【ライブレポート】摩天楼オペラ TOUR’26 Cinematographe – Final Series – 2026.8.23(sun) 名古屋DIAMOND HALL

6月から始まった新アルバム『Cinematographe』を引っさげての全国ツアーもいよいよセミファイナルを迎える。8月11日からは「Final Series」と称してホール公演へと切り替わり、約3ヶ月に渡り全国各地で披露してきた『Cinematographe』の物語も、これまでとは一味違うライブ体験として新たな表情を見せてくれた。ファイナル直前、期待に満ちた情熱的な名古屋公演の様子を余すことなくお届けする。
この日のライブは1音目から違っていた。凜とした空気を切り裂く苑(Vo.)のハイトーンに思わず目を見張る。苑だけでない。メンバー全員が燃えるような熱を帯び、真っ赤に染まるステージの上でより艶やかに、しかし攻撃的に攻め続ける。アルバム同様に先陣を切る『SCAR』だが、その音はこれまでの旅路でさらに輝きを増していた。

響(Dr.)は一層パワーの増したドラムサウンドで沸かし、優介のクリアなギターサウンドが駆け抜けていく。燿(Ba.)のベースサウンドが築く音の礎に彩雨(Key.)の繊細なサウンドが光を反射させる。5人それぞれが魂を燃やし、個性をぶつけ合う。彼らの音はまさに摩天楼のようにそびえ立ち、広い会場を我が物に変えていく。
続く『EMBRYO』、さらに『Solitude』と、当然その勢いは留まるところを知らない。メンバーも前に進み出て、時に激しく聴かせるように、時にオペラー(摩天楼オペラファンの愛称)と目を合わせ、全身でライブを感じながら曲を彩っていく。音はどこまでも広がり、熱が感染していく。苑も上着を投げ捨て、高揚する彼らに負けじとアップテンポの曲に会場は一体となり揺れる。6月のアルバムリリース直後では探るような雰囲気があったが、今ではオペラーも皆待ってましたと言わんばかりに新曲たちに合わせて体を揺らす。オペラーと共に積み重ねた特別な瞬間が、今日という景色をより輝かせていた。
しかし、彼らが魅せるのは新曲ばかりではない。イントロから五月雨のように打ち付ける轟音が誘う『EVIL』。メンバーもこれまで以上に煽り、フロアにはヘドバンが巻き起こる。5人の個性が光る音が順に会場を染め、苑の歌声が雷のように会場を突き抜ける。誰もが手を掲げ、その熱を確かめ合うように一つになっていく。そして、響のドラムサウンドが会場をぶち抜くと、会場には割れんばかりの歓声が響いていった。
「やっときましたセミファイナル!」と苑は喜びを爆発させながら感謝を述べる。そして、これまで当たり前のようにツアーをしてきたが今日を迎えるまでに様々な波があったこと、そしてそれを乗り越え万全の状態で名古屋公演に挑めた事を告白。だからこそ、この時間が特別であると改めて伝え、「これまでのツアーを全部超えます!」と高らかに宣言した。始まりから感じていた並々ならぬ熱量の裏にあった胸内に、誰もが心を打たれ割れんばかりの拍手を送っていた。

そんな彼らの思いに応え、熱狂はさらに強くギアを上げていく。燃えるような硬質なサウンドが轟く『三千世界』だ。オペラーの熱に負けじと、メンバーのパフォーマンスもまだまだ激しさを増す。手拍子と共に重低音が鳴り響く。ステージに立つ5人は鋭い眼光の中に時折笑顔を滲ませ、特別な時間を重ねていく。
さらに求めるように進み出て披露する『EGO』。オペラーも手を伸ばしながら飛び跳ねフロアを揺らし、ツアー初日からの成長を感じさせてくれた。それだけでなく、メンバー同士肩を並べ、時に向かい合い奏でる。この場にいる全員の熱量や感情がぶつかり合う事で、それが花火のように音を輝かせていく。
続く『Psychic Paradise』ではキラリと輝くサウンドがステージをカラフルに染め上げると、苑も笑顔を見せながら煽る。眩いパフォーマンスは流星のように流れ去っていった。そして訪れる闇から這い出すのは『ENEMY』だ。先ほどとは異なる影を纏った表情が浮かび上がる。激しさを保ちながらも、詩や表情の持つ温度は全く違う。心臓を締め付けるような繊細な旋律、心震わす咆哮、ベースとドラムで打ち抜く慟哭が会場を魅了していった。さらには『Desire』へと続くも苑はまだまだ足りないと言うように、キーボードの繊細なサウンドに咆哮を重ねる。声を震わせ、手を伸ばし力強く拳を掲げる。会場を震わす渾身の歌声が突き抜け、圧巻のパフォーマンスに誰もが呼吸を忘れるほどにのめり込んでいた。

