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【完全版】音楽のオタクと自称するユナイトの素晴らしい楽園──新作『FANTASTiC』と『FANTASTIC NERDS』ツアーで魅せる唯一無二の世界

椎名未緒 アルバム曲がほぼほぼ中心というか、新曲だけで10曲以上あるんでセトリの色を変えていくのはなかなか難しそうですよね。ツアーは大体17曲位を目安にセットリストを毎回組んでるんですけど、半分以上アルバム曲っていうことに基本的にはなりそうなので、その条件下で、来てくれる人にどういうふうに特別感とかを感じさせてあげられるかなっていうのを、今まさに考えてる感じですね。「いつ来ても同じじゃん」ってなっちゃうのが1番怖いんで。アルバム曲を育てたいっていうのと、今日しか聴けないものがあった、みたいな感じにもしてあげたいし。どこの会場に来ても、ツアー中1回しかやらない曲みたいなのがあったらいいのかなとか、そういうのは構想段階ですけど色々考えてはいます。

椎名未緒 そうですね、プラスアルファの部分も多ければ多い方がお客さん的には多分嬉しいと思うんで。

椎名未緒 自分は、高校2年生の時とかかな…。そのライブハウスに出させてもらったんですけど、その時はオリジナル曲ですらなかったんで。ほぼ全曲PIERROTのコピーみたいなバンドでライブをさせてもらった場所です。プロとして立った訳じゃないので「古巣に帰るよ」ってレベルじゃないかもしれないですが、思い出の地に帰る感じですかね。

 福岡でバンドやってた時によく出てたライブハウスで、めちゃくちゃ地元なんですよ!そういうライブハウスで、時が経ってからライブができるっていうのが、すごいエモーショナルだなって感じもありますけど、まだ全然実感がなくて、地元でライブをするっていうのが。なので、行ったら行ったで、なんか変な気持ちでライブしそうだなって思います(笑)。普通に感動しそうです。

 いや、本当に怪しいですね。めちゃくちゃ泣きながら歌ってたらどうしようと(笑)。でも、めっちゃ楽しみにしてます。地元にファンのみんなが来てくれるっていうのは嬉しいですね。

椎名未緒 そうです、自分がバンドを始めた20年前ぐらいと比べて、今チケット代が倍になってるんで。当時、ヴィジュアル系って中高生とかがライブハウスにいっぱいいたんですよ。けど、今、中高生ってバンドによるかもしれないけど、あんまりライブ会場で見ることなくて。それを考えた時に、中高生に5000円のチケットって高いよなっていうのがあって。下手すれば1ヶ月のお小遣いが5000円です、みたいな子もいると思うんですよ。そういう子たちにとって、やっぱヴィジュアル系ってハードルがお高いよなと…。それを考えたらチケット代は安ければ安い方がいいよなって。なので、ちょっとお試しでやってみることにしました。実際やることで、どれくらいの人が来てくれるかとかは全然わかんないんですけど。ただ、姿勢としてユナイトはそういう試みをしてますよっていうことは、これからは発信していった方がユナイトのためにもなるかなとか。あと、なんかもうちょっと(ヴィジュアル系)シーンが、そういうふうに若い人に寄り添ってあげないとダメなんじゃないかっていうのもあったりして。今までやったことないんで、やってみようかなって感じで今回取り入れてます。

椎名未緒 そうですよね。だんだんそうなってきちゃったんで、この流れが続いていくと、ヴィジュアル系って文化はそのうち若い人が寄り付かなくなって死ぬんじゃないかなって。だからヴィジュアル系をもっと盛り上げたいとか、なんかヴィジュアル系に恩返しを…と言うんだったら、もうシーン全体で手を組んで利益度外視の痛み分けをして取り組んでいけば「ヴィジュアル系、また流行るのにな」とかは思ったりします。そう簡単ではない話ですけどね。

