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【本誌連動】UNiTEスペシャルインタビュー 完全版

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期待に応え続ける”終わらない”バンドでいたい

2月21日に新曲「4:19 A.M.」をリリース、そして、3月20日には自身発のベストアルバム「HOPES #1」を発売するユナイトを特集。3月31日には新曲、ベストアルバムを引っ提げたワンマンライブUNiTE. 13th Anniversary oneman live [U&U’s -DAYBREAK-]をZepp Shinjuku(TOKYO)にて開催。今回は躍進を続けるユナイトの魅力を紹介していく。


LiN:シンプルなんですけど、曲ができた時間ですね。歌詞などを考えるときにメモするじゃないですか?その時のスマホに出てた時間をメモして、それがそのまま。
数字や時刻の曲って13年やってきてなかったのもありますし。曲のタイトル案が思い浮かばなかったので、一旦時刻入れておこうかなと。
リーダーの未緒さんいわく、「作曲者が1番曲の世界観をわかっているから」というのもあって、僕らのバンドって作曲者が自分で歌詞をつけるみたいな風習があるんです。なので、作詞作曲者に対して何か意見みたいなものが出る感じはないんですよね。みんな「いいんじゃないですか」っていう感じでいつも終わるんです。

莎奈:なんかそういうと関心ないみたいに聞こえない?(笑)。

LiN:いや、それぐらい信頼があるってことです(笑)。「あっ、未緒さんっぽいな」とか「ハクさんらしい曲だな」ってニヤニヤして終わりですね。

一同:(笑)。

椎名未緒:いや、ないですね。

LiN:選曲会では、メンバー全員で曲をピックアップするんですけど、曲の大体のイメージはみんな作り込んできて、選ばれてから歌詞を書く感じです。

莎奈:選曲会での仮タイトルは見せられたもんじゃないですね。

LiN:そうですね(笑)。仮タイトル選手権みたいになっていて…。申し訳ないです。

莎奈:いやいや、2人だけふざけてるだけでしょ(笑)。

LiN:確か作った時が夏だったんですよね。夏の朝方4時半近くって結構明るくないですか?

一同:・・・。

莎奈:もっといかないと(笑)。

LiN:もっと欲しい?(笑)。

莎奈:もっと理由がありそうだったからさ。

LiN:見えてる景色自体はそんなに色付いてはいないですね。歌詞を書く時の”あるある”なんですけど、結構色の名前を使っちゃうんですよ。色の名前や情景で歌詞を稼いでるみたいな(笑)。そんな自分を変えたいと思って、色をなるべく使わないっていうルールで歌詞を書いたつもりなんです。そうしたらいつもより色入ってるじゃん!って(笑)。

一同:(笑)。

莎奈:喋れば喋るほどに変な感じに……(笑)。

LiN:自分的には結構抽象的に伝えたくて、受け手が自由に空想できるような。自分は答えを言わずにストーリーを書くようにしていて、聴いた人が100人いたら、100通りのストーリーがあるよね、みたいな形で書いてます。
未緒さんは逆で、結構詳細に伝えて、そのままの意味で伝わって欲しいタイプですよね。

椎名未緒:主となるテーマを伝えたい時に、変な形で曲がって伝わって欲しくないんですよね。だから俺はわざわざ詳細に書いちゃうみたいな感じはあるんですけど、LiNはさんはそこすらも「委ねてますよ」ってスタイルなのかな。

ハク:俺は自分から出たものを、リスナーがどういうふうに受け取ってもらっても構わないと思っていて。けど、「俺はこういう気持ちで書きました」ということを最後に伝えるようにしています。それで皆さんが感じたことと比べて、答え合わせをして欲しいですね。

莎奈:僕も基本的にはどう捉えてもらってもいいですし、意味を込めて書くというのは大前提ですけど、自分の中では「こういうフレーズ使いたい」とか「こういう表現してみたい」っていう形で、言葉や単語が先に思い浮かぶことが多いですね。それらをひとつの曲として成立させる、自然な形にするにはどうしたらいいのかなって考えるのが結構好きですね。
例えば、ある箇所は全部韻を踏んでみるとか…。そういうのが多いですかね。
僕、曲作る時に最初に全体像から考えることが多くて、コードとかではなく、タイトルから考えます。全体の雰囲気とかなんとなくあった状態で僕は歌詞を書くので、その中のイメージで書くのか、逆に外れたものをその曲にどういうふうにはめ込むのか考えたり……そんな感じですね。

希(Vo.)
希(Vo.)