そしてここからは楽器隊の魅せる『Apocalypse』。誰もが思い思いのメンバーに視線を向け、その手元や表情に釘付けになっていく。4人の音が絡み合う中、優介の咆哮も激しく轟く。メンバー同士向かい合い、音を通じて会話をする4人の顔は自然と綻び、時にその視線をフロアに向けながら暖かくも熱い熱狂を絶やす事なく燃やし続ける。4つのスポットライトが照らすステージに夜明けのような清々しい音色が昇る。
静寂の中、再び苑がステージに舞い戻る。光を浴び、繊細なピアノの音色が色づける『愛を知りたかった幼き日々よ』。儚いメロディを引き連れた苑の優しい歌声が降り積もる。震えるような旋律、ステージはセピア色に染まり、一層切なさを強調していく。眩い光と対照的に墜ちる影は暗く、僅かな光を頼りに響く歌声に誰もが聞き惚れていった。
しかし、その余韻を塗り替える『AGONY』が続く。深く沈んだ苦しみの底から這い上がるように、苑は静かに立ち上がり低い歌声を響かせる。そして爆発させるように5人の音が色を持ち鮮やかに光り出す。バチバチと響く硬質なサウンド。圧巻の緩急で魅せるサウンド、激しくも繊細なサウンドに心打ち抜かれた。
そこに続くのは『郷愁のシネマトグラフ』だ。苑の歌声に優介のギターリフがそっと重なる。しかし、儚いながらもバラードとは言い切れない激しさ、そして強さを持った旋律が会場を包み込む。ツアータイトルにもある「シネマトグラフ」を冠するこの曲と共にこれまでのツアーの情景がよみがえるようで、静かに聞き入る人も、手を掲げる人と、誰もが思い思いの形で彼らと向き合っていた。

