2026.05.08
【ライブレポート】Azavana、名古屋CLUB QUATTROに刻んだ「唯一無二」の証明。静寂と轟音の狭間で揺れる魂の記録。 -2026.4.25(Sat)名古屋CLUB QUATTRO –

2026年4月25日、名古屋CLUBQUATTRO。
会場を支配していたのは、心臓の音が鳴り響く、剥き出しで独特な空間だった。それこそがAzavanaというバンドが提示する「世界」そのものである。心音が大きくなり、その鼓動が臨界点に達した瞬間、観る者全てが彼らの深淵へと引きずり込まれた。
S1TKのドラムが静かにリズムを刻み始め、そこにЯyuのベースラインが重く、深く這いずるように重なる。詩結の奏でる美しいギターの旋律に、諒平のギターが折り重なり、幾重もの音の層を形成していく。最後にヴォーカル・遼が姿を現すと、会場からは割れんばかりの叫びが上がった。


幕開けは『Mist』。静寂から一転、一気にAzavanaの濃密な世界へと視界が塗り替えられる。遼の透き通るような歌声、そしてそれを支える圧倒的な演奏力。みるもの全てを惹きつけるその魅力は、まさに「唯一無二」だ。「名古屋―!気合い入れてけー!!」という遼の激しい煽りに呼応し、フロアからは一斉に手が突き上げられた。
続く『Hysteria』では空気が一変する。まだ序盤だというのに、会場はすでにクライマックスかと錯覚するほどの熱狂に包まれた。観客は思い思いに髪を振り乱し、跳ね、その身を音の渦に投じていく。『シガラミ』では横モッシュがうねりを生み、遼の合図で座りながらヘドバンを繰り出すという、異様でありながらも統制された光景が広がった。その熱量は一曲ごとに、加速度的に上昇していく。
「まだ足りない。もっとくれよ!!」遼の咆哮が響いた『灰色の海を泳ぐホタル』。フロントに並ぶ4人の立ち姿は、残酷なまでに美しい。激しくも切ないメロディが胸を打ち、はかなく響くギターソロの音色は、聴く者の心の澱を洗い流していくかのようだ。これほどまでに「激しさ」と「切なさ」を同時に、かつ高純度で表現できるバンドが他にいるだろうか。


中盤、『TATTOO』から『飢えた球体』へ。シンバルの響きから始まる静寂の中に、静と動が交差する予感が漂う。遼の歌声は言葉の端々にまで魂を宿し、一度聴いたら忘れられないメロディが心の奥底を鋭く抉る。それは誰にも真似できない遼の歌声と、楽器隊の確かな演奏技術が結実した瞬間の証明であった。
『白露』、そして『星灯り、滴る虚夢』。それまでの喧騒を忘れさせるような静寂が会場を包む。ベースラインが躍動し、緻密なギターの構成が胸を締め付ける。遼の声にあたたかみが宿り、会場を優しく包み込んだ瞬間、その美しさに耐えかねたように涙をこぼす観客の姿もあった。感情の乗ったギターソロ、心をなぞるベースライン、そして突き刺さるようなドラムの強弱。彼らは音そのもので語りかけてくる。
後半戦、『Erica』『獄詩』『ノイズ』『擬態』と畳み掛ける展開は、息をすることさえ忘れるほどの緊迫感に満ちていた。遼が語っていた「音源とは違う、ライブならではの激しさ」という言葉の真意が、ここにある。単なる楽曲の良さを超え、その場でしか体感できない表現力が会場を支配した。本編ラストの『空っぽな唄』では、Azavanaが誇る「静と動」のコントラストが極限まで引き出され、混沌とした熱狂のなかで幕を閉じた。

アンコールを求める地響きのような歓声に応え、再びステージに現れたメンバー。「やるぞー」「全部おいてけ!!」という煽りから放たれた『愛怨』で、会場の熱気は瞬時に最高潮へと引き戻された。MCでは一転して落ち着いたトーンでこれまでを振り返り、今日という日に最高以上のライブを残すと宣言。『孤独におはよう』『秒針に沈めて』と続き、暗闇のなかで心地よいリズムとメロディが溶け合う光景は、ステージとフロアの確かな絆を感じさせた。
『微熱と過呼吸』で再びフロントの4人が揃い、ヘドバンと拳が乱舞する激動の空間へ。二度目の演奏となった『シガラミ』は本編を凌駕する荒々しさで、左右に分かれた観客が混ざり合い、うねりを上げた。さらに『空っぽな唄』を再投下し、底知れないエネルギーを叩きつける。
そしてラストを飾ったのは、『心音』。遼が歌い上げる艶やかな声は、アンコール最後にして最も色気を増し、Azavanaという圧倒的な存在感を刻みつけた。ニューアルバムでも高度な技術を要する難解な楽曲群を、あくまで軽やかに、かつ情緒豊かに演奏してみせた彼ら。
Azavanaがこれからの時代を担っていく。その確信を鮮烈に残したまま、名古屋の夜は更けていった。

Writer:宮下 浩司 Photographer:土屋 良太 ヘアメイク:Kayo Inoue (Mousa) / Ayumi Shigei
<セットリスト>
- Mist
- Hysteria
- シガラミ
- 灰色の海を泳ぐホタル
- ホオズキ
- TATTOO
- 飢えた球体
- 白露
- 星灯り、滴る虚夢
- Erica
- 獄詩
- ノイズ
- 擬態
- 空っぽな唄
En1
- 孤独におはよう
- 秒針に沈めて
- 微熱と過呼吸
- シガラミ
- 空っぽな唄
- 心音
<ライブ情報>
●Azavana全国ワンマンツアー決定!!
TOUR FINAL 2026年12月5日(土) Zepp Shinjuku
※詳細後日解禁
<関連リンク>
■Azavana Official Web Site
■Azavana Official X
■遼 Official X
■諒平 Official X
■詩結 Official X
■Яyu Official X
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