2025.06.04
【ライブレポート】DaizyStripper / FEST VAINQUEUR 2manLIVE『Aiming』2025.5.27-EDGE Ikebukuro-
かつて同じ事務所に所属し切磋琢磨してきたDaizyStripperとFEST VAINQUEUR、過去には『兄弟喧嘩』と称した2マンツアーを行うほどの深い中ではあるのだが、2マンイベントの開催は実に7年ぶり。
互いに様々な苦境を乗り越えた先で再び巡り合った今回の舞台は。それは再会という言葉では表しきれないほどの兄弟愛にあふれていた両バンドにとっても特別な時間となっていった。
夏を先取りするかのように熱く眩しいステージと、未来へ託したバンドの思いを余すこと無くお伝えする。

【FEST VAINQUEUR】
この日先陣を切ったのは弟分のFEST VAINQUEUR。会場は両バンドのファンが駆けつけ超満員。
すでに熱気溢れる中、幕が上がると同時に、割れんばかりの手拍子とメンバーコールが響き渡る。
HAL「兄弟喧嘩リターンズと行こうか!」
HAL (Vo.)の宣戦布告と共に始まったのは『Hello』。まさに「挨拶代わり」の一曲はオープニングに相応しい盛り上がりをみせながら、鳴り響く歌声に合わせて会場は揺れる。
「会いたかったでー!」とHALは観客に手を伸ばし、ギラギラと太陽のように輝くGAKU(Gt.)のギターロソが伸びやかに、HIRO(Ba.)のベースをキラキラと光を纏いながら音を響き渡らせる。
7年越しの対バンということで、再会を祝すように久しぶりの曲を中心としたセットリストから、続く曲は『宴~utage』。
「もっと熱くなれー!」のコールに合わせて両バンドのファンが混ざり合ってのヘドバンに会場は風を巻き起こす。この宴を待っていたと言わんばかりの熱狂の中、HALは10年前の「兄弟喧嘩」タオルを掲げる。これがただの対バンイベントではないことを象徴する瞬間のように映った。
ドラムサウンドからHIRO、I’LL(Gt.)、GAKUへと音のバトンを繋ぎ、HALの歌へと続く『THE NEXUS』。
宝石のようにキラリと瞬く光が導く。GAKUのギターリフがキラリと光る。この日を祝福するような優しい光に照らされて、HIROも歓声を浴びるようにしてステージ前方に進む。
その勢いもそのままに、『DIRTY-銃口に蛇』へと、舞台は更に激しく揺れる。真っ赤な照明に照らされメンバーの影が怪しく浮かび上がる中、ギラリと噛みつくHALの歌声。燃え盛る力強いパフォーマンスから誰も目を離せない。
『バタフライエフェクト』『カサブランカ』と続き複雑に色を変える会場。I’LLのギターリフから、淡い光に包まれ、撫でるような繊細なメロディーに息を呑む。
この日訪れた人々だけじゃい、共に活動してきた仲間に向けるようにして、祈るようにして「永遠なんて無い」と言葉を紡ぐ。今がずっと残ることを信じながら、静かにこの瞬間を噛みしめるように歌い上げると会場からは拍手が起こる。
『ヒガンバナ~花魁道中』に移るとHALは扇子を手に、会場も優雅に扇子が舞う。ガラリと色を変えた会場で華やかに音が舞う中、どこまでも伸びる歌声。そして、後半戦は激しく揺れる『神風』から。I’LLのなびかせるギターに合わせて皆は一斉に拳を振り上げ、さらには手拍子と雄叫びが交互に上がる。
文字通り暴風のように激しく突き抜け、ファンの声も合わさり全員で音を築き上げる。HALから向けられたマイクでHIROのシャウトも高らかに響く。
「とことん愛し合って行きましょう!」の宣言から、『ヴァレンシアとヴァージニア』へ続くと、待ってましたと言わんばかりの興奮が会場から伝わってくる。
赤い照明の照らす中、メンバーも自由にステージを跳ね回り、ツインギターが一際大きくうねりを上げる。高らかに響く激しさとは裏腹に、胸に染み入る温かなサウンドの中、HALも幸せを噛み締めるようにして、更にその先『現代的疑惑都市’DOUBT!’ 』へ導いてゆく。
これからも未来へ向かう覚悟を胸に叫ぶWe are FEST VAINQUEUR!その宣言に応えるように会場は熱く熱く揺れ、激しいヘドバン巻き起こる。
「夕霧さん大好きー!」とさらにDaizyStripperへの愛を叫ぶ、久しぶりの再会を誰よりも楽しみにしていたであろうHAL。この瞬間を愛し合おうと精一杯の想いを言葉に刻む。
そして、7年前に敬愛する先輩からもらった「生きていれば必ず会える」という言葉をそっくりそのまま先輩に送り返すと、会場からは大きな拍手が上がる。
最後は全てをぶつけるように激しく音を響かせる。限界を超えるような熱狂、命を燃やし奏でる5人の音はファンだけでなくDaizyStripperにもしっかり届いたであろう。
そして最後は「どんな場所にいても夢があることを願って」の一言から『霞桜』。
これから長い夏休みに入るDaizyStripperに向けたエールと、それでも自分たちはこれからも進み続けるという強い想いを胸に、この日への祝福と感謝を込めた歌声が響き渡る。
