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【ライブレポート】KISAKI 生誕半世紀追加公演「BEYOND THE KINGDOM -Final Masquerade-」-2026.10.24 東京BLAZE GOTANDA-

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今年3月15日に大阪BIG CATで開催されたKISAKI生誕半世紀記念公演「BEYOND THE KINGDOM」から約半年。忘れられない熱狂を呼び覚ますように、KISAKI生誕半世紀追加公演「BEYOND THE KINGDOM -Final Masquerade-」と銘打って再び“神・KISAKI”が降臨した。KISAKI自身にとっても3年半ぶりとなった東京公演に集うのは共に時代を築いた盟友と時代の継承者たち。様々な時代とジャンルが交差する空間ではあったが、この日に向けた思いは皆同じ。そして、渾身のサウンドで繋いだバトンを最後に受け取るのは一夜限りの特別な編成で挑んだKISAKI PROJECT feat.ryo。全8バンドが紡いだ熱狂の舞台を余すことなくお届けする。


NETH PRIERE CAIN

始まりの音を奏でるのは、古の継承者 NETH PRIERE CAIN。肩書き通り、KISAKIの築いた一時代に憧れた名古屋の新星が福音を響かせる。樹(Vo.)の妖艶な歌声に揺れる『「カトレア」』から、珠璃(Gt.)、大馳(Gt.)、Maya(Ba.)も優雅に衣装をはためかせ、観客を魅了していく。
「1番手から気合い入れていきましょう、俺たちの生き様を見せつけます」と樹の宣言通り、刻み込むのは最新曲『PENTAGRAM』だ。優雅さとは一転、激しいサウンドが闇を纏う。見せつけるのは“今のNETH PRIERE CAINの生き様”。溢れ出す思いはリスペクトに留まらないで、超えてみせるという強い意志も感じられた。激しくも荘厳に、樹のシャウトが響き渡った。
MCで樹はKISAKIが手がけたUNDER CODE PRODUCTIONのバンドに大きな影響を受けた事、そして今彼らと共に同じ舞台に立てた喜びを伝える。そんな彼らがここで送るのはPhantasmagoriaの名曲『NEO ARK』。イントロからフロアでは喜びに満ちた歓声が上がる。Mayaと大馳のシャウトも加わり、音はさらに厚みを増しフロアを圧倒していく。しかし、ただのコピーではなく随所に光るアレンジがNETH PRIERE CAINらしさを際立たせる。樹は誰よりも喜びを爆発させ、「来世まで受け継がせて行きます!」と宣言してくれた。そしてそのまま『狂進曲-invisible scar-』へ。タイトルからも大きな影響を受けていることが伝わるが、だからこそ“継承者”として新たな時代を感じさせるサウンドで挑む。剣路(Dr.)のドラムサウンドが印象的に彩る中、メンバーも前に乗り出しもっともっとと声を求めながら音を奏でる。

俺たちが愛した意思はいつまでも存在し続ける――

その言葉と共に送られる『BAPHOMET』。最後まで攻めの姿勢を崩さず、変幻自在に色を変えながら魂をぶつける。楽器隊の鮮やかな音色、そして樹の語るような歌声で魅了する。“古の継承者”を掲げる彼らの舞台は新たな時代を切り開き、これからのヴィジュアル系シーンを牽引する強い情熱がみなぎっていた。
NETH PRIERE CAINの物語はこの先も止まる事なく続いていく。彼らの奏でる音楽が、いずれ新たな伝説となっていく、そんな予感を残して5人の姿は闇に溶けていった。

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樹(Vo.)
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珠璃(Gt.)
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大馳(Gt.)
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Maya(Ba.)
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剣路(Dr.)

