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【完全版】五人五様の衝動が交わる――DuelJewel ニューアルバム『Eclipse』

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コンセプトに縛られず全員が心のままに曲を書き上げ、磨き上げた最新アルバム『Eclipse』。
月と太陽をテーマにしたリード曲「待宵月-MATSUYOINOTSUKI」と「Rotten Sun」を筆頭に、DuelJewelらしい幅広いジャンル、高い演奏力が詰まった作品に仕上がっている。
9/20 からはワンマンツアー『腐敗した太陽、望まれた月』もスタート。


ばる 『Aria』が昨年の9月にリリースしているので、本当に丸1年ぶりなんですけど、大体作品を作る時は、特にコンセプトは決めず、全員が曲を書いてきて、選曲会議するという形で。みんなからの曲が出てきて、それを組み立てていく感じですね。選曲会議を経て、その中でバランスを見ながら、「もっとこういう曲があった方がいい」とか、そういう感じで作っていったので、特に決まったテーマは設けずやっていった結果、今回も幅広く、すごくバランスの取れたアルバムになったなと思ってますけどね。

祐弥 いつもアルバムを作る時に、メンバーそれぞれが書いてくるんですけど、「なんかこの曲とこの曲被ってるね」とか、「この曲はこっちでいいよね」とかっていうことも頻繁に起こることがなくて。多分同じバンド内だったら結構起こることだと思うんですよね。でも、あんまり起きないので、基本的には書きたいものを書いて、今のDuelJewelでやりたいことっていうのを念頭において、そのまま割とストレートに通る傾向があるかもしれないですね。今回は特にそんな感じがあった気がしますね。

祐弥 そうですね。「その音楽のこれがかっこいい」とか、「これが今来てるよね」とか、そういうことも結構メンバーで話したりしますし、(お互いの感性を)共有しているっていう感じがあるかもしれないです。

隼人 僕はアルバムの時は、みんなが書かなそうな曲というか、こういうのがあったら面白いかなって思うものを書くようにしてて。なので、最終的にみんなが書いてきてくれた曲の隙間を埋めるというか、そういうものを出せたらなという思いでいつもは書いてますね。今回「死と死と」っていう曲はそういうつもりで書いたんですけども。自分自身がこういうメロディーラインがいいなとか、こういう曲調がいいなっていうのはもちろんあるんですけど、やっぱり、トータルでどう面白い作品になるかっていうところもアルバムを作る上での醍醐味だと思うので、そこの面白さみたいなものを感じながら今回も作りましたね。

ばる 僕が書いた2曲の内の1曲、「Last train」という曲があって、これは2回目の選曲会議で作った曲なんですね。DuelJewelってこういう楽曲が実は得意なのにあんまりやってないなっていう思いがあって。今V系もメタルテイストの楽曲がすごく受けているところもあって、実は本質的に僕らが持ってるっていうところを出したいなっていうので書いたので。もちろんみんなが言うように、今まだ足りない要素みたいなものを出したっていうのもあるんですけど、王道的な、こういう曲もあっていいんだろうなとか、そういう感じで。やっぱりバランスを見ながら書いていったっていうのはありますよね。

Shun 曲を何曲か作っていく上でいろいろ見てるところが、前作の「Aria」とか、その前に出した「FLARE」「Trigger」の時とは違って、お客さんを動かすこととか、「今のDuelJewelでできることってなんだろうな」っていうところを考えて楽曲を持っていったので。結果、今回3曲入れてもらいました。今この5人でできる新しいアプローチだったり、今までのさらに延長線上だったりっていうのが、お客さんに届けられる形で収録できたらいいなっていうのだけを考えて、今回、僕は作りました。

Natsuki 僕は基本的には、その時やりたいことを提出するっていう感じですかね。「ああいうことやってみたいな」「こういうことをDuelJewelでやってみたいな」って思う楽曲はあるんですけど、「曲を書きます」っていうときに、例えばギターのフレーズ、いいギターのフレーズがあったら、思いついたらそっちに寄っていったりとか、僕はその時やりたいことっていうのが強いですね。

