ARTICLES

記事

2025.04.26

【ライブレポート】NETH PRIERE CAIN TOUR2025「幻影光景」-2025.4.9(wed) 高田馬場CLUB PHASE-

ブログ画像

西川口Heartsから始まった、CD発売記念単独公演 TOUR2025「幻影光景」。今回は、4月9日高田馬場CLUB PHASEのライブレポートをお届けする。


開場時刻にはライブハウス前にファンたちが列をなしており、開演時刻には会場は入口付近まで満員。満員の会場にて、祈願者(NETH PRIERE CAINファンの愛称 )が演奏の開始を待つ中、メンバーが登場。このツアーは、これまで3人体制であったが、今回は本ツアーはじめての4人体制であり、サポートメンバーとしてベースのtoyoが参加。

ボーカルの樹が会場を煽り、盛り上げる中、静かなイントロから1曲目の『VALHALLA―Epilogue of the world-』が始まる。まさにこの日のエピローグを飾るにふさわしい曲。祈願者たちも腕を掲げ、「祈り」のポーズで会場を盛り上げる。樹のデスボイスから、キャッチーでメロディアスなサビでは一体感が形成され、曲間の珠璃のギターソロでは会場中が静かに聴き入る。

「東京」という煽りから、2曲目の『YGGDRASILL-創造と破滅-』へ。赤を基調としたステージはまさに創造と破壊を示すように世界観を広げる。一曲目の流れそのままに、会場は熱気に包まれ、さらに3曲目の『NIFLHEIM -glacial eyes-』へ。一転、白を基調としたステージでは、メンバーたちが輝いている。

樹の「それでは祈りを捧げましょうか」の掛け声を合図に4曲目の『「ホオヅキ」』がスタート。「祈りと誓いを込めて神様に捧げよう」という印象的なフレーズが繰り返されるこの曲では、会場中がメンバーの振りつけに合わせて右手、左手、両手を広げ、祈りを捧げる。メロディックかつスピード感のあるサビは疾走感があり、曲中や終盤には、祈願者たちは、拳やタオルを回し、縦に揺れ、会場中がさらに盛り上がる。

ゴーン、ゴーンという鐘の音が鳴り響く中、「4月9日、高田馬場」というMCを挟み、5曲目は、激しいリフから始まる『Solomon-支配者ノ鍵-』。この曲のギターソロでは珠璃が舞台のセンターで高速かつメロディックな圧巻の演奏を見せ、樹のハイトーンな歌で締める。6曲目は最新SINGLE「神の啓示、月光の聖女」収録の『♯心身欠落的感情障害』。こちらも特徴的なメロディーのリフや珠玉のギターソロが光る曲。剣路のドラムの重低音も心地よく響く中、樹の伸びやかな歌声がとても印象深い。そのまま7曲目の『♯自己犠牲的精神障害』は樹のシャウトから始まるが、会場の高まる熱気からか樹はジャケットを脱ぎ捨て、さらに会場を盛り上げる。曲の最後は印象的なセリフを挟み、そのまま静かに曲を終える。
会場が暗転する中、あちこちから、祈願者たちは思い思いにメンバーの名前をコールする。

剣路のドラムを合図に、樹からこの会場について「好きな場所、ツアーに組みこめて嬉しい」
「ボイスが愛おしい、もっと聴かせてほしい」というメッセージが発せられ、MC中には、ギターの珠璃がギター二音でツッコミを入れる等、メンバー同士の雰囲気の良さも感じる。また、ここでサポートベースのtoyoの紹介があり、会場からは拍手が鳴り響く。toyoも拍手に応え、会場全体も温かい雰囲気に。その後もメンバー同士のやり取りが続くが、樹の「次の曲、『静』」から8曲目へ。珠璃による、キャッチーでメロディアスなリフから曲が始まる。曲名『静』や歌詞にある「silent night」というワードがぴったりはまり、樹の伸びやかで綺麗な歌声がとても心地良い。中盤では樹の手拍子に祈願者達も応える。

9曲目は樹の「さて、ここで気持ちよくなったところで…舞踏会やっちゃいますか」から『「カトレア」』がスタート。どこかクラシカルな雰囲気もあるこの曲では、「夜は踊りましょう」の歌詞にあわせて、会場が社交ダンス風に右に左に動き出し、うねりを生み出す。この熱を帯びたまま、10曲目は『Judas-天紙-』。爽やかなメロディーにマッチした樹のハイトーンが響き渡り、終盤では剣路のバスドラムも静かに鳴り響く。11曲目の『隠す心、声は届かない』は、冒頭の囁くようなセリフからはじまるが、中盤ではデスボイスも交じり、さらにその後は綺麗なボーカルも映える。このコントラストが魅力的な曲であり、改めてこのバンドの曲の幅の広さ、バリエーションの多彩さを感じる。静寂からシャウトでこの曲を終えた後に、12曲目の『虚』。中盤では剣路のドラム前でギターの珠璃とサポートベースのtoyoが向かい合って演奏を行う。ステージの暗転後、樹にスポットライトがあたり、12曲目の『ガーベラ』へ。激しいこの曲にマッチした赤一色の印象的なステージでスタート。ギター、ドラム、ベースの演奏もとても聴き応えがあるナンバー。