Phobia

2番手は名古屋系の代表としてその名を轟かせたPhobia。KISUI(Vo.)と源 依織(Gt.)の2人がKISAKIの呼びかけに応え、サポートに真悠(Ba.)、篤人(Dr.)を加え、この舞台に深紅の華を添えた。
1曲目から『「Vi」×2 Section』とダークなサウンドが会場を包み込む。激しく叩きつけるような旋律に、KISUIの悲痛を纏うシャウトが鮮血のように飛び散る。圧倒されるフロアを前に、KISUIはマリオネットのように妖しく揺れ踊る。誰もが彼らの世界に飲み込まれていく中、休む間もなく『白いシリコン』へ流れるように移ろい、純白に包まれたステージに狂気のナンバーが浮かび上がる。依織のギターは艶やかに音を響かせ、真悠も軽やかにステップを踏み、鮮やかなサウンドで魅了する中、KISUIのシャウトが毒々しく、フロアを切り刻んでいく。
一転して『仮面舞踏会~リテイク~バージョン』では鮮やかな光が会場を包む。メンバーも前へと身を乗り出し、踊るように縦横無尽に揺れ動きファンを魅了していく。彼らの音楽に魅了され、フロアからも自然と手を伸ばし全身でライブを楽しんでいく。
「お前らまだいけるよなー?」とKISUIは何度も煽り、『√情緒不安定÷降圧剤/血流量=君に』『囀ル冥途 -Self-Discipline-』と間髪入れずにPhobiaの世界が会場を満たしていく。地下深くから響かせるような重低音。この日の為に目を覚ました猛獣が解き放たれたような、狂乱に揺れるステージ。「まだ足りないなぁ!起きてますか!?」とさらに煽り、真っ赤なステージでさらけ出す本能的な衝動が人々の心を突き動かす。
ラストは全身で音を、存在を、全てをさらけ出す『ビン詰めのグロテスクなリドラ』。きらびやかなギターサウンドが会場中を駆け抜け、KISUIの全身を震わす絶叫が鳴り響く。この舞台に向けた思いを音に宿し、全身全霊で会場に響き渡らせる。魂を込めたステージはまさに鬼気迫るものであった。その生き様を映すシャウト、そして狂気的なパフォーマンスは強い存在感を放ち、強く心に刻まれている。

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KISUI(Vo.)
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源 依織(Gt.)
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真悠(Ba./support)
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篤人(Dr./support)

椎名ひかり

前回の大阪公演に引き続き、本人たっての希望でこの舞台に帰ってきた椎名ひかり。その甘い歌声と対を成す激しいシャウトとバンドサウンドで送る、ポップとダークを併せ持った唯一の世界が幕を開ける。
「僕の愛を試してるんだよね?」の一言と共に幕が開く。青く染まるステージに姿を現し、マントを翻しながら甘い歌声でモッシュへと導く『餞タ夢ケ』から始まった。誰もが両手を掲げ左右に揺れ踊り、会場は手拍子に包まれる。重く響かせるバンドサウンドとハイトーンのコントラストが美しく、更には力強いシャウトで様々な表情を見せつける。しんと静まりかえった会場に落とす影。赤い照明が夕日のように会場を照らす中、続くのは『羅刹遊戯』。消え入りそうな儚い歌声から泣き叫ぶようなシャウトまで、変幻自在の感情的な歌声がフロアを操る。そこから最新曲『君 保留中 僕。』へと続き、会場は熱気を増していく。毒々しい音が包み込む中、時折見せる笑顔でキュートに、しかし燃えるような鋭い目線がファンのハートを射貫いていく。
MCでは今回も神(KISAKI)が楽屋に押しかけては美容の話題で盛り上がったことなど、笑いを交えながら親交の深さを垣間見せてくれた。そんなゆるいトークから真剣な表情に変わり、KISAKIが作曲した『Mind Collapse』を捧げる。語るような歌声に荘厳なバンドサウンドが重なる。彼女の為の旋律は可愛さだけじゃない、芯の強さや舞台に立ち続ける者としての美しさを一層際立たせていく。マントを投げ出し指先にまで表情を込め、2人分の思いが重なる旋律に誰もが聞き入り魅了されていった。
そして最後はぴかりんらしさMAXのビビッドな色が会場を染め上げる『魔界女子☆恋モード』で締めくくる。
“古の遊び”と称して柵ダイで盛り上げる姿も、ヴィジュアル系シーンそしてKISAKIへのリスペクトが溢れる華やかなステージ。激しくもポップなサウンドに魅了され、ジャンルを超えた出演にも関わらず誰もがあっという間に誰もが彼女の虜となり、同じ喜びを共有していった。
そして彼女自身誰よりも今この瞬間を楽しみ、眩い笑顔を咲かせていた。