ライブも終盤。名残惜しさも滲ませながら艶やかな音を響かせる『あなたがいた日々』。光に包まれるステージに向かい、ファンもペンライトを輝かせる。メンバーも一層力強く、ファンと視線を交わしながら音を奏で続けていく。まだ終わってほしくないと願いながらも儚いこの一瞬を慈しみ、共に過ごす時間を噛み締めているようだった。
そして迎えた本編最後の『Endroll』は、今日までの集大成と言っても過言では無いほどの完成度に心揺さぶられる。アルバムの世界観を完璧な演奏で届け続けてくれた彼らの軌跡が紡いだ“最新の摩天楼オペラ”。彼らの姿を目に焼きつけんとばかりにフロアからは熱い視線が注がれ、メンバーもまた、この景色を刻み込むようにオペラーと向き合い高らかに、苑の歌声は力強く会場を包み込む。最後の1音まで美しく、始まりの音に負けないほどの衝撃を残し、皆の心に刻み込まれただろう。
空になったステージに響く鳴り止まないアンコールに応え、メンバーはツアーTシャツを身にまとい再び登場。苑は「最高でした名古屋-!」と感情のままに叫ぶと、オペラ―から熱い拍手が送られた。
これまでの緊張感から解放された5人は燿の撮影する動画が世に出ていない問題や、響と燿以外の3人がTシャツの袖を切っていない問題と、様々な問題を解決(?)させ、今日が今年最後の名古屋公演であったことにも言及。さらには上半期に行われた関西サーキットで掴んだ手応えもあり、東海サーキットという次なる野望を宣言すると、次の名古屋公演が待ち遠しい会場は歓声に包まれる。目の前のツアーだけでなく、まだまだやりたいことが溢れ出る彼らの姿勢に歓喜する瞬間となった。
アンコール1曲目の煽りは苑からの指名で彩雨が務め「今年最後ですよ!悔いのないようにいけるか-!!」と更に会場を沸かし、緩やかなトークをかき消す苑のハイトーンに合わせ鮮やかに染まる会場。
『Murder Scope』から始まったアンコールは、荒々しくもギラギラ光るサウンドで会場の熱を一気に押し上げる。まだまだ暴れ足りない様子の熱狂でフロアは激しく震え出す。ここから先は「Cinematographe」の世界を飛び出し、さらに深みの増した摩天楼オペラのサウンドに引き込んでいく。続く『honey drop』では、アップテンポなサウンドに合わせ波のように会場は揺れる。色気のある歌声に溶かされ、メンバーもステージ上を軽やかに跳ね回り、華やかな音色を響かせていく。真正面に音楽と向き合いながら、アンコール特有の空気に自然とメンバーにも柔らかな表情が生まれていった。
さらに、真夏にも関わらずクリスマスを思わせる『SHINE ON』と、彼ららしいサプライズ。彼らはこれからも、オペラ―が掲げる光と共に歩き続けてくれる。1日限りの聖夜とは今日この日なのだと、温かな光と音色が教えてくれた。祝福と喜びの拍手に包まれ、彼らはステージを後にした。

しかし、この日はセミファイナル。更には今年最後の名古屋公演ということもあり、それだけでは終われない。鳴り止まないアンコールに応え、最後に送られたのは『Curse Of Blood』。
真っ赤な照明に包まれ、爆発するような勢いで熱狂を巻き上げる。苑のシャウトに続き、優介のギターソロも情熱的に、彩雨も前へと進み魅せつけるように奏でる。響も全身でドラムを叩きつけ、燿も渾身のサウンドで会場を震わせていく。5人の音色に魅了され心臓が高鳴る。最後の1曲。しかし、ファイナルに繋がる始まりの1曲とも言える破壊力を持っていた。彼らは“今”だけなく、確かに“未来”を見据えている。今日という日を特別なものにしながらも、目指すべき最後の舞台に向けてのバトンを繋げていった。
「Cinematographe」はまだ終わらない。ファイナル公演では必ずこの日を超える景色が待っている。
そして、その先も続いていく摩天楼オペラの物語をこれからも追い続けていきたい。

Writer:藤村 栞里 Photographer : yukino Hair & Make Up : Rie Fukazawa(M’s hair & make-up)
<セットリスト>
- SCAR
- EMBRYO
- Solitude
- EVIL
- 三千世界
- EGO
- Psychic Paradise
- ENEMY
- Desire
- Apocalypse
- 愛を知りたかった幼き⽇々よ
- AGONY
- 郷愁のシネマトグラフ
- あなたがいた⽇々
- Endroll
En1
- Murder Scope
- honey drop
- SHINE ON
En2
- Curse Of Blood
<LIVE>
TOURʼ26 Cinematographe – Final Series –
8月30日(日) 東京・Shibuya LOVEZ
MEMBER’S PRODUCE LIVE
[DAY1&2] 燿presents『BETTER THAN LOW’26』
10月30日(金) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
10月31日(土) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
[DAY3] 彩雨presents 『#あなたの摩天楼はどこから』
11月7日(土) HOLIDAY SHINJUKU
[DAY4] 優介presents『渋谷屋内音楽堂』
11月21日(土) 渋谷GARRET udagawa
[DAY5] 響presents『Cause a Riot’26』
11月29日(日) 柏PALOOZA
[DAY6&7] 苑presents『Skyscraper Of Dystopia’26』
12月18日(金) 札幌PENNY LANE24
12月19日(土) 札幌PENNY LANE24
<関連リンク>
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