ブログ画像

SEを挟み、14曲目は樹の「暴れていきましょう!」から、祈願者達の「祈り」が掲げられ、『Devils Sanctuary』がスタート。曲中盤の珠璃の高速ギターソロや樹のデスボイスがこのLIVE全体に勢いをつけ、本ライブもいよいよクライマックスへ。15曲目の『RAGNAROK-終末の誓い-』は、どこか懐かしさも感じるサビから曲がはじまり、その後、樹がシャウトで盛り上げ、珠璃も所狭し、とステージ上手の高い位置へかけ登り、ギターをかき鳴らす。剣路のドラムの疾走感も加わる中、そこから一転、静寂をまとまったパートへ向かい、そこからラスサビへ。その後「オルレアンの少女」というタイトルコールから、16曲目はSINGLE「神の啓示、月光の聖女」収録のリードナンバー、『オルレアンの少女~la Pucelle d’Orléanss』へ。90年代のヘヴィメタルやクラシカルな雰囲気も感じさせる印象的なリフからスタートし、伸びのある樹のボーカルが最高にマッチした珠玉のメロディーがとても耳に残る。珠璃が“ウルトラ激クサギターソロ“と呼ぶ、ライトハンドから始まる超絶なテクニックを魅せるギターソロの終盤に樹の英詞のボーカルが重なるパートで、ライブはこの日最高の盛り上がりを見せる。祈願者達は右手を掲げ、横に揺れ、縦に揺れ、それに応える。最後は、樹の「ありがとう、東京!」から、珠璃とサポートベースのtoyoが跪き、「祈りを捧げましょう」というセリフとともに幕が閉じた。

暗転とともに会場からはアンコールの声があがる。
祈願者達が待ちわびる中、ツアーTシャツに着替えたメンバーが再登場。舞台セットの1つである十字架がない、というエピソードから観客の笑いを誘い、この日のトークタイムに。樹の「受験番号1番・剣路さん」というこのツアーからはじまったらしいノリを汲みながら、メンバーそれぞれのトークタイムが進む。樹のパートでは、ジーザス(お祈り)音頭なる即興の曲が生まれたり、ここでもメンバーの関係性の良さを感じさせられた。久々の演奏ということであった『Judas-天紙-』や『「ガーベラ」』について触れられたり、樹は、何度もサポートベースのtoyoの演奏力の高さを讃え、歌っていて気持ちよかったという『静』についても触れた後、この日のアンコール1曲目の『跡』へ。シャウトも交えたダークな印象のAメロやBメロから一転、サビではステージも明るく照らされキャッチーなメロディーが耳に残る。アンコールの2曲目は『Flow of time-厄束-』。こちらはスピード感もありながらどこか物憂げな印象も残る曲であり、LIVEもいよいよ終盤であることを感じさせる。一方、樹は最後の最後まで盛り上げ、樹の「飛べ」の掛け声とともに祈願者達は小刻みに飛びあがる。

そして、この日最後のナンバーは、「忘れないように」という樹のメッセージから奏でられた『「アサガオ」』。ラストを飾るにふさわしい、どこか最後まで儚げな余韻を残すこの曲で、この日のLIVEは幕を閉じた。

1曲目から最後の最後19曲目まで珠玉の曲が詰まった今回のLIVE。次回名古屋の2daysでは2日間全て異なるセットリストを披露するとのことで、このバンドの底知れぬ可能性を改めて感じさせられた。
古の継承者を名乗る、NETH PRIERE CAIN。どの世代にも必ず魅力的に映るであろうこのバンドの今後の更なる活躍を期待したい。

ブログ画像

Writer:H_Miura

<セットリスト>

  1. VALHALLA-Epilogue of the world-
  2. YGGDRASILL-創造と破滅-
  3. NIFLHEIM-glacial eyes-
  4. 「ホオヅキ」
  5. Solomon-支配者ノ鍵-
  6. #心身欠落的感情障害
  7. #自己犠牲的精神障害
  8. 「カトレア」
  9. Judas-天紙-
  10. 隠す心、声は届かない。
  11. 「ガーベラ」
  12. Devils Sanctuary
  13. RAGNAROK-終末の誓い-
  14. オルレアンの少女〜la Pucelle d’Orléans〜

En1

  1. Flow of time-厄束-
  2. 「アサガオ」

<LIVE>
NETH PRIERE CAIN CD発売記念単独公演TOUR2025
2025.4.27 浜松FORCE
2025.5.12 福岡OP’s
2025.5.14 神戸太陽と虎
2025.5.15 阿倍野ROCKTOWN

NETH PRIERE CAIN CD発売記念単独公演TOUR FINAL
2025.5.29 渋谷WWW

※全公演当日入場無料!!

<関連リンク>
■NETH PRIERE CAIN Official Web site
■NETH PRIERE CAIN Official X
■樹 Official X
■珠璃 Official X
■剣路 Official X