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椎名ひかり

ClearVeil

幕の向こうから響くサウンドに「バレバレの公開リハ(笑)」と呟く声が乗り笑いを交えながら期待を煽る。実に16年ぶりの復活となるCleaVeilのサウンドは、開演前から熱を帯びていた。
赤く燃えるステージに響くシャウト、会場後方まで誰もが拳を掲げ熱気が湧き上がる。開幕は『The future of despair』から、「首飛ばせ!」と尖(Vo.)は激しく煽るとフロア中から大きな声が響き渡った。高らかに鳴り響く熱を帯びたサウンドにしっとりと聴かせる歌声が重なる。久しぶりの再会にも関わらず、駆けつけたファンとメンバーは一心同体となって喜びを分かち合っているように見えた。メンバーも前に出て5人の音をずんと響かせ、時に笑顔を向け合いながら艶やかな音声を響かせる。続く『ガーネット』でも、まだ足りないと声を求める。初めて観るであろう観客達も気がつけば拳を掲げており、これがライブだと言わんばかりの熱狂が会場を満たす。
尖の「もっと声出るだろ東京!」の叫びに合わせ、雨宮流斗(Gt.)、希(Gt.)、HISAYOSHI(Ba.)の3人も前に出て音を鳴り響かす。「ご無沙汰してます東京!今日は呼ばれたことに驚いています(笑)」と呼ばれたことへの喜びと感謝を送る。KISAKIの呼びかけに少しでも応えたいとの思いを胸に、「これしか出来ないけどこれには自信がある、ぶち上げていこうよ!」と声を張り上げた。真っ直ぐな言葉は自信に満ち溢れている。その言葉で熱を帯びる中『御伽一夜』へと続き、重低音に導かれ会場は揺れる。妖しくも色気を纏うクリアな歌声がギラギラと輝く。さらに『A.R.S』では鮮やかに流れるギターリフに導かれ、誰もが自然と手を伸ばしたくなる衝動に駆られる。高く高く伸びる歌声は力強く、背中を押すように暖かく響いた。
そして、この場で来年3月13日名古屋E.L.Lにて20周年ワンマンが開催されることを告知。しかしながら、「次のワンマンは記念では無い。覚悟を、生き様を見せつける」と尖は高らかに宣言すると、会場からは期待に満ちた拍手が送られた。最後に送られた『riot girl』ではファンもメンバーも激しいヘドバンをし、今この瞬間を生きようと全力で向き合っていく。ぶつけ合う拳に鳴り止まない手拍子、楽器だけじゃない幾重にも重なるこの日限りのサウンドが響き渡り、最後の曲を彩っていく。
「次は名古屋で会おう!」
交わされた約束はこの日を共にした人々の心にもしっかり届いたのではないだろうか。最後まで熱く激しいライブを見せてくれた。

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尖(Vo.)
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希(Gt.)
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雨宮流斗(Gt.)
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HISAYOSHI(Ba.)
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成華(Dr.)

