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【ライブレポート】摩天楼オペラ TOUR’24 – SNOW IN MIDSUMMER – 2024.07.12 fri. 名古屋 ElectricLadyLand

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6/19に約1年ぶりとなるシングル『夜明けは雪と共に」を発売した摩天楼オペラ。シングルを引っ提げ2ヶ月間で8箇所を駆け抜けたTOUR’24 – SNOW IN MIDSUMMER -からツアー初日、7月12日の名古屋公演の内容をお届けする。彼らが真夏の夜に魅せる雪とは…。


照明が暗転しSEが鳴り始めると同時に、ファンたちは曲に合わせて一斉に手拍子をしながらメンバーの登場を待つ。そして、ステージに5人の姿が現れると大きな歓声があがる。
苑(Vo.)の心地よく響く低音で始まったのは、『死人たちのパレード』。ダークで神秘的な旋律が、一気に摩天楼オペラの世界へと観客を引き込む。緩急のある曲に高まった気持ちが揺さぶられていく。

苑「さぁ、行こうか名古屋ー!」

続いて始まったのは『EVIL』。リズミカルでスピード感のある音が一気に会場を駆け抜ける。一斉に頭を振り、熱気を帯びる客席。響(Dr.)が立ち上がって観客を煽り、苑、優介(Gt.)、燿(Ba.)、彩雨(Key.)がステージの前に並んで、摩天楼オペラというバンドの圧倒的な存在感を見せつける。激しくドラマティックな楽曲からは、破壊的なエネルギーすら感じられる。
メロディアスなギターから始まる『儚く消える愛の讃歌』。青紫の神秘的な照明に照らされ、苑の美しく伸びやかなビブラートが響き渡り、彼らが作り上げた曲の世界観に引き込まれる。ファンが手にしたネオンライトが、さらにその景色を引き立てた。

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苑(Vo.)

これぞ摩天楼オペラとも思える、厳かで幻想的な雰囲気から始まった『落とし穴の底はこんな世界』。「さぁ腕上げろ!」苑の掛け声と共に、ファンたちが一斉に手を上に突き上げ、声をあげる。「もっともっと!」盛り上がるファンをさらに煽り、上手では燿と優介の掛け合いを見せつける。ステージに座り込み、客席へ手を伸ばしながら歌声に感情を乗せて届ける苑。「さぁ一緒に!」会場全体が一体となり盛り上がりをみせた。
曲が終わるとすぐさま始まったメンバーコール。それに応じるかのようなドラムの音に、客席からは「響ー!」と一斉に声が上がる。その光景を見ながら、満面の笑みでさらにドラムを打ち鳴らす響。響はどの演奏中もずっと曲を口ずさみながら、体全体でドラムを叩き続けていて、楽しくて仕方がないという様子が印象的だった。ファンと響のやりとりが少し続いた後、苑がまだ少し息を切らしながら語りだした。「SNOW IN MIDSUMMERへお越しいただきありがとうございます!」沸き起こる拍手。

苑「もう、2曲目くらいで吹っ飛びまして…イヤーモニターというものが(笑)まぁ、今日はそんな感じでだいぶ気合いを入れてきてます。ツアー初日なんでね。一番目立ってやろうと思ってすごい派手髪にしてきたつもりでした…」

そう言ってドラムの方を見る。そこには暗闇でも煌々と輝くほどの蛍光グリーンヘアーの響の姿。そうきたか、と悔しそうに話す苑。確かにいつもよりも格段に明るい髪色の苑だったが、派手さでは蛍光グリーンに敵う色はそうそうないだろう(笑)

苑「そんな感じで、ツアー初日非常に気合いが入ってます!ここにいる全員で思いっきり楽しみましょう!」

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優介(Gt.)

その言葉と共に優介が拳を振り上げ、真っ赤な照明のリズムに合わせて「オイ!オイ!」と声を上げてファンを誘う。曲に合わせて照明が赤からピンクへと変わり、少し妖艶な雰囲気を醸し出しながら始まったのは「舌」。艶っぽく歌うのは得意だと話していたとおり、他の曲とは一味違う歌い方と色気を感じさせる声質で、苑のボーカルとしての幅の広さを見せつける。シャッフルやジャズといったアプローチを取り入れ、これまでとはまた違った摩天楼オペラの一面を見せてくれるこの曲は、音源よりもぜひライブで体感して欲しい一曲だ。
会場の熱をそのままに続く『炎の人』。力強い音楽と感情豊かな歌詞。激しさと勢いのある曲調の間に穏やかなギターソロが響き、緩急をつけながらもさらに勢いをまして走り抜けていく。

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彩雨(Key.)