椎名未緒 自分に関して言うと、もうヴィジュアル系歴で言うと20年以上なんで、相当長い期間、ファンの皆さんのおかげで音楽をやらせていただいてるんです。若い頃って、ファンっていうものが…なんて言うんだろうな、森に見えてたっていうか。ファンっていう漠然とした生き物に感じてる瞬間とかが今思えば結構あったりして。けど、”ファンっていう人(個人)”はいないじゃないですか。ひとり一人がいて、集まったものがファンっていう、なんか架空の存在で。ひとり一人に考え方とか思いとか、人生とかがある中で、出会って、何年も追いかけてきてくれるような人と巡り会うのって、かなり奇跡的なことだと今は特に思ってるんで。なんかもう、「俺のファンなんですね」とか、「ユナイトのファンなんですね」では、終始できるほど簡単には考えられなくなっちゃって。家族とかと離れることって、あんまり想像しないじゃないですか。この人と何年かしたらもう会わないんだろうな、とかって家族にはあんまり思わないと思うんです。だから、長く応援してくれてる人には、よりそういう家族に近いニュアンスっていうんですかね。例えば、ユナイトのライブに来なくなったりとか、見かけなくなったとしても、なんか「またいつか、どこかで会えるんじゃないかな」とか、なんかそれぐらいの信頼感があるっていうか、家族ほど近くなくても、親戚ぐらいの感じっていうんですかね、他人ではないというか、それぐらい応援してくれてる人のことを親身に感じています。

 やっぱボーカルって、他のメンバーのことが好きでも、嫌でも耳につく楽器というか、メインですから、そういうものだと思うんですよ。今年の3月に14周年のライブが、僕が加入した12周年のライブと同じ、EXシアター六本木であって。12周年の時のライブ映像を期間限定でネット配信してたんですよ。その時の僕が、本当に初々しすぎて、「本当に大丈夫か」って自分で思ってたんですよ。「なんてライブやってんだ」って。ということは、その時のファンもきっと同じことを思ってたはずなんですよ。今はある程度完成されてきたっていうか、自分にも自信を持ってステージに立ててるし、歌えてると思うんですけど、本当に最初の頃は結構グダグダだったと思うんで。それを乗り越えてっていうか、古参が偉いとか、そういうのはないんですけど、その期間からいてくれてる人って、本当に感謝ですね。その人たちがいてくれたから、今があると思いますし、メンバーもみんな楽しそうにしてくれてるんで、本当に支えられてたんだなって改めて思ってますね。もちろん最近好きになってくれた人たちも、今のユナイトを好きで入ってきてくれた人たちですし。

椎名未緒 今目指しているというか、目標にしているのが15周年のライブですね。今年アルバムを出すとか、ワンマンツアーをやるとかも全ては15周年へ繋げるための1つの点だと思っていて、それを全てうまく繋いでいった先が、来年3月29日の15周年ワンマンライブの成功だと思っているので、そのためにそこまでの全てのイベントを成功させるために頑張りたいです。ソールドアウトすることだけが目標ではないですが、会場が結果的に満員でしたっていうのは、この一年の結果と成果だと思うんで、それは目指していきたいですね。それに向けていいアルバムを作りたかったし、これから行うワンマンツアーも、いいワンマンツアーにしたいなっていうのを思っています。

 僕も15周年に向けてっていうのも、もちろんそうですし、そういうのは未緒さんが言ってくれたんで、僕個人的には、もうずっと挑戦し続けてるこの2年間…今3年目になるんですけど。ユナイトのボーカルとして、もっと認知されるような活動をしていこうかと考えてます。15周年に向けて、僕のこれまでの2年間で、力を身につけてきたはずだと思ってるんで、自分の力をもっと発揮できればと考えてるし、そんな1年にしたいなって思います。


当インタビューは2025年6月に本誌公開されたもののノーカット版です。

Writer : 廣瀬 大輔 Photographer:bitocamera

『FANTASTiC』
【収録曲】
1. hananone.
2. ファンタスティック
3. [about us]
4. 4:19 A.M.
5. empty mellow
6. 酔性キャンディ
7. iScream
8. ないけど
9. somewhere not here.
10. ∮ [0→2] (4x^3-1)dx
11. 灰色の心象へ胡乱の詩に軽い音
12. sheeple cirQus
13. ぜったいれいど
14. 菟
15. cogito天才の
16. sheeple repliQo
17. 星躔
18. balloon flower
19. プレゼント
20. 花晨

【発売日】
2025/06/18(水)発売
¥5,000(税込) 

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