THE BEETHOVEN

雷のように眩く、エレクトリカルな音楽が包み込む。軽やかなピアノサウンドと共にメンバーが揃うと、これまでとは全く違う世界観でステージを染め上げる。
始まりは『Angel』から、鮮やかな音色が会場を包み込み、誰もが楽しげに体を揺らす。メンバーの個性が重なり合い起こす化学反応が、フロアの熱気を押し上げていく。ギターリフが滑らかに導く『メドゥーサ』へと続き、赤と緑の照明に包まれダークな一面が姿を現す。マコト(Vo.)のビブラートを聴かせた華やかな歌声が響く中、ミネムラアキノリ(Gt.)も両手を叩いてファンを煽り、福助(Gt.)と並び2人の音を重ね合わせる。時にダークに、しかしそれでいて軽やかさを損なわないポップなサウンドに聞き惚れていく。
続く『奏想曲』では包み込む静寂を破くようにして重低音が響き出す。先ほどまでの空気から一転した、まるで太陽が沈み月が顔を出すような景色の移ろいを、誰もが息を呑んで見つめている。賑やかなサウンドで盛り上げるだけが彼らのライブでは無い。はっと聞き入るような歌唱力、繊細なサウンドが胸に染み入っていった。
そこからピンクの照明に包まれ『FACT』へと色を変える。始まりと同時に、弾けるような勢いを持って会場を揺らす。アップテンポのサウンドに合わせ誰もが手を伸ばし、その光景に5人は笑顔を見せる。様々なキャリアを持つメンバーだからこそ、一見バラバラのように見える衣装や雰囲気の異なる楽曲を持って、彼らは“何にでもなれる”自由で奥深い世界を描けるのだろう。
「おーい!五反田元気ですか!楽しんでますか!これまでずっとお世話になってきたKISAIさんの時間が経ってしまったけどバースデー。僕たちなりに祝えたら良いなと思います!」とマコトも祝福を送り、最後に奏でるのは『LAZY LADY』。この日を共に過ごす全ての人との時間を噛み締めるように、メンバーは皆、会場後方まで目線を送る。力強くも優しく語りかけるような歌声をマコトはしゃがみ込みながら声を震わせる。ビビッドな照明に包まれながら、メンバーはステージ上を軽やかに舞う。花畑が暖かな春風に吹かれるような、穏やかで美しい景色が続く。メンバーも肩を組み、にこやかに音を奏でていく。様々なサウンドで楽しませてくれた彼らのサウンドは、ここに訪れた全ての人の心を包み込み、特別な夜を祝福してくれた。

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マコト(Vo.)
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福助。(Gt.)
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ミネムラアキノリ(Gt.)
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那オキ(Ba.)
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YURAサマ(Dr.)

NEGA

熱を帯びたステージ、4人が響かせる重低音が空間を支配する。激しいシャウトと共に開幕を告げたのは『鬱』。
「お前らの鬱な気持ち全部、拳に込めて!」と叫ぶ儿(Vo.)の言葉から、唯一無二のダークで激しいサウンドで魅了する。ずうんと響く重低音、SAN(Gt.)とRay(Ba.)も背中合わせになり、音を重ね合う。儿の感情全てを叩き込み震わす絶叫。しかし、その言葉とは裏腹な、今ここで生きていることを感じさせる力強い歌声に魅了される。
続く『Soul cry』では、さらに冷たく非痛をまとったガラスのようなサウンドをぶつける。しかし、やはりライブは熱く激しいもの。続く『muddy cult』では激しいヘドバンから「飛べ!」の一言で会場は大きく揺れる。駆け抜けるサウンドに導かれ自然と体が動き出す。Rayもシャウトを響かせ、優(Dr.)のドラムサウンドも、もっともっとと煽るように強く高らかに打ち鳴らす。儿はステージの最前で手を伸ばし「俺を信じて!」と叫ぶ。様々な感情を共有し、叫び、彼らと1つになるような錯覚を覚える。
「KISAKIさん生誕半世紀イベント、楽屋まで届くくらい声聴かせてくれー!」
儿の願いに応え、大きな声が会場を埋めつくしていった。
青く儚い照明に包まれる中、儿のアカペラから始まった『WEIGHT OF THE LIFE』。そこから一気にモッシュが巻き起こると、メンバーも前に進み、その光景を楽しそうに眺める。疾走感のあるナンバーに負けじと、会場の熱はさらに増してゆく。爆音が鳴り響く中、真っ黒なシャウトが響き渡った。
彼らが最後に刻むのは『NIGHTMARE』。ドラムサウンドがおどろおどろしく導き、ヘヴィな音色にどこまでも深く沈んでいきそうな中、ギターの音色が一筋の光を射す。激しいシャウトは感情のままに会場を飲み込んでいく。その光景に圧倒されるながらも、誰もが全ての感情を剥き出ししていく。溢れ出す興奮が身体を支配し、欲望のままに声を上げ、音楽に身を委ねる。嗚咽混じりの歌声、絶叫。その全てを使い果たし倒れ込む儿。これがNEGAの持つ世界観なのだと、短い時間ながらも圧倒的なパフォーマンスと熱量で確かに見せつけてくれた。

