本記事では、本誌KISAKI BAND WORKS 30周年YEARインタビューから惜しくも掲載しそびれたコアな質問を掲載。KISAKIの使用機材について、作曲についての考え方など、本誌に続き、さらにKISAKIについて紐解いていこうと思う。
―ずっと気になっていたのですが、KISAKIさんは一貫してESPのFORESTベースを使用されていますが、変えようと思ったことはありますか?
KISAKI:変えようと考えたこともあったけれど、ESPのモニターをしていることもあり、ずっとFORESTベースを使っていますね。映えるビジュアルだし、音色的にはオールマイティに使える感じなので。あと使っている間にやっぱり愛着も湧くし慣れちゃいますよね。
―レコーディングでも使用しているんでしょうか?
KISAKI:レコーディングでも使ってるよ。そんなに多くのベースを持っているわけではないけれど、FORESTは3本お借りしてます。
ライブではその3本を使い回している感じだね。1本はワンマンライブの時に感情が高まって壊してしまって…。それはもう修復不能だったけど、ESPの担当者の方が新しいものを使用してくださいと新しいものをご用意してくれて。
―やっぱり長年使っているとフォームみたいな、グリップ感とか…慣れちゃいますよね。
KISAKI:そうなんだよね。でもKISAKI = FOREST使っているっていうイメージが出来上がってるでしょ?(笑)
―そうですね、KISAKIさん = FORESTっていうイメージですね。
KISAKI:長年使わせてもらっていて、ありがたいですね。
―KISAKIさんのバンドワークスの中には、結構重い曲もあると思うんですが、5弦ベースを使おうと思ったことはないのでしょうか?
KISAKI:レコーディングで一回使ってみたけれど、4弦を弾いている期間が長すぎて違和感しかなかったんだよね、ネックは太いし。やっぱり自分のプレイにしっくりくる4弦の方がいいかなと(笑)。ベースのチューニングも基本的にはレギュラーだし。
―アンプはこれがいいな、とかっていうのはありますか?
KISAKI:俺はずっとTRACE ELLIOT(トレースエリオット)を使ってた。僕の使っているものは廃盤になっちゃったけど、音のバランスも良くて、めっちゃいい音するんだよね。今はAMPEG(アンペグ)がメインですけど。
―KISAKIさんが曲のデモをメンバーに渡す際には、ギターのフレーズなどは入れるんですか?
KISAKI:全部簡単には入れてる。結構作り込んじゃうことも多くて、「こんな雰囲気で色付けして」っていう感じで渡したり。最近はリアルなギターのプラグインも出てきているけど、自分で弾いて、メンバーには渡す。ギターソロはやらないけどね。ラフに関しては、ドラムは打ち込みで作るんだけど、意外にベースが打ち込みだったりもするんだよね(笑)。ベースのフレーズって考え始めたらキリがないと思ってるから、ラフの段階では打ち込みっていう。
―作る曲の中には日の目を見ない曲も多いと思うのですが、実は違う曲でフレーズが使われていたりというのはないんですか?
KISAKI:俺の場合はないかな、一応残してはあるんだけどね。曲の中には悪くはないんだけど、その時のタイミングとか、求めてるものとその曲がマッチしなかったとかあるんだけどね。
―曲を作る時に、いいメロディが思い浮かんだりするタイミングってありますか?
KISAKI:寝てる時っていうか、寝ようとしている時が一番思い浮かぶかな、寝てる時っていろいろ考えるから。あと、深夜って、テレビで流れてるBGMも切ない音楽だったりするから、「アレ?このフレーズ俺好きやな」っていうこともあったり。
そういえば、コロナ禍はずっと家にいて、やることなかったから毎日曲を作ってた。どんなに曲作ってもバンドもやってなかったし、ライブもことごとく中止になって。「こんなに曲作ってどうすんねん」って思ったけど、ちょうど今年(2023年)、俺30周年ってことに気がついて(笑)。そこから今回の3部作に繋がっているんだけどね。
―KISAKIさんのように数多くの曲を作ってると似通ったりすることはありませんか?
KISAKI:あるよ。だから作り終えた後にいったんリセットして、きっぱりと。データだけ保存して。それから1〜2日くらい遊ぶ。遊んで、脳内を一回リセットして空っぽにする。遊ぶとは言ったけど、30曲作ってたコロナ禍の時は遊びには行けなかったけど。
―今回の3部作もそうですが、それだけ曲を作ると「あれ?これ、この前と同じフレーズじゃない?」みたいなものも出てきそうですね。
KISAKI:そういうこともあったよ。もう無理かもって思うことも何回かあったけど。
―1曲あたり、だいたいどのくらいの期間で作ったりするものなのでしょうか?
KISAKI:曲が浮かんで順調に進めば、一日あれば全部できるかな。当然しっくりくるフレーズが思い浮かぶまで、めちゃくちゃ時間かかる時もあるけどね。
あとは寝かせ過ぎたりすると、もうその曲がどこに向かっているのか分からなくなることがあって、一度バラさないといけないと思う。昔、教えてもらったのが、やっぱり作曲する時に”曲は引き算だから”ってよく言われた。何でもプラスしていったら終わらないよって。
この記事では、筆者もベースプレイヤーということもあり、コアな質問ばかりをぶつけてみた。音楽を感じるということは大切ではあるものの、それを形作る「音」のつくりや曲を生み出す苦しみなど、プレイヤー目線でKISAKIのことをさらに深く知ることができたのではないかと思う。
Writer:廣瀬 大輔 / Photographer:春川 眞 尾藤 能暢 / Makeup Artist:A.DO / Hair maintenance:hiko(UNDIVIDE) / 衣装:ID JAPAN
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