光に包まれる会場で、最後の1音まで胸の奥に染み渡るその思いをしっかりと、ファンだけでなくDaizyStripperへと繋いでいった。

【DaizyStripper】
FEST VAINQUEURからのバトンを確かに受け取ったDaizyStripper。今回の対バンへの思いを静かに胸に宿しながらメンバーはステージに上る。
5人が揃うと風弥(Dr.)が刻むドラムサウンドは徐々に大きくなり、そして激しいシャウトと共に夜明けのような眩しさが会場を包み込む。1曲目『ARREST』から爆発的に開放される勢いそのままに、颯爽とステージ前方へ進み出る夕霧(Vo.)、直(Gt.)、まゆ(Gt.)、Rei(Ba.)の4人。
一層熱気を増してゆく会場で、メンバー全員は向かい合い、激しく思い火花を散らす。
続く『VICTORIA〜氷の女王〜』にはイントロから黄色い悲鳴が上がり、待ってましたと言わんばかりの激しいヘドバンが早速始まる。直はステージ上を跳ね回りながらギターサウンドを刻む。激しくも艶のある歌声と、滑らかなギターが重なり合う。
そのまま『ベイビーキングダム』へと直はギターを掲げ煽り、夕霧のカウントに合わせて会場は揺れ、会場中から声が上がる。スピード感から一転してスローテンポの艶めかしい歌声に合わせ、皆は両手を伸ばし音に合わせて揺れる。ギラギラと揺れ、何度も転調する不可思議なサウンドに、波の乗るような心地よさで体は自然と揺れる。
MCで夕霧は弟バンドとの「兄弟喧嘩」イベントを振り返りながら、「(ワンマン直前の最後の対バンに)FESTを選びました。FEST以外だったら対バンしていない、兄弟喧嘩ではなくもはや兄弟愛」とFESTへの想いを語ると会場からは歓声が上がる。先程まで熱い兄弟愛をぶつけていたFEST VAINQUEURだったが、DaizyStripperもそれに負けない程のさらに大きな愛情で応えてくれたこの2マン。
さらに『絶唱OH YEAH!!』と熱狂は終わらない。リズム隊のズンと響くも軽快なサウンドに、会場の前からも後ろからも、どちらのファンも関係無く大きな歓声が会場を包む。7色に輝く音色は未来に向けた希望に溢れたメッセージのように光り輝く。
続く『彼女はエメラルド』にはイントロから歓声が溢れ出す。緑色の証明に照らされ、軽やかに揺れるサウンドとは裏腹に切なさを保つ切なく甘い歌声。
激しいドラムソロからまゆのギターソロ、一曲の中でも音は複雑に絡み合い、それぞれのテクニックが光る中、続くのは『殺鬼晴レ』。ガラリと色を変えて会場に花を添える、楽曲のバリエーションの豊かさは流石の一言。赤一色に染まる会場は音と混ざり合うことで更に複雑な感情を映し出し、命の鼓動そのものを思わせるサウンドに痺れていった。
MCで夕霧はトレゾア(DaizyStripperのファン愛称)に愛嬌を振りまくも、対象的にFEST VAINQUEURのファン(夕霧曰く愛称は軍隊)には塩対応と、後輩愛に溢れたMCで会場を沸かす。
共に全国ツアーを何度も回ったFEST VAINQUEURとの思い出を振り返りながらまゆも「また絶対やりたい」と、未来への希望を繋いだ。
そして、マイクスタンドに飾られた9本のガーベラの花言葉「いつまでも一緒にいてほしい」になぞらえて、ファンに向けた想いと共に送るのは『いつだって旅の途中』。曲に乗せた「会えなくなった大切な人へ送るメッセージ」とは裏腹に、明るく希望に満ち溢れ、光に包まれるステージ。ほんの少しの切なさと溢れんばかりの愛をまっすぐ届ける優しいサウンドが光の道を照らす。
最後はファンと共に「いつだって旅の途中」と詩を重ねる。
共に歩んできたトレゾアと、これからも同じ景色を重ねられる日まで、再会を信じて歌い上げた。
そこから続く『decade』は、2バンドの兄弟愛を象徴するように両バンドのファンが混ざり合う。この景色が見たかったと言わんばかりの笑顔がとても印象的に写った。
しかしここでさらにダークなサウンドで彩る『BLACK DROPPer』だ。
「忘れらんねえ夜にしてやるよ」
夕霧の宣言通り、突き刺すように激しいサウンドにヘドバンの中で歪むギターのサウンド。巻き起こる柵ダイで皆は勢いよく前へと飛び出し、その熱狂を体でぶつける。
「全部開放しろ!生きてる今日に絶対悔い残すな!」とこの日限りのステージに込めた夕霧の叫びにつられ、メンバーも激しく煽り、それに答える観客の声援がビリビリと響き渡る。更にはFEST VAINQUEUも全員乱入し、兄弟揃ってのセッションに会場は大興奮。会場中から黄色い悲鳴が上がり、カオス状態に。
この日限りの特別な時間は、熱狂の中でゆっくりと終わりに向かっていくように、駆け抜ける余韻は夕暮れの日差しのように闇に溶けていく。
実はEDGE Ikebukuroのスタッフからの提案で決まったというこの2マン。6月6日の関内ホールが迫る中で、相手がFEST VAINQUEURだったから引き受けたその兄弟愛に大きな拍手が送られた。
そして、共に過ごした時間が長いからこその絶対的な信頼を込めた夕霧からの「Dazizyの活動が無い間はFESTをおすすめします!」の言葉。トレゾアに送る再会に向けた再会までの約束としてだけでなく、FEST VAINQUEUのファンにも送る最高の賛美ではないだろうか。