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儿(Vo.)
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SAN(Gt.)
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Ray(Ba.)
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優(Dr.)

defspiral

鮮やかな照明と手拍子に包まれ、銀河を敷き詰めたような舞台上にメンバーが現れる。
始まりを彩るのは『VIVA LA VIDA』。血が踊るような熱狂に、誰もが拳を突き上げる。震えるような鼓動が会場に充ちていく。その勢いのまま、RYO(Ba.)のベースサウンドが導く『BLACK BIRD』。会場を包み込む鮮やかな闇をMASATO(Gt.)のギターサウンドが切り裂き、TAKA(Vo.)の妖艶な歌声が空へと響く。音の羽を会場に散らすように高らかに、時に厳かに時に荒々しく、声を震わせ夜の闇に誘い込む。力強く吠える歌声が漆黒に鮮やかな色を落としていった。


さらに雷雨のように激しく響くデジタルなロックサウンドで魅せる最新曲『ELECTRIC NIGHTMARE』へと続く。誰もが、曲の輪郭をなぞるように手を真っ直ぐ伸ばす。そして、フロアから響き渡るコーラスが今だけの音をさらに特別なものにしていった。
MCでTAKAは同じ同世代で関西出身のKISAKIへの祝福を送るとともに、「我々も関西にいるときから何十年もたくさんの歴史を重ねてきましたが、ここまで来たら死ぬまでステージに立ち続けます。しぶとく生き抜いていこう!」と訪れたファンに思いを伝えてくれた。
そんな思いとともに、今日という日を迎えた喜びと再会の夜に送る『銀河航路』。暖かな音色に包まれた彼らの表情は柔らかく、しかしその目に宿す火は激しく燃える。これまでの思い出を包み込むように送られる音色は優しく、そっと見守る銀河のように美しく輝いていた。出会いの喜びから、この先の未来へ向けて送る『流星』へ。鮮やかに色を染め、輝くステージで、和樹(Dr.)のドラムサウンドが光を宿す。漆黒の衣装に反射する輝きは月のように彼らの姿を浮かび上がらせていく。
「思いのままに」とTAKAははっきりと言葉を紡ぎ、メンバーも前に進みでて笑顔を見せる。暖かな音色が人々の心を多幸感で満たしていった。
これからも彼らは思いのままに、心のままに音楽を奏でステージに立ち続けてくれるのだろう。輝かしい未来で、再び彼らと出会うことを信じている。

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TAKA(Vo.)
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MASATO(Gt.)
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RYO(Ba.)
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和樹(Dr.)

