ。
もちろん会場を沸かすのは、新曲ばかりでない。優介のギターリフから、待ってましたと言わんばかりのヘドバンで始まった『Curse Of Blood』。燿、彩雨も2人並び、鮮やかな音色で会場を彩っていく。苑のハイトーンが会場を震わせ、ギターサウンドも熱を持ち響き渡る。新曲にも負けない、圧倒的な存在感で駆け抜けていった。その熱を受け取るように、続く『ENEMY』は一層強いドラムサウンドが会場を包み込む。鋼のように輝くメタルサウンド、さらに圧巻のドラムソロでファンを魅了していった。
さらに『Desire』では、妖しげなサウンドに合わせて青とピンクの照明が幻想的な空間へと彩っていく。滑らかなギターソロ、圧巻の重厚感をそのままに、プラチナの輝きをもった音が全てを飲み込んでいく。その強さに思わず息を呑んだ。5人の音と、オペラーの拳がぶつかり合う。宣言通り、最高の演奏に合わせて共に最高の空間を作り上げているようだった。

ブログ画像
燿(Ba.)

そしてまた別の角度から魅せる『Apocalypse』の重厚感。これまで以上に重厚な音が全身を包む。燿と優介も向かい合い、惜しみなく音を響かせ煽る。さらに響のドラムが空気を打ち抜く。全身が震える音圧に圧倒される。これまでより格段にパワーアップした荘厳な音に聞き惚れる贅沢な時間が過ぎていく。
一転して彩雨のピアノソロから導く『愛を知りたかった幼き日々よ』。これまでの激しさとは打って変わって、苑の優しい歌声と柔らかな旋律に息を呑む。誰もが静かに、繊細なサウンドに聞き惚れる。唯一無二のハイトーンから、零れる吐息。芸術的な音色に大きな拍手が送られた。
さらに会場は色を変え、『AGONY』では苑の低音が艶やかに響く。ズンと響く重低音。1音1音、爪を突き立てるような攻撃的で力強いサウンドが全身に刻まれていった。

続く、『郷愁のシネマトグラフ』はバラード調ながらも彼らの色をクッキリと残す切なく美しい旋律。映画の1シーンのような、ドラマチックな雰囲気が会場を包むと、『あなたがいた日々』で、オペラーは思い思いに彩るペンライトで会場を照らす。その光景に、メンバーは暖かな視線を向ける。「あなたがいたからこそ生まれた景色」という詩を体現するように、手拍子が鳴り響く。苑も確かに手応えを感じたように強く拳を握りしめる姿が印象的だった。
そして、本編最後を締めくくるのは『Endroll』だ。燃えるような赤に包まれる中、苑の歌声が伸びやかに、そして激しく刻まれる4人のサウンドに体は揺れる。魂が震え、言葉にならない歓喜が全身を駆け巡る。
全身から溢れ出す5人の思いが音となり、長く、強く、染み込むようにどこまでも響き渡っていった。
宣言通り、完璧な演奏で「Cinematographe」の物語は幕を降ろしたのだった。

ブログ画像
響(Dr.)

新曲達で彩った本編とは対照的に、アンコールでは激しくライブバンドらしいベテランの風格を見せつける。

1曲目からMCの和やかムードを吹き飛ばす『INDEPENDENT』。メンバーも熱い視線をフロアに向け、会場中を見渡し激しく音を響かせる。燃えさかる音に合わせて震わす歌声。ベース音も鮮やかに、ギターソロが会場をかき回す。眩しい圧巻のサウンドで魅せられ、誰もが手を伸ばし拳を掲げ、流石の一体感を見せてくれた。

その勢いのままに続く『EVIL』では、豪雨のように叩きつける音で会場は揺れる。天高く突き抜けるサウンド、進化を止めない複雑な音色は、新アルバムの勢いにも負けない鮮やかさを保っていた。

突き抜ける音が雨雲を蹴散らすように、光射す会場に響くのは『儚く消える愛の讃歌』。オペラーの掲げるペンライトは、特別な夜に送られる特大の祝福となって幻想的な光の園を作り出していった。

そして、ラストを飾ったのは『Psychic Paradise』だ。最新だけで終わらせない、これまでの摩天楼オペラを築き上げてきた楽曲達も、これまで以上の輝きを放ちツアーを彩ってくれる。誰もが自然と体を揺らし、メンバーも皆、全身でファンの声を受け止めながら音を鳴らす。喜びを分かち合い、愛に満ちあふれた時間を共有し、これからのステージに大きな期待を残して、次の奈良公演へバトンを繋いでいった。

大盛況のまま幕を降ろしたツアー初日は、初披露とは思えぬ一体感と完成度を見せながらも、底知れぬ可能性を秘めたライブとなった。まだ彼らは、初披露というスタートラインを切ったに過ぎない。これから8月まで続く長いツアー、彼らがどこまで進化するのかを楽しみにしている。

そして、“最新の摩天楼オペラ”を全面に披露する今だからこそ、まだ生でライブを観たことが無い人にも観てほしいと願っている。

人の一生を映画の様に表現した今作「Cinematographe」。それは誰かの物語ではなく、私たちの物語に他ならない。

ブログ画像

Writer:藤村 栞里 Photographer : Litchi Hair & Make Up : Rie Fukazawa (M’s hair & make-up)

<セットリスト>

  1. SCAR
  2. EMBRYO
  3. Solitude
  4. BLOOD
  5. 三千世界
  6. EGO
  7. Curse Of Blood
  8. ENEMY
  9. Desire
  10. Apocalypse
  11. 愛を知りたかった幼き⽇々よ
  12. AGONY
  13. 郷愁のシネマトグラフ
  14. あなたがいた⽇々
  15. Endroll

En1

  1. INDEPENDENT
  2. EVIL
  3. 儚く消える愛の讃歌
  4. Psychic Paradise

<LIVE>
TOURʼ26 Cinematographe
6月27日(土) 静岡 Sunash
7月4日(土) 福島 郡山Hip Shot Japan
7月5日(日) 栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya(VJ-2)
7月11日(土) 北海道 札幌cube garden
7月12日(日) 北海道 札幌cube garden
7月18日(土) 福岡DRUM Be-1
7月19日(日) 熊本B.9 V2
7月25日(土) 石川 金沢AZ
7月26日(日) 富山 SOUL POWER
8月1日(土) 香川 高松DIME
8月2日(日) 岡山IMAGE

TOURʼ26 Cinematographe – Final Series –
8月11日(火・祝) 宮城・仙台Rensa
8月15日(土) 大阪・なんばHATCH
8月23日(日) 愛知・ダイアモンドホール
8月30日(日) 東京・Shibuya LOVEZ


MEMBER’S PRODUCE LIVE
[DAY1&2] 燿presents『BETTER THAN LOW’26』
10月30日(金) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
10月31日(土) 盛岡CLUB CHANGE WAVE

[DAY3] 彩雨presents 『#あなたの摩天楼はどこから』
11月7日(土) HOLIDAY SHINJUKU

[DAY4] 優介presents『渋谷屋内音楽堂』
11月21日(土) 渋谷GARRET udagawa

[DAY5] 響presents『Cause a Riot’26』
11月29日(日) 柏PALOOZA

[DAY6&7] 苑presents『Skyscraper Of Dystopia’26』
12月18日(金) 札幌PENNY LANE24
12月19日(土) 札幌PENNY LANE24

<関連リンク>
■摩天楼オペラ Official Website
■摩天楼オペラ Official X
■苑 Official X
■優介 Official X
■彩雨 Official X
■燿 Official X
■響 Official X