Natsuki 基本的にいろんな音楽をある程度は聴くようにしてるんで、「ああいう系の方にこのフレーズだったら近づけるよね」「じゃあこれを広げてみようかな」みたいな。思いつき…そうですね、思いつきかもしれないですね。

祐弥 自分の言葉でしか書けないんで、基本的に多分、「何か」「誰が」出てくるとかは考えずに僕は書いていますね。割と曲が先行して歌詞を書くって感じなんで。なので、思うままに書いています。

隼人 その時、自分が考えてることとか、感じてるものと、楽曲が持ってる雰囲気だったり、世界観っていうのが、作詞をしようと思った瞬間に相互関係というか、文字に落ちていくような感じがすごくあって。基本的にはその楽曲が持ってるものを自分が聴いて、そこで浮かんでるものとか感じたことっていうのを書くんですけど。その時の自分の状況によってどう言葉が作り出されていくかっていうのも、やっぱり当然変わるだろうなというのもあって。自分の私生活だったり、自分の周りにいてくれる人だったり、その時置かれてる状況みたいなものとか、全部、トータルで自分だと思うので、そういう意味では、本当に今の自分しか書けないものだと思いますし、今の時代の中で生きてる人にしか書けないものだと思ってます。今、“この瞬間”を作り上げた感じがありましたね。

ばる 僕が作詞してる曲ってそんなにないんですけど、DuelJewelが2019年に復活してからは1回も自分の曲に対しても詞を書いてなかったんですけど、なんか久々に書いてみたいなっていう意欲が湧いたんで。隼人に「ちょっと1曲書いてみて、ダメだったら隼人にお願いするかも」みたいな、曖昧な感じで始めたんですけど、やってみたら意外とすいすいと言葉も出てきたし、僕の中で作詞って伝えたいメッセージもあるんですけど、どちらかというと言葉を埋めていくというか、パズルゲームみたいな面白さもあって。「このフレーズに、ここの言葉がぴったり合ったら、なんかはまったな」とか、「ここで綺麗に韻を踏めたらうまくいったな」みたいな。もちろん伝えたいメッセージもそこにはあるんですけど。ちょっとゲーム感覚で作っていく面白さみたいなのは自分の中であるんですよね。それが久々にうまくいって面白かったなっていうのはあります。

Shun 今回、歌詞はこの1曲だけなんですけど、普段はメッセージ性とかそういうものを追い求めてしまう一方で、この曲はとにかくインパクト勝負というか、個々の言葉の羅列がとにかく耳に残るフレーズであることだけを考えたのと、書いてる段階からちょっと数字遊びをしようっていう構想がずっとあったので、それはしてみようみたいな(笑)。その2つイメージで書いてて、途中とある単語が出てくるんですけども、それを書いた瞬間に「ああ、もうこれで大丈夫だ」って確信できたので、書いてて面白かったです。

ばる 表題にしたい曲が2曲生まれてどちらにしようか悩んでたんですけど、「どちらも表題曲にしよう」というのが先で、後からタイトルを決めました。表裏一体、2面性のあるようなタイトルを探していたら、行き着いたのが『Eclipse』でした。

ばる 仮タイトルぐらいまでは決まっていて。アルバムタイトルが『Eclipse』になって、僕が思いついたのが、”月”と”太陽”。月蝕と日蝕をタイトルとして表題曲に入れてほしいって、結構無茶なお願いをしたんですよ。そうしたらすごくいいタイトルを出してくれて。和をイメージした曲に”月”の情景はぴったりですし、「Rotten Sun」のように激しい曲には太陽の荒々しさみたいなのもイメージが合うんで。

ばる 基本的にはみんなの意見をまとめるのが僕で、僕から提案して、みんなからそれに対して意見をもらって、さらに話し合って決めてます。今回の作品に関してのビジュアルイメージは、デザイナーさんや監督さんに、まず僕らの曲を聴いてもらって。イメージはどちらかというとその曲を聴いてくれた人の感覚を大事にしたいのも我々にはあるので、デザイナーや監督が僕らのこの作品を聴いてどう思うか、何を感じてどういうデザイン、映像を作ってくれるかというのに割と委ねました。僕らが細かい指示をするよりは、音源を聴いて、判断してもらった世界観っていう方が、より視聴者の方たちにも近くて、客観的な見方ができると思ったので。もちろん、キーになるような部分だけは僕らから伝えることはありました。