KISAKI PROJECT feat.ryo

そしてついに訪れたヘッドライナー、KISAKI PROJECT feat.ryo。一夜限りのメンバーがこの日最後の舞台を締めくくる。
雄大なサウンドに包まれる中、ゆっくりと幕が開くと5人の姿が浮かぶ。純白に身を包むryo(Vo.)とKISAKI(Ba.)、そして黒に染まるIyoda Kohei(Gt.)、HIZAKI(Gt.)、森谷亮太(Dr.)。光と影が生み出すコントラスト。そのどちらを無くしても存在出来ない表裏一体な繊細さが描く儚い夢。ひりつくような緊張感の中で揺れる光のヴェールをかき分け、世界に音が満ちていく。
ryoの切なげな歌声が染み入る『記憶~After Confession~』から始まると、雪のようにしんしんと降り積もる音色。KISAKIも重低音を効かせたベースサウンドを響かせ、その景色に花を添える。そこに加わる重厚なバンドサウンドは、KISAKIも事前に話していたように“5人バンド”としての圧巻のパフォーマンスで会場を支配する。美しく、荘厳に。全神経を張り詰めた繊細な音色が胸を打つ。息を呑む美しさに圧倒され、静寂が会場を満たしていく。続く『沈黙の羽根』はメンバー同士で向かい合い目を合わせ、重厚な景色を彩っていく。激しさを持ちながら、重なるryoの歌声も伸びやかに、HIZAKIの華やかなギターサウンド、そしてIyoda Koheiの鋭いギターサウンドが複雑に絡む音色が彼らの世界をかたどっていく。


「いかに黙らせられるか」と事前にKISAKIも語っていたように、誰もが息を呑み舞台を見上げる。儚く、消え入りそうな歌声が空気を震わす『勿忘草』。零れ出す音色はryoの歌声をそっと包み込むように寄り添う。感情が決壊するように、音が胸の奥に一気に流れ込み圧倒されていった。厳かな中に、確かに感じる熱が体を巡る。彼らの音楽が、KISAKIの築き上げてきた唯一無二の世界に心を震わす。
そして、ここで送るのは凜の楽曲を大幅にリアレンジした『Dedicate to Graveyard』。今のKISAKIだからこそ書ける言葉、今だからこそ奏でたい音楽の全てを詰め込み、5人で描く景色。重厚なベースサウンドから繋がる奥深いバンドサウンド。
白くもやがかるステージに、闇の中にKISAKIとryoの2人の姿だけが色濃く映し出される。KISAKIとryoは肩を並べ、一夜限りの2人の姿を見せつけていった。

「誰かを照らす光になってほしい」と願いを込めて最後に送るのは『道標』。

ryoの心に寄り添うような歌声に合わせ、森谷亮太は重厚で荘厳な音を震わす。Iyoda Koheiは閃光のような鋭いギターを、HIZAKIは対照的に艶やかな音色を響かせる。KISAKIの響かす音色はこの曲をどっしりと支える一本の道のように見えた。そして彼らの音色は私達の未来を確かに照らしていく。
今この瞬間を照らす景色は儚く、ほどけるようにして消えてしまう。しかし、彼らの照らす未来と共に、この夢は一生の記憶として残り続けるだろう。
静かに幕が閉まる中、KISAKIは真っ直ぐ手を伸ばし、その存在を最後まで知らしめていった。

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KISAKI(Ba.)
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ryo(Vo.)
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Iyoda Kohei(Gt.)
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HIZAKI(Gt.)
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森谷亮太(Dr.)

荘厳に、儚く幕を降ろしたはずだったが、このイベントはそれだけでは終われない。
鳴り止まないアンコールが、真っ暗になった会場に響き渡る。
白から黒い衣装に着替えたKISAKIが再び現れると、続いてこの日を彩ったメンバーがステージに集結。
一気に賑やかになったステージいっぱいに広がる笑顔が、先ほどの厳かな空気を塗り替え一気にお祭りムードへ誘っていく。「何をやるか分かってますよねー!」と尖が叫ぶと、「3年半ぶりに東京に神が降臨するぞ-!」とマコトが続ける。

