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2024.04.05

【本誌巻頭特集】Sadieスペシャルインタビュー

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再開の狼煙を上げる時——

2015年に活動休止となり、昨年8年ぶりの復活を遂げたSadie。8年の時を経て鮮やかに生まれ変わったセルフカバーアルバム「THE REVIVAL OF SADNESS」を引っ提げた復活公演「THE REVIVAL OF SADNESS」が遂に開幕。それぞれの道を歩んでいた5人が再会を果たすまで、そしてこれからSadieの目指す未来をたっぷり語っていただいた、ファン待望のロングインタビュー!


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真緒:年に1度、僕の誕生日に『哀シミノ讃歌』というSadieの楽曲を歌うライブがあり、ゲストとしてメンバーにも出てもらったりしていたんですが、『哀シミノ讃歌2022』の年に景くんが再び音楽の世界に戻ってくるという意思を伝えてくれたので、活動休止してから景くんは初のライブを踏みました。そのライブの時に活動休止して以来メンバー全員が揃うことになったんですよ。6年以上ぶりに5人揃っての再会、「Sadieをこの先どうしていこうか?」という話をしました。全員一致で再始動しようと。
ミーティングを重ねて、今回の活動再開に至りました。

:Sadieが1度活動休止して僕は音楽からは離れていたんですけど、昔マネージャーをしてもらっていた方と仕事をする機会があり、その際にちょうどSadieのファンの子たちと会う機会をいただいて、彼、彼女らの気持ちや話を聞いたりしているうちに、気持ちに変化みたいなものが生まれて。Sadieはあくまで活動休止で、解散ではなかったので、僕もずっと気になっていました。それで真緒くんに連絡して「もう1度やろうかな」と伝えさせてもらった感じですね

美月:景ちゃんがしばらく音楽活動から離れていて、「もう1度叩きたい」という意思を聞いた時、まず5人で会って、活動を再開するのか、終わらせるのかという話し合いをしました。全員の意思を確認する必要はありましたので。その中で僕的には「復活しましょう」という気持ちが強かったですね。「時が来たか」という感じでした。

:僕は、それを聞いた時はあまり現実味がわかなかったというか、結構時間も経っていて、8年ほどでしょうか。Sadieのことを思い出す日はありましたけど、活動再開の話を聞いた時は不思議な感じがしましたね。やっぱりメンバーがいないと復活できないというのが1番の理由ではあったので、また景くんができるようになれば、「あっ、できるじゃん」というような気持ちは同時にありましたね。

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:久しぶりに5人で会った時はスタジオとか入ったわけじゃなくて、いろいろ懐かしい話をしたり、Sadie活動休止後にお互いが歩んできた人生というか、そういうものを交換した時に、自分の人生の中でもう1つ大きな、何かアクションを起こせるんだっていう楽しみみたいなものが出てきて。自分たちの人生の中でもSadieを再開させるということは大きな出来事だと思うんですよね。
なので、何度かメンバーで話をする機会があったんですが、その時に「面白いことができたらいいよね」っていうことをメンバーに言った記憶があります。再開させるのであれば、やっぱり面白いことをしてみたいじゃないですか。

亜季:5人が揃わないとできない、やらないバンドという認識があったので、素直に「やれるな」。ただ最初の頃は、団体のことよりも〝個〟として過ごしてきた7〜8年、自分の過ごしてきた道が5人で集結した時にどう活かされるのか、本当に自分自身は強くなって帰ってこれてるかな、という個人的なことの方がまだ大きかったな。自分に問いかける感じでした。単純に「上手くなっているのかな」とか「いい音になって帰ってこれているかな」とか。まだ全然、音合わせる前だけど。

亜季:すごく個人的な感覚で、説明が難しいんだけれど、よりチーム感が増したというか。僕はよりメンバーにメンバーのポジションを任せれるな。なんかこう、ギターは剣と美月に任せてるから、ドラムは景に任せてるから、ボーカルは真緒に任せてるからっていうのが8年前よりも強く感じられた。

真緒:当時の作品をリリースしてから時間がかなり経っていますし、レコーディング技術や僕らの表現力、いろいろなものが当時は未熟だったなと思っていて。今回、ライブをするということが決まった上で、今の状態の自分たちの表現力や音を聴いてほしいっていうのが1番大きかったですね。
あとは、Sadieの代表曲たちをたくさんの人に聴いてもらいたかったけれど、今の時代に過去の僕たちの作品をそのまま持っていくというのは難しいかなというのもありました。今は配信だったり、サブスク的なものがあるので、たくさんのリスナーに聞いてもらいやすい環境にもなりましたし。どうせだったら今の自分たちの技術、プラスでブラッシュアップした自分たちの感性というものを1つのパッケージにして、それを聴いてもらいたい、というのが今回の「THE REVIVAL OF SADNESS」に込めた意思ですね。