:こだわりしかないですね。良いことなのかはわからないけど、「曲が変わった」だったり、この前もLiNさんのバースデーライブで「曲が喜んでいる」みたいなことを言ってもらえたんですが、僕の歌い方で、楽器の音と混ざった時にいい感じでリズムがハマったらいいなと考えてますね。「楽器がこう演奏されているから、こう歌えばハマるな」とかめっちゃ考えながら歌っていますね。

:不安な時は聞きます。あとは聞いていないのにメンバーが言ってくる時もあります(笑)。

莎奈:作曲者がレコーディングすることが多いので、その際にすり合わせをしながらみたいな。歌い方とか声色とかあらかじめ考えてきてくれるので、それを元に一緒に作っていくみたいな感じが結構多いかもしれないですね。

莎奈:ほぼないですね。

ハク:基本はそれぞれ、全パート各々好きにやってくださいっていうことが多いんですよね。

莎奈:デモの状態で原曲に近いくらいかなり作り込まれてて、それを各メンバーの解釈でどれぐらい変える、変えないは裁量が任されているんです。「4:19 A.M.」では、みんな同じようにデモくらいシンプルな方がいいと思ったということではないですかね。気を衒っていないフレーズにしようというのが、別に相談もしていないんですけど、長年一緒にやってきているので、意思疎通ができていたというか。

LiN:他のバンドがどうかはわからないけど、大体メインの作曲者がいて、ボーカルが歌詞書いてみたいな。それでみんなでやり取りしてより良くしていって完成みたいな感じもあるかもしれませんが、僕らだとデモの段階である程度出来上がっているので、方向性が見えているんだと思います。

LiN(Gt.)
LiN(Gt.)

LiN:諸行無常ですかね。万物は移り変わっていくから、ずっと同じことなんてないよねっていう感じで、でも守りたいものは守りたいしみたいな…自然体な感じを表現してます。
時代に合わせた曲って10年後とかに聞くと、「古っ!」って思うことがあるじゃないですか。でも自分が高校生の時に聴いていた曲とかって、今、たまに聴いても今のシーンでも絶対にかっこいいと思うし、古くないって思うんですよね。この曲も10年後とかに聴いた時にダサいって思われない曲にしたいなとは思っていました。

莎奈:ギター隊は一生音作りしてますね(笑)。

LiN:私もっすか(笑)。

莎奈:はい(笑)。

椎名未緒:ギターが2人いるから、歌とも音域が被る楽器なので。だからなるべく被らないように年々少しずつ歪みを下げていってますね。だから表題曲の「4:19 A.M.」の自分のサウンドもちょっと歪んでいる程度のクリーンに近い歪みというのもあって、僕らも大人になったんだなって。

LiN:今回の表題曲は、青春っぽくしたかったんですよ。自分のパートは結構ずっとバッキングなんですけど、本当は1回、ギターを泥水につけたりしようかなって…。

莎奈:青春?それ青春のイメージ?(笑)。

LiN:ギターも綺麗な音で録れるギターっていうよりは、家に転がっているようなやつでまずは録りました。
ただ私、ベースフェチなんですよ。今ではギター歴の方が長いんですけど、最悪、ベースの音だけ聞こえていれば、私は大丈夫。

莎奈:どんな曲!?(笑)
でも、ユナイトって結構コード進行が複雑で、テンションコードとかもあるから、音作りにこだわらないと濁った音みたいに聞こえてしまうことも多いと思うので、2人ともコードが綺麗に聞こえるように意識はしていると思います。

椎名未緒:解説ありがとうございます!

莎奈:関係者さんとか対バンの方とかにも「音が良い」ってめちゃくちゃ言われるので、そうなんだろうなと思ってます。だから自動的に自分も音が良いみたいな風潮になってて(笑)。

ハク:自分が弾いていて気持ちいいなって思うこと。あと、上ものが結構多いので、なるべく低音を支えようっていう意識ですかね。低音の方に鎮座して、そこで自分が好きなことをさせてもらうっていう感じですね。

莎奈:普段どう考えているかっていうのは結構自分でも謎で、それこそ自分が叩きやすいなっていうチューニングをしてますね。別になんでも叩けるんですが、本当によく思うことが、「周りの音が綺麗だから助かっている」っていう意見です(笑)。王道じゃない感じはちょっとは狙っているんですが、でも本当に少しのものなので。ユナイトだから助かっているという感じですかね。
記事にし甲斐がなくてすみません、ギター隊だけでも結構ですので(笑)。

:僕、元々はギタリストだったんです。歌の音作り的な面で言うと、苦しそうに歌わないことを心がけてますね。今回の曲、結構キーが高いんですけど、キーが上がって苦しそうになってしまうのは、僕の中だと歌えていないんですよね。この曲に苦しさって必要じゃないので、曲の雰囲気は崩さないように、キーは上がっても苦しく聞こえないようにしています。今回の曲はライブとかでもやるんですが、もうなるべく「楽ですよ」って澄ました顔で(笑)。

希:そうですね、LiNさんの顔を思い浮かべながら書いたメロディなんですよ。「LiNさん、こういうメロディ書くかな」って思いながら。

LiN:そうなの?

希:そうですよ。でも「いやー、のんと一緒に作ったから自分とは違うものが生まれて本当嬉しいわ」って言われて…。そっかーって(笑)。
でも結構自由にやらせてもらったんで、楽しく制作できました。

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