一瞬の静寂の後、キーボードのエレクトリックなメロディから始まる『MONSTER』のイントロに乗せて、苑が手をクロスし煽り、客席と共に飛び跳ねる。赤と紫の光に照らされ少しエキゾチックな景色を見せた。
まだまだ勢いは止まらない。次なる曲は『誰も知らない天使』。苑の美しい歌声に優介のコーラスの重なりや、メンバー同士が向き合ってリズムを取る姿など、ライブならではの魅力が詰まっている。
曲が終わるとライトが落ち、しばらく沈黙の時が流れた。『桜』が始まると儚げな桜色のスポットライトに照らされ、マイクを握った苑が浮かび上がる。今までの激しさとは一転、しっとりとした歌声にメロディアスな曲調。美しく切ないメロディの中にも力強さや妖艶さをも感じさせるのは、歌声はもちろん、ギター、ベース、キーボードが重なり合う彼らならではの音の厚みのせいだろうか。最後はステージに膝をつき、空を見上げるように気持ちをこめて歌い上げた。
暗闇の中にバスドラムが光る。ドラムから始まった『悲しみは僕への罰』。メロディアスなギターソロもあいまって、前曲の「桜」から続く切なく甘美で摩天楼オペラの世界観に没入していく。
壮大さを感じるインスト曲「黒い海」を経て、『終わらぬ涙の海で』へ。
前曲の世界観を引き継ぎ、ライブハウスのステージとは思えないほどの壮大さを感じさせるパフォーマンスに惹きつけられる。激しいドラムにファンは思いきり頭を振り、ネオンライトを掲げる。最後は深い海の底に差し込む一筋の光のようなスポットライトに照らされ、苑の力強く透き通った声が響き渡った。
その余韻が続く中、会場は一転して穏やかな光に包まれる。美しくキラキラと輝くようなキーボードの旋律で始まる『流星の雨』。ギターリフは力強くも繊細。重厚感がありながらも、疾走感を持つベースとドラム。会場の隅々まで苑の伸びやかな歌声が流星のように降り注ぐ。

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燿(Ba.)

続く曲は『夜明けは雪と共に』。今回のツアータイトルにもなっている、美しくも感動的な冬の曲だ。まるで雪がしんしんと降り積もるような静かなピアノの旋律から始まり、繊細で透明感のある声が物語を紡ぎ始める。夏という季節を忘れさせるような空間が確かにここにあった。
最後は苑の荘厳な歌声からはじまり、光がゆっくりと広がっていくような感覚の『光の雨』。シンフォニックなサウンドに、力強いドラムが加わり、会場は一気に熱を帯びる。降り注ぐ音に合わせて揺れるネオンライト。曲の半ばでは、彩雨が奏でる幻想的で繊細なキーボードの音色が静かに響き渡ると、すぐにまた全員の音が重なり更なる世界を繰り広げた。摩天楼オペラが持つ独自の世界観と、彼らの音楽性の高さを象徴する一曲で本編ラストを締め括った。

暗転するとすぐにアンコールの声が上がる。その声は少しずつ大きくなり、5人がステージに戻ってくるのを待っていた。
しばらくすると、ツアーTシャツを着たメンバーが、少しリラックスした表情で登場した。

苑「あっという間でしたね。どうでした?久しぶりのE.L.L.は?」
彩雨「最高ですね!」
苑「ライブ初日って、なんで何回やっても初日なんでしょうね?」
燿「…どゆこと?」
優介「初日感の話…?」
苑「人生で何百回もライブやってるのに、初日っていつ何時でも初日なのよ」
彩雨「え、でもそれってメンバーだけじゃない?見てる側はそうでもないんじゃない?」
苑「でも、お客さんは新曲のノリが全員わからないわけで。そういう時ってどうしてるの?誰か客席に指揮者みたいな人が現れるの?ちょっと今日は皆さんを見てる余裕がなかったんだけど…」
燿「思い思いに楽しんでいただいてましたよ」
苑「それが一番いいね」

演奏で見せるクールさとはギャップのある、すこしまったりとした空気感も彼らの魅力の一つだろう。
ここで燿があることに気づいた。

燿「響くん、袖どこいった?」
響「すぐゴミ箱いきっスね〜(笑)」
苑「まじで悔しいわー」
響「え?袖っスか?」
苑「違う違う!(笑)朝の衝撃よ、ニコニコしてきやがって。」

とここで話題は髪色トークへ。

優介「…新鮮なキウイみたいな」

適切な例えに一同爆笑。

響「青だと光るでしょー?(ブラックライトで髪が光る)」
客席「サイヤ人!」
響「この前は黄色やったんで、もうちょっと攻めようかなと」

この後もうしばらく髪色トークは続く。

苑「今日は聴かせる曲が多かったので、もうちょっと体動かしてもらおうと思います。一緒に楽しみましょう!」

始まった曲は『ダチュラ』。苑が手でファンたちを煽る。鋭く、攻撃的なギターが曲全体にダークな空気をもたらす。苑のボーカルは低音域での力強さが際立ち、誘惑的に響く。
「イェーイ!」響が叫ぶと観客が一斉にタオルを振り上げた。「Hit like you just don’t care!! 」勢いよく英語から始まった『クロスカウンターを狙え」。曲に合わせて手を振り上げ、折りたたみ、宣言通り激しく体を動かす続く曲が続く。
続く『RUSH!』は力強いギターリフから始まる。

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響(Dr.)

