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【ライブレポート】THE LOCUS <KISAKI BANDWORKS 30TH ANNIVERSARY LIVE 「BEYOND THE KINGDOM -OSAKA-」>

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2023年11月5日大阪・心斎橋BIGCATで開催されたBANDWORKS 30TH ANNIVERSARY LIVE 「BEYOND THE KINGDOM -OSAKA-」。この日、KISAKIの30th Anniversaryを記念して結成された「THE LOUCUS」のライブの模様を、本誌より大幅加筆にてお届けする。記念すべき30周年にふさわしい熱狂が今蘇る。


KISAKIの30周年記念ライブがいよいよ幕を開けた。この日の為に集まったメンバーは、楽器を持った瞬間から真剣な表情で、立ち位置や音響の確認と細部まで徹底的に感覚を研ぎ澄ます。その感覚はステージを超え、幕を通して客席にも伝わるようで、音が鳴るたびに客席から声が消える瞬間すらあった。厳かなSEとともに、いよいよ幕が開く。暗闇に包まれた会場を一筋の光が照らし、幸樹(Vo)を中心に5人の影が浮かび上る。

「大阪全員かかってこい!」

『凛』のイントロが流れると同時に会場は気に熱を帯びヘドバンが巻き起こる。KISAKIも前に出てメンバーやファンと顔を見合わせながら軽やかに、この30年の全てを全身でかき鳴らす。GAKU(Gt)と向き合いベースを奏でる無邪気な表情から一変、お立ち台に立ちファンにその真剣な表情でKISAKIという存在を魅せつけ、Ryo(Dr)と共にリズムを刻みながら軽快なステップを踏み、I’LL(Gt)はKISAKIに身を寄せたり、時には向かい合い、共に音を奏でる。

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続いて懐かしのナンバー『Pixy false』。待望の一曲に、イントロを奏でると同時に黄色い歓声が上がり、煽るよりも早く観客は思いのままに体を揺らす。幸樹が片手を大きく振るうとファンもそれに合わせ手を伸ばす。メンバーは衣装をはためかせながら優雅に舞い、会場一体となってその空間を作り上げる。激しさだけでなく、一瞬一瞬が息を呑むほどの緊張感に包まれる静かなプレイで観客を魅了する。Aメロでは再び会場の照明が変わり、メンバーが暗闇の中わずかに照らされる状態に。色彩で飾らずとも彼らの力強い輝きは損なわれることはない。再びサビに入ると、幸樹は艶めかしくも美しく、そして時には激しく歌い上げる。目まぐるしく変化するステージ上で、KISAKIもその姿をファンの目に焼き付けんと堂々としたパフォーマンスを魅せつける。

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MCでは幸樹が「(前回のライブでは声出しNGだったが)今日は存分に声を出せるんで。俺が許す。今日はKISAKIさんをふっとばす声を」と、語ると会場は温かい笑いに包まれる。「今日だけは許す。アビスで突き刺してください」と続け、KISAKIも失笑。これまでクールな演出をしてきたステージだったが、この瞬間には和やかなムードとなった。

「あっちゅー間に終わっちゃうんで、KISAKIさんの30周年の中で、今日のライブが一番熱くて声もあってクソ暴れてやばい景色だったねって、俺たちに言わせませんか?どうですか?」と煽ると、『The Psalms and Lamentations』は更に激しさを増す。KISAKIも会場の熱気を全身で浴びるように前へ踏み出す。全身全霊のパフォーマンスで会場を盛り上げると、誇らしく、堂々とした表情からは笑みが溢れた。

Phantasmagoria時代の名曲「狂想曲-Cruel Crucible-』は圧巻のベースソロで会場を魅了する。サビではファンへの愛情を真正面からぶつけ、それに応えるようにファンも一斉に手を伸ばした。

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