イベントを締めくくるのはもちろん『神歌』だ。
イントロに合わせたKISAKIコールから始まり、まずはマコト、ryo、儿の3人が入れ替わり立ち替わり、前に出て煽ると、樹もマイクを手に憧れの先輩達と歌声を重ねる。珠璃はKoheiにギターを託され、全身で音を奏でる。その横で、いつの間にかKISAKIは胴上げをされるなど、全メンバー入り乱れてのカオス状態になっていく。賑やかなステージの方々でいつも何かが起こり続けている。誰がどこにいるのかも分からないまま、気がつけばその無茶苦茶な光景に笑顔が溢れていく。
ファンもメンバーも、奇跡的な共演に喜びを爆発させ、最後の時間を噛み締めるように手を伸ばす。KISAKIは、大セッションではお馴染みのCO2をフロア・ステージ問わずぶちまけ、会場を白煙で埋め尽くす。更にはカメラを奪いステージを映すなど先程までの厳かさとはかけ離れたいたずらで会場を盛り上げると、フロアに手を伸ばし、その勢いのままダイブ。「ライブはこうじゃないと」と言わんばかりに今この瞬間を誰よりも衝動のままに楽しんでいた。
珠璃とHIZAKIは並んでギターを鳴らし、椎名ひかり、尖も前に出て神の名を叫ぶ。全員が主役であるように、誰もが声を上げる。客席、ステージからもKISAKIコールが何度も湧き上がった。

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「楽しかったか!3年半ぶりにやっと帰って来れました!」

最後には「また来ます!」と高らかに宣言すると、大きな拍手に包まれていった。
KISAKIのこれまでの音楽人生を象徴する「BEYOND THE KINGDOM」という王国は、再び幕を降ろした。プレイヤーとしてもプロデューサーとしても、様々な形でヴィジュアル系シーンを席巻してきたからこそ可能にした共演と特別な舞台は多くの人々に感動を与えた。もう二度と訪れない儚い夜だったが、彼の音楽、そして思いは確かに受け継がれ、この先の未来で彼の息吹を感じさせてくれるのではないだろうか。

しかし、最後に送られた言葉からも伝わるように、KISAKI自身の物語はまだ完結していないようにも見える。再び彼がヴィジュアル系シーンに新たな伝説を刻む日が来ることをこれからも期待している。
その日が来たら、ぜひ伝説をその目に焼き付けてもらいたい。

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Writer:藤村 栞里 Photographer:Satoki Demoto/Shiho YANAGIMOTO(FOTOLORE)/Sana Harukawa

<セットリスト>

NETH PRIERE CAIN

  1. 「カトレア」
  2. PENTAGRAM
  3. NEO ARK(Phantasmagoria cover)
  4. 狂進曲-invisible scar-
  5. BAPHOMET

Phobia

  1. 「Vi」×2 Section
  2. 白いシリコン
  3. 仮面舞踏会~リテイク~バージョン
  4. √情緒不安定÷降圧剤/血流量=君に
  5. 囀ル冥途 -Self-Discipline-
  6. ビン詰めのグロテスクなリドラー

椎名ひかり

  1. 餞タ夢ケ
  2. 羅刹遊戯
  3. 君 保留中 僕。
  4. Mind Collapse
  5. 魔界女子☆恋モード

ClearVeil

  1. The future of despair
  2. ガーネット
  3. 御伽一夜
  4. A.R.S
  5. riot girl

THE BEETHOVEN

  1. Angel
  2. メドゥーサ
  3. 奏想曲
  4. FACT
  5. LAZY LADY

NEGA

  1. 鬱
  2. Soul cry
  3. muddy cult
  4. WEIGHT OF THE LIFE
  5. NIGHTMARE

defspiral

  1. VIVA LA VIDA
  2. BLACK BIRD
  3. ELECTRIC NIGHTMARE
  4. 銀河航路
  5. 流星

TKISAKI PROJECT feat.ryo

  1. 記憶~After Confession~
  2. 沈黙の羽根
  3. 勿忘草
  4. Dedicate to Graveyard
  5. 道標

大セッション

  1. 神歌