苑「さぁ、名古屋!」

4人が一斉にステージフロントに立ち、エネルギッシュなドラムに合わせて、疾走感のあるメロディが駆け抜けていく。ステージに手を伸ばす人、ヘドバンをする人、手を高く振り上げる人、みんな思い思いに盛り上がる。
最後は「Eternal Symphony」。荘厳なキーボードの音色が響き渡り、そこにギターとドラムが加わってクラシカルな要素とロックの力強さが壮麗で感動的な音の世界を作りだす。
青い光に照らされながら、力強く感情豊かに響く苑のハイトーンボイスに心を揺さぶられる。
まだ余韻が残る中、ファンたちはまだ足りないとばかりにアンコールの声を響かせる。

苑「アンコールありがとう!やっぱり楽しいね。今回のシングルがまさかの冬の曲だったんですが、せっかく夏にツアーをやることになったんで、もう一曲くらい冬の曲をぶち込んで帰ろうかなと思います!SHINE ON!」

明るく前向きなエネルギーに満ちたこの曲はラストを締めくくるのにふさわしい一曲だ。
ネオンライトが輝く中、会場全体が一体となって歌う。その光景を目にしたメンバーにも笑顔が溢れる。響がドラム台の上で立ち上がり曲に合わせて手を振ると、観客も歌いながらそれに合わせて大きく体を揺らす。

苑「初日からこの景色を見せてくれて、本当にありがとうございます!」

名古屋から始まり、夏を駆け抜けたTOUR’24 – SNOW IN MIDSUMMER -。この秋からは2マンイベントが続き、来年の冬からは待望の全国ツアーが続く。そして、17th Anniversary Live 2024.5.4 LINE CUBE SHIBUYAのLIVE Blu-Rayも9/25(水)発売される。これから
ここからさらに進化をとげながら、全国のオペラーに感動を届けていくことだろう。

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Writer:Yukie / Photographer:Mickey Tanaka (LiveYou)

<セットリスト>

  1. 死人たちのパレード

  2. EVIL
  3. 儚く消える愛の讃歌
  4. 落とし穴の底はこんな世界

  5. 舌

  6. 炎の人

  7. MONSTER
  8. 誰も知らない天使

  9. 悲しみは僕への罰
  10. 黒い海
  11. 終わらぬ涙の海で
  12. 流星の雨

  13. 夜明けは雪と共に
  14. 光の雨


 En 1

  1. ダチュラ
  2. クロスカウンターを狙え
  3. RUSH!

  4. Eternal Symphony


 En 2

  1. SHINE ON


<LIVE SCHEDULE>
摩天楼オペラ × lynch.『VERMILION』
2024/11/4(月/祝)・東京 Veats Shibuya
OPEN 16:45 / START 17:30
出演:摩天楼オペラ / lynch.

摩天楼オペラ × Azavana ツーマンライブ『Invisible Scars』
2024年12月6日 (金)・恵比寿 LIQUIDROOM
開場/開演: 18:00 / 18:30
出演: 摩天楼オペラ / Azavana

LIVE TOUR 2025
2/01 (土) 福岡・DRUM Be-1
2/02 (日) 福岡・DRUM Be-1
2/15 (土) 千葉・柏PALOOZA
2/16 (日) 埼玉・HEAVEN’S ROCK さいたま新都心
2/23 (日) 静岡・LIVE ROXY SHIZUOKA
2/24 (月) 神奈川・新横浜NEW SIDE BEACH!!
3/01 (土) 兵庫・神戸VARIT.
3/02 (日) 京都・KYOTO MUSE
3/08 (土) 神奈川・川崎セルビアンナイト
3/15 (土) 宮城・仙台MACANA
3/16 (日) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
3/23 (日) 長野・CLUB JUNK BOX
3/29 (土) 北海道・札幌SPiCE
3/30 (日) 北海道・札幌SPiCE
4/12 (土) 神奈川・横浜BAYHALL
4/19 (土) 愛知・名古屋ElectricLadyLand
4/20 (日) 大阪・BananaHall
5/04 (日)東京・Spotify O-EAST
​チケット詳細は後日発表いたします。

<関連リンク>
■摩天楼オペラ Official Website
■摩天楼オペラ Official X
■苑 Official X
■優介 Official X
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■燿 Official X
■響 Official X