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【ライブレポート】PENICILLIN 2024 WINTER TOUR「No No No」 2024.12.1 名古屋 ell.FITS ALL

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2024年11月20日 に約1年ぶりとなる新曲「No」を配信リリースしたPENICILLIN。
今回はその新曲をタイトルにした、2024 WINTER TOUR「No No No」から12月1日の[愛知] 名古屋公演の内容を”MAKE”独占にてお届けする。


この日の名古屋は晴天。12月になり冬が訪れ、朝は冷え込む寒さも太陽が昇ると気温も上がり、ライブに向けての熱が高まっているようだった。

SEが流れ、青い光に照らされたステージにO-JIRO(Dr)、Chiyu(サポートBa)、千聖(Gt)が登場すると待ちかねていた観客から歓声と拍手が沸き起こった。
最後に登場したのはHAKUEI(Vo)。ゆっくりとステージ中央のマイクの前に立つと、まっすぐと前を見つめて静かに歌い始めたのは『名もなき未来』。会場にいた全員が希望と切なさが入り混ざった美しく繊細な世界観に一気に引き込まれる。

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HAKUEI(Vo.)

続く曲は「永遠と花束を」。ピンクと赤のライトが妖艶なムードを醸し出し、切なく響くメロディと激しいギターソロのギャップ。これもPENICILLINというバンドが持つ魅力の一つだろう。
「名古屋ー!」HAKUEIが客席を煽ると、その勢いのまま『Rosetta』『KISS』と疾走感のある音にのせて激しい愛を歌う曲が続き、一気に会場のボルテージが上がっていく。

MCが始まると、「本日は名古屋ですけど…もはやどうでもいいんですよ。」と名古屋のファンにとっては聞き捨てならない発言をするHAKUEI。どういうこと…?と思っていると、思いもしなかった言葉が彼の口から飛び出した。

HAKUEI「俺、地球でライブやってるから。ちょっと壁があるだけで、地球に立ってライブやってるから。…いくぞ、地球!!」

あれ、これって銀河系のツアーだったっけ?(笑)突然のスケールの大きさに驚かされる。そんなHAKUEIの掛け声で始まったのは『make love』。爽やかなイントロが耳に心地よく、26年前の曲にもかかわらず全く色褪せない名曲だ。O-JIROはニコニコ顔で楽しそうにドラムを響かせる。
『少年ダイバー』『LOVE DRAGOON』と懐かしい曲が続く。少し薄暗い場内にしっとりとした歌声が響き渡ると深い海にたゆたうような感覚に包まれ、サビに差し掛かると美しくも力強さのある高音が突き刺さってくる。ノスタルジックな『蛍火』はPENICILLINの音楽性の幅の広さを感じる。一言一言想いを込めて紡がれる言葉は柔らかく聴く人の胸に届く。バラードの中でも決して存在感を無くさない千聖のギターの旋律が儚さの中にも煌めきを感じさせる。

曲が終わり、HAKUEIが姿を消すとステージに残るメンバーの名前を呼ぶ声が響く。

O-JIRO「こんばんは!ののの(No No No)ツアーは1本目からすごいね!今日はもう5本目だけど、どの曲も馴染んできてるね!いいね!」

O-JIROはSNSでも今回のツアーのことを「のののツアー」と呼んでいたが、それも可愛くて彼らしい。そんな可愛い一面とは裏腹に「まだまだここから、命を削ってくよ!」とロックな発言をしたO-JIROに「マジで、頼むから長生きしてくださいよ…!」とChiyuからのツッコミ。会場からは笑いが起こった。

千聖「今日から12月になったんで12月ならではの挨拶をします。しわーす!(師走)」

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千聖(Gt.)

千聖からいつものダジャレが飛び出す。演奏中のクールで激しい一面と、このゆるさのギャップもPENICILLINのライブの醍醐味。思わず頬が緩んでしまう。

ここで黒いロングの羽織りに衣装を変えたHAKUEIがステージへと戻ってきた。

HAKUEI「さっきO-JIROくんが命を削るって言ってたけど、そういう側面もあるよね。でも、ここは僕の領域展開内だから、僕がみなさんのストレスとかいらないもの全部祓ってあげるんで。そういうの全部ここで発散させて、命を燃やしてさらに長く生きる!」

HAKUEIの某人気漫画のキャラクターを思わせる発言に客席から「キャー♡」と悲鳴があがった。
「新曲行っていいですか?タイトルなんですか?!」HAKUEIが問いかけると観客たちは一斉に「No!」とツアータイトルにもなっている新曲の名前をコールした。
イントロから始まる激しいメロディとその後に続く低音のバラードの緩急。鋭いギターリフと重低音のベースラインが生み出す、攻撃的かつエネルギッシュなサウンド。巧みに奏でられる千聖のギターソロにHAKUEIが声を重ねると、ギターのメロティがより引き立てられ、まるでメインボーカルかのようにも聴こえてくる。結成30年を越えてもなお攻め続ける決して色褪せない彼らの魅力が詰まった一曲だ。
『Too young to die!』『JUMP#1』と続き、千聖の掛け声に合わせた振り付けも相まって、ステージと客席が一体になり盛り上がりを見せる。

曲が終わり会場の熱も少し落ち着いたところで、HAKUEIはツアー前に行なったという声帯手術のことを話し始めた。

HAKUEI「先月、声帯手術しました。ちゃんとリハビリ計画してたんですが、思いのほか回復が遅れてしまって。ツアーできるのかなとか、下手すると歌えなくなっちゃうのかなとか。ステージ立てなくなるのかなと真剣に考えて。消えてなくなるのかなと思うくらい、ずっとステージに立つことを軸として生きてきたので、怖かったですね。でもちゃんと回復してくれて、声が出るようになって。だからこそ、ステージに立てることの喜びを改めて噛み締められてます。」

