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【本誌連動】アンティック-珈琲店- Vo.みく パーソナルインタビュー

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「世界に光が射したときに動くことができた」

20周年を迎えたアンティック-珈琲店-。今年1月、Zepp Hanedaで幕開けした「令和で初NYAPPY o(≧∀≦)o」から早1年。いよいよその最後の舞台が目前に迫る中、Vo.みくに話を聞いた。
ライブではアンティック-珈琲店-らしさを軸にしながらも、ドラマCDの声優に挑戦するなど、精力的な活動は、ファンにはたまらない1年だったに違いない。
20年分の歴史をなぞりながら、新しいことに挑み続ける、カフェっ仔との変わらない想い、そして、20周年を締め括るライブへの意気込みを語る。


あのライブはお客さんとステージで会うのが久しぶりだったので、申し訳ない気持ちと照れくささがあったりして、真摯に向き合おうと思って臨みました。だから、終演後までちょっとピリッとしたというか、かしこまったライブだったのかなと思っています。あの日の自分は、今までの自分とは明らかに違っていた。真面目に、真摯に、真正面からお客さんを見ていましたね。

「信じていて、よかった」とか「待っていて、よかった」と言ってくれるお客さんが本当に多かったですね。自分も20周年を迎えられないと思っていたので、すごく嬉しかったというのもあるし。アンティック-珈琲店-の曲で「メリメイキング ~凸凹な毎日と、あいかわらずな僕ら~」(2009年9月)という曲があって、歌詞の一節に“一緒に生きていこう/5年経っても10年経っても”という言葉があるんですけど、それを悠々と超えられたなということにすごく感慨深いものがあるなと思いました。それを実現できたのは応援してくれる方が沢山いてくれるからですよね。なので、カフェっ仔、ファンの方には本当に感謝しています。

夏のライブはその時点でもう来年の1月5日・6日というのが見えていて、中間地点になるじゃないですか。なので、ピリッとしたライブというよりは、アンティック-珈琲店-らしさを伝えられるものにしたいなと思っていました。しっかりとした夏の思い出になるのにふさわしいライブにしたかったし、コンセプトを持ったライブをしたいなというのがあって、振り切って昔のアンティック-珈琲店-……童心に戻れるような空間にしたいと思って臨みました。

大阪(大阪・心斎橋BIGCAT)もそうでしたけど、みんなが待ってくれていたことを実感しました。それに、僕らのことを心配してくれるお客さんが多いんですよ。愛してくれているというか、人として今後も見ていきたいと思ってくれるお客さんが多いんです。そういうところで、みんなに心配をかけてしまっているなというのはありますね。

そこはちょっとわからないけど、1つ1つの出会いがよかったんだなとしか思えないですね。

そうですね、今は。

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昔というか、10年前くらいから、こういう感じになりました。僕の中では“バンドとは”という概念が途中からなくなったんです。たとえば、「自分達はバンドだからギター・ソロは見せつけないとね」みたいな感覚があったけど、そういうことじゃないなと思うようになった。それまでの概念を取っ払って、ライブをするときはデートするときみたいに、どんなふうにしたら楽しませられるだろうとか、どんなふうにしたら伝わるんだろうといったことを考えるようになったんです。

そこはしっかり考えて、練って、形にしました。「エトセトラ」とか、オープニングとかをコンセプチュアルにして、昔っぽいアンティック-珈琲店-を届けたいなと思ったんです。

出てきましたね。夏のライブは季節柄というのがあって、暑くなってきて、メンバーも少しはっちゃけたいなと言っていて。“思い出せよ無邪気な頃”というタイトルは輝喜(dr)が出してきたんですけど、アンティック-珈琲店-はちょうど20才だし、20才といえば青春まっしぐらじゃないですか。それで、青い日々に戻れるようなライブにしたいなと思って組み立てていきました。

それは、お客さんの力もあると思います。理性を取っ払って、そのまま我に返らずにライブを楽しんでくれたから。それが、大きかったと思います。

大阪にいけるという喜びも、やっぱりデカかったですね。ライブ前から前乗りさせていただいて、遠足みたいな気持ちにもさせられつつライブ前日の寝る前とかにちょっとシュンとしちゃって、“明日を迎えたら、もうすぐに東京に帰るのか。淋しいな”みたいな。ライブのときは、もう長年やっているからお客さんの顔も覚えていて“久しぶり!”という感じで、東京とはまた違って同窓会みたいな感覚がありましたね。それに、もうずっとライブをしていなかったのに、爆発的なエネルギーをお互いに出せたのは凄かったなと思いました。

ドラマCDは、お話がきて純粋に嬉しかったですね。「Fly again」の制作は、今までとちょっと違っていました。曲の作り方もそうだし、大幅に違うのは結構大人になったので、僕はわりと周りに歩み寄ったなと思います。結構自分のスパイスを入れがちだったけど、今回は人の意見をめっちゃ聞いたんです。あとは、「Fly again」はこれまでで1番歌のキーが高くて、そこに挑戦したというのもありました。

声優というのはやったことがなかったので、人生は1回きりだし、食わずに終わるのはよくないなと思って。しっかり食べたいと思って臨みました(笑)。

自分的には、真剣にやりました。今の精一杯は出せたけど、またもしそういう機会があるならもっとブラッシュアップしてやっていきたいなと思います。

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僕はライブでもお客さんの心と自分達の心の距離が近いなと思っていたんです、他のバンドよりも。でも、インストア・イベントは本当に親戚の人とかに会っているくらい近いなと思いました。こんなに仲よしだったんだ…という。かけられる言葉とかも「ちゃんと、ご飯食べるんだよ」とか「身体、大丈夫?」というような感じで、本気で心配してくれていることが伝わってきた。みんな優しいなと思いましたね。

幸せでした。もう、それに尽きます。アンティック-珈琲店-がストップしてなんのメリハリもない生活が続いてくいく中で、本当に輝かしい1年でしたね。しかも、コロナがちょっと収まってからだったじゃないですか。世界がどんよりしている時期にアンティック-珈琲店-もちょっとお休みさせていただいて、世界に光が射したときに動くことができたので、すごくよかったと思います。

本当に先は未定なので、1月5日・6日は悔いがないようにやりたいなと思っています。LINE CUBE SHIBUYAでは今年1月のZepp Hanedaと8月の大阪・心斎橋BIGCAT、Spotify O-EASTで演奏しなかった曲が沢山聴けるし、ステージセットもかわいい感じのものを組む予定です。夏のライブとかも観てほしかったけど、LINE CUBE SHIBUYAはマジで来てほしい。ぜひ、みんなに集まってほしいなと思っています。


Interviewer:村上 孝之 / Photographer:山内 洋枝