両バンドのファンとの再会を願って、最後に贈るのは『ダンデライオン』。
割れんばかりのファンの歓声から突き抜ける伸びやかな甘い歌声。最後まで悔いを残さないという思いは皆同じ。ファンもメンバーも音のひとつひとつを噛みしめるようにしてまっすぐ向き合う。
最後はファンも共に歌い上げると、その光景に夕霧も思わず歓声を上げる。太陽のような暖かさと頼もしさ、兄貴分としての堂々としたパフォーマンスは確かに皆の胸に種を残していった。
これからの長い夏休みに入る彼らだが、必ず返ってくるという強い思いを背に会場を後にした。

次に兄弟揃ってステージに立つ日はまだ分からない。しかし、この日を選んだ彼らと、その思いに応えたファンが願い続ける限り、いつか巡り会えると信じている。
その日までどうか、この特別な夜があったことを覚えておいてほしい。そして、再び同じステージに立つ日が来たら、ぜひ足を運んでもらいたい。
Writer:藤村 栞里
<セットリスト>
FEST VAINQUEUR
- Hello
- 宴~utage~
- THE NEXUS
- DIRTY-銃口に蛇-
- バタフライエフェクト
- カサブランカ
- ヒガンバナ~花魁道中~
- 神風
- ヴァレンシアとヴァージニア
- 現代的疑惑都市’DOUBT!’
- 霞桜
DaizyStripper
- ARREST
- VICTORIA〜氷の女王〜
- ベイビーキングダム
- 絶唱OH YEAH!!
- 彼女はエメラルド
- 殺鬼晴レ
- いつだって旅の途中
- decade
- BLACK DROPPer
- ダンデライオン
<LIVE>
【FEST VAINQUEUR】
FEST VAINQUEUR 1000th Memorial Live『UNLIMITED』-1000th Memorial Live-
6月6日(金) 東京都 浅草花劇場
FEST VAINQUEUR 2025 REVIVAL ONEMAN LIVE『GENERATION』
6月7日(土) 高田馬場CLUB PHASE
7月5日(土) 大阪RUIDO
FEST VAINQUEUR 15th Anniversary Live Tour『Season of Birth』
7月13日(日) 高田馬場CLUB PHASE
7/14(月)高田馬場CLUB PHASE~Gratz!!!GAKU & I’LL’s Day~
8月2日(土) 大阪RUIDO
8月3日(日) 大阪RUIDO
8月16日(土) HOLIDAY NEXT NAGOYA
8/17(日)HOLIDAY NEXT NAGOYA
8/23(土)福岡graf
8月24日(日) 福岡graf
8月30日(土) 金沢gateBlack
8/31(日)金沢gateBlack
9月7日(日) 高田馬場CLUB PHASE~HAL Birthday 1~
9月8日(月) 高田馬場CLUB PHASE~HAL Birthday 2~
9/13(土)岡山IMAGE~I’LL Birthday 1~
9月14日(日) 岡山IMAGE~I’LL Birthday 2~
9月22日(月) 梅田BANGBOO~HIRO Birthday 1~
9月23日(火祝) 梅田BANGBOO~HIRO Birthday 2~
9/27(土)札幌Crazy Monkey
9月28日(日) 札幌Crazy Monkey
10月25日(土) 渋谷ストリームホール〜LIVE HISTORY 2010~2015~
10月26日(日) 渋谷ストリームホール~LIVE HISTORY 2015~2020~
10月27日(月) 渋谷ストリームホール〜LIVE HISTORY 2020~2025~
11月1日(土) 高田馬場CLUB PHASE~GAKU Birthday 1~
11月2日(日) 高田馬場CLUB PHASE~GAKU Birthday 2~
【DaizyStripper】
18th Anniversary Tour2025 GRAND FINALE 「いつだって旅の途中」
6月6日 (金) 関内ホール 大ホール(横浜市市民文化会館)
詳細:https://daizystripper.com/contents/883323
配信チケット:https://twitcasting.tv/daizy_staff/shopcart/377627
<関連リンク>
FEST VAINQUEUR Official Site
FEST VAINQUEUR Official X
HAL Official X
GAKU Official X
I’LL Official X
HIRO Official X
DaizyStripper Official Site
DaizyStripper Official X
夕霧 Official X
直 Official X
まゆ Official X
Rei Official X
風弥 Official X