手術に入る前、HAKUEIは自身のWebサイトで「ボーカリストにとって声は命よりも大切」と語っていた。今回の声帯手術はHAKUEIにとっては人生2度目の手術だ。一度回復したと思っていた喉に違和感が戻り、また手術が必要な状態になってしまった。「歌えなくなるかもしれない」その不安は1度目よりも更に大きかったのではないだろうか。その胸中を思うと胸が痛くなると同時に、彼がステージに立ち目の前で歌ってくれていることは当たり前ではないのだと、今この瞬間を一層貴重に感じた。
少しシンとなった会場に向けて、「だからね、僕の呪力めちゃめちゃ増してます!領域展開!(笑)」と笑いにつなげ盛り上げるHAKUEI。

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O-JIRO(Dr.)


O-JIROが立ち上がって客席を見渡し、始まったのは『憂鬱と理想』。低音から始まりサビの高音へとつながるボーカルは、憂いの中に力強さと美しさを秘めていて、声帯手術でツアー直前まで声を出せなかったとはまったく感じさせない。

「どんどん行こうぜ名古屋ー!」

激しいメロディと千聖のコーラスとの掛け合いが魅せどころの『記憶の固執 ~融けゆく時間~』『快感∞フィクション』。千聖が客席を煽り、観客たちは思い切り頭を振る。
一息つく暇もなく、印象的なイントロとスピード感のある楽曲『イナズマ』へと遷っていく。ギターとベースが向かい合い、バトルのように弦を響かせ合う。曲の終盤、会場のライトが全て消え暗闇になった瞬間、HAKUEIが叫んだ。視覚が奪われ研ぎ澄まされた聴覚にHAKUEIの声だけが響き、一瞬ドキッとさせられた。これは音源では絶対に味わえない、ライブならではの体験だった。
HAKUEI、Chiyuに続いて、O-JIROと千聖が向き合ってロックポーズをとり笑いあった後、肩を寄せ合ってステージから消えていった。メンバー間の仲の良さが垣間見える、微笑ましい後ろ姿で本編が締めくくられた。

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ステージからメンバーの姿が見えなくなるとすぐさまアンコールの声が上がる。
しばらくファンたちの声が響いた後、ツアーTシャツに着替えたメンバーがステージに現れた。HAKUEIは上から黒のマントを羽織り、Tシャツのピンナップガールがチラリとのぞくクールなスタイル。

「アンコール、行くぞ!」HAKUEIの煽りから始まったアンコール1曲目はPENICILLINのファンクラブ名としても有名な『QUARTER DOLL』。ギターの音が鳴り響き、HAKUEIが羽織っていたマントを翻すと、一気に彼らの世界観に惹きこまれる。台に上がった千聖はギタープレイで観客を魅了する。
そのまま『Desire』へ突入。HAKUEIの鋭く力強いボーカルに、激しいギターリフがライブで圧倒的な存在感を見せつける。インディーズ時代から人気の曲が続き、ファンたちの熱気もさらに加速していく。
あっという間に2曲が終わりメンバーがステージを後にすると、今夜はまだ終わらせないとばかりに先ほどより大きなアンコールの声が響く。
その熱い想いが届き、再びステージに戻ってきた4人。

HAKUEI「アンコールありがとうございます。まだまだ発散しきれない人もいるかもしれません。あと1曲あります!ラスト、色々発散して盛り上がっていきましょう!」

O-JIROの軽快なドラムのリズムに乗って、HAKUEIが客席を煽る。「さぁ、名古屋のみなさん、声出せますかー?!」ファンたちはステージへ向けて今日一番の大きな声を放ち、千聖もそれに合わせてギターをかき鳴らす。最後の曲は『SEX』。全員が一つになり、叫び、腕を振り上げ、普段は内に秘めているであろう熱い想いをすべて出し切って、この日の盛り上がりは最高潮に達した。
前回のツアーから丸一年ぶりの名古屋公演。待ち焦がれていた彼らの美しく刺激的なステージ。メンバーの姿が見えなくなっても会場に響くファンの歓声は、今日のライブが間違いなく最高だったことを物語っていた。

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Writer:Yukie Photographer:Mickey Tanaka (LiveYou)

<セットリスト>

  1. 名もなき未来
  2. 永遠と花束を
  3. Rosetta
  4. KISS
  5. make love
  6. 少年ダイバー
  7. LOVE DRAGOON
  8. 蛍火
  9. No
  10. Too young to die!
  11. JUMP#1
  12. 憂鬱と理想
  13. 記憶の固執 ~融けゆく時間~
  14. 快感∞フィクション
  15. イナズマ

En1

  1. QUARTER DOLL
  2. Desire

En2

  1. SEX

<LIVE>
HAPPY BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2025
2025年2月8日(土) 新宿ReNY
開場17:15 / 開演18:00

2025年2月9日(日) 新宿ReNY 開場
16:15 / 開演17:00

=TICKET=
【一般発売(先着)】絶賛発売中!
オールスタンディング  9,000円(税込/D別)
eplus.jp/penicillin/

・未就学児入場不可
・客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合がございます
・公演の延期・中止の場合以外でのチケットの払い戻しは原則行いません
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822

<RELEASE>
2024年11月20日(水) 
PENICILLIN「No」配信リリース決定!!
https://orcd.co/202410peni

PENICILLIN「No」ビデオクリップ Full ver.
https://youtu.be/P4Uehv4a1Nc

【全ての情報はこちら】  
PENICILLIN Web  
https://www.penicillin.jp/

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https://www.penicillin.jp/fanclub/enrollment