真緒:初期のものも含めた、過去の楽曲たちをピックアップさせてもらったんですが、忠実に再現しつつも、活動休止中に磨いてきた自分たちなりの表現や技術を入れた形になっているので、昔の音源を持っている人が聴いても、かっこいいと思える作品になっていると思っています。新旧っていうのがあるかもしれませんけど、今の等身大の5人を、この音を通じて聴いてもらいたいなっていう気持ちですかね。

真緒:僕らがリリースしたシングルやアルバムなど、作品から1曲ずつピックアップして作ったベスト盤みたいな形ですかね。なおかつライブシーンを想定して選曲したものもありますね。

真緒:もちろん技術が上がったっていう部分はありますが、今の音であったり、新しい技術が加わったことによって、10数年染み付いているメンバー各々のフレーズがより一層新しく、かっこいいものに感じられましたね。やっぱりアレンジはされているんですけど、このアレンジにしても普通もっと変えたくなったり、語呂替えしたくなってしまいそうなものなんですが、全員の気持ちが当時の初期衝動を大切にしていて。各々のパートはマイナーチェンジに留めることで1番いいところにいるんじゃないかと思います。

亜季:難しいことするな」って。やっぱり悪い意味ではなく、悪い意味ではなくというか、その当時のことをディスるわけでもなく、やっぱりこう何か足し算…。自分のプレイっていうものの爪痕を残そうともがいていた頃でもあったと思うので。今ならやらないアプローチだったり、逆に新鮮というか。僕は99%原曲通りに弾いたんで。
音質が悪すぎて聞き取れなかった箇所とか、どうしてもここは流れが悪い、昔よりも部分的に録ることはしなかったので、僕は。やっぱり、レコーディングスタジオとか、このパーツ、このパーツって構築して行ったりすることが多かったんだけれど、頭から最後まで弾き切る中でいいテイクを残すっていうことにチャレンジしたから、再現できないこともあって、必要に駆られたからアレンジしたっていうだけに留めたつもり。楽しかったですけどね。自分で自分をカバーする。このフレーズを考えた時に考えていたこととかがフラッシュバックして、「これやりたかったんだよな」とか、懐かしい。

美月:この空いた8年間、みんなも自分もそうですが単純に経験値がまるで違うなっていうのは感じましたし、出音からもそうですし、フレージングが変わっているメンバーもいて、すごい成長を感じられるレコーディングだったなと思います。

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美月:曲にもよるんですけど、16、17年前にしてはかっこいいことやっているなというのは、久しぶりに聴いて感じましたし、もっと変えることもできたんですけど、あえてそのまま活かしたいなっていうフレーズも多くて、「活かす分は活かす」ということに重きを置きました。

:レコーディングの進め方とかになるんですけど、昔は作品それぞれに時間をかけて、メンバー同士でスタジオに入ってアレンジを考えたりして、レコーディング当日になんとかそれぞれがフレーズをまとめてっていう流れをずっとやってたんですけど、この8年ぐらいの間にメンバーそれぞれがスキルを磨いていて。あと一人ひとり、当時はパソコンすらまともに動かせないような時代だったんです。今はパソコンを使わないと仕事もできないぐらいの時代になってますよね。僕はプリプロを担当させてもらったんですけど、メンバーそれぞれで演奏データをやり取りして、意見を出し合って、何かあればもう1度やり直して、確認してみたいな…昔なら数年分にあたるような作業を、わずか半年ほどですべてが済んでしまって。メンバー同士のデータのやり取りも早くて、いい状況で制作が進んだなって思いましたね。もちろん個々の技術の発展はありますけど、そういった演奏部分以外の技術もお互い成長したなと感じました。
楽曲に関しては美月とほぼ同じで、本来の楽曲の良さを活かして、大きく変えるようなことはせず、少しの部分だけでも曲の表情ってすごい変わるなと。

:僕自身は少しドラムから離れていた時期もあって、自分自身の成長というのはわからないところもあるんですけど、他のメンバー4人はずっと音楽をやっていて、それぞれスキルも上がって、成長もしてて。みんなの歌や演奏を聴いた時にすごいかっこいいなって思ったし、すごいなって。
今回音源を出して、ライブをしていくんですけど、楽曲ってライブの中で成長していくと僕は思っているので、メンバーやファンのみんなと一緒に創り上げて、共に成長していきたいと思ってますね。僕自身は楽曲の成長、ファンのみんなで創り上げる形っていうものを大切に、これから始まる新しいSadieを楽しんでいきたいと考えてます。
僕の気持ちはメンバーみんなと初めて会って、「今から俺ら頑張っていこうぜ」って言ってた時に近いです。時間が空いて、でももう1度再会して…あの当時の気持ちやワクワク感がすごく強くて、そういう気持ちとかも今回のアルバムには込めましたね。

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