隼人 僕が書いた「待宵月-MATSUYOINOTSUKI」は、どういうコンセプトでこの曲だったり歌詞を作ったのかっていうのを、事前に結構質問してくれて。楽曲の大きい柱にしたのは、九相図(くそうず)っていう、人間が死んでからどういう風に朽ちていくのかっていうのを表した1つの古い絵があるんです。それが僕の中で大事なテーマになってて、それを主役が花魁の子でっていうので書いたのが、この曲のテーマになってます。この2つの折り重なったイメージを事前に理解いただいた上で提案いただいたので、言い方が難しいんですが、矛盾のない作品になってるなっていうのを最初に感じましたね。こういうものを言葉だけで説明するって結構、理解不能っていうか、難しいと思うんですよね。なので自分なりに、わーっと書いて、こうやったら伝わるかな、みたいなところまでは書いたんですけども、監督さんはいい意味でかみくだいてくださって、それを映像にしたっていう感じで。完成したものに対してもすごくいいものができたなと思います。

Shun 僕も同じで、一応歌詞の概要資料を作らせていただいてお送りさせてもらったんですけど、「ここまでちゃんと読んで、自分の中に落とし込んで提案してくれる人なんだな」っていう感動がすごい印象的で。監督もタバコを吸う人なんですけど、当日撮りながら、喫煙所で「あそこってこうですよね」とか、さらにいろいろ聞いてくれたりして、「ここでこういう演出したら面白いと思うんですけど、どう思います?」とか、すごいクリエイティブなことをしているなっていう充実感がすごいありました。完成したものを見て、1人でスタンディングオベーションしてました。

隼人 今回、イントロとかで流れてくる二胡の音っていうのがうまく調和してるなっていうところが、この曲の面白いところだと思ってて。二胡って中国の楽器なので、(楽曲が)中華っぽくなる雰囲気も普通だったらあると思うんですけど、楽曲の雰囲気にうまく溶け込んでるというか、いいテンション感になってるというか…フックになってるような感じもあって。最初はギターで音が上がってきていて、それはそれでヘビーな感じでかっこいいなというのはあったんですけど、祐ちゃんが「今回二胡を生で弾いて、その音を入れてみたらどうだろう」っていうアイデアで入れてくれたのが、聴いてみてすごく良かったっていう感じでした。最初は和の要素が壊れる可能性もあったと思うんですけど、入れてみると思いの他、なんかいい食べ合わせだったというか…、その辺りは多分聴いてくださる方もそういう風に感じてくれるんじゃないのかなと。こういうのも音楽の面白いところで、掛け合わせてみた結果っていうのがセオリー通りにはならなくて、もっと超えてくるものがあるっていうのは聴きどころの1つかもしれないです。

Shun 「Rotten Sun」に関しては、激しい曲が欲しいってなった時に、「じゃあ今までのDuelJewelでやってない激しい要素なんかないかな」と思った時に、ちょっと変なことをしてるカオティック系のものをやろうと思ったんです。僕は普段から音楽聴くのがすごい好きで、いろんなジャンルの曲聴いてますけど、そんなこと言っておきながらカオティック系ってそんな聴いてなかったので、途中のギミックを思いついただけで、僕の辞書にないものだったんですよね。でも自分の中で折り合いをつけて、いろいろ僕の好きなものを詰め込んでいった結果、ああいう形になって1つ勉強になったなって思いました。「そういう曲作ってるんだよね」って友達にも伝えたら、メンバーからのOKが出たすぐ後ぐらいに、そういうジャンルのおすすめバンドを教えてもらって。「こういうのやりたかった」とかも結構あったので、次回作以降、消化できるタイミングがあったらいいなと思ってます。今出せる僕のそういう方面はこの形で綺麗にまとまったかなと思ってます。

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