4月3日開催の「漆黒のシンフォニーat埼玉会館」を記念した特別企画。
NoGoDと摩天楼オペラの2マンは実に9年ぶり!共にメタル出身であり、実は共通点の多いお2人の出会いから、アーティストとしての熱い思いを存分に語っていただいた。
団長:ジャパメタっていうか、日本のメタルシーンは様式美をちゃんと大事にしてるじゃない?我々はもうちょっと、なんだろうな、 アウトレイジとかユナイテッドとか、ちょっとそっち寄りの粗さもあるから、同じメタルとはいえ、綺麗にこう、メタルと一括りにしても、ジャンルは枝分かれしてるかなとは思う。
苑:ああ、そうだね。
団長:やっぱりその、ヴィジュアル系も好きでメタルも好きっていう方と、メタルが好きでヴィジュアル系に偏見がないっていう方で、ちょっと微妙に違いあるよね。
苑:それはある。
団長:差別化じゃないけど、派生というか。
苑:そうだね、うちらはかなりヴィジュアル系の方を突き抜けていってるから、逆にメタラーの人が男性限定なら行きますよとか。
団長:それは、うちもあるわー。
苑:あるでしょ。そうなんだよね。PURE ROCK JAPANっていうイベントの時だったら行きますとか。
団長:あるね。あとは対バンがメタルだったりとかすると。
苑:そうそうそうそう。
団長:それはね、お互い多分同じような悩みを抱えてると思うんだよ。
苑:そうだよ同じなんだよ。
団長:やっぱさ、自分たちが別にそのサウンドの方向性が違っても、かっこいいなと思ってるヴィジュアル系のバンドと対バンした時に、 やっぱそこにサウンドの親和性がないと。うん、メタラーの人ってやっぱ。
苑:あ、そうそうそうそう!
団長:そう。やっぱメタラーはやっぱメタルを聴きたいから。なるべくメタルっぽいサウンドの人たちとやる方がやっぱ来やすいとは言うよね。
苑:それは男性女性構わずメタルは総じてそんな印象ある?
団長:あるね、やっぱり。 あまりにもサウンドの方向性が違いすぎるバンドだと。だったら、ワンマンでいいかって。
苑:はいはい、それはそう。
団長:言われちゃうとこはあるよね。
苑:あ、もうスタートしていいんですか?(笑)
——はい、してます(笑)。もういい感じに会話が始まってるのでこのままでスタートしていいかなと(笑)。
団長:(さっきまでの続き)そうなんですよ。これはお互い悩みをね、同じ悩みをね。
苑:同じ悩みあるよね。
団長:うん、抱えてると思う。
——あ、じゃあ早速。お二人の出会いはいつ、どのように始まったんでしょうか。
苑:えっとー、20年ぐらい前?
——20年くらい前!?
団長:もう思い返せば(笑)。
苑:恐ろしい(笑)。
団長:あのときは俺等も前のバンド?
苑:そう、Dagger RemainとJenivaっていうメタルバンドの時ですね。
団長:お互いもうジャパメタシーンでライブしてて、インディーズで東京のジャパメタシーンにいた。
苑:あれ吉祥寺CRESCENDOかサイバーかどっちかだったね。
団長:どっちもやってた気がする。なんかCRESCENDOの前で、吉祥寺で飲んだ記憶がぼんやりあるんだよね。
苑:それかも。うん、そうだそうだそうだ。その時に、隣に打ち上げでいて。
団長:そうそうそう!
団長:で、お互いまだメタルに希望を抱く若者でございました(笑)。
苑:そうそうそう(笑)。
団長:ただ、その時に、やっぱ同世代のメタルバンドと対バンする機会がすごく少なかったじゃない。あの頃って。
苑:そもそもいなかったしね。
団長:ちょうど我々がそのジャパメタシーンにいた時期って、その、いわゆるジャパニーズメタルの過渡期というか黎明期。なんか一番盛り上がりに欠ける時期というか。
やっぱりそのメインストリームは、もうちょっとニューメタルの方向で。
苑:うん、そうそうそうそう。もう激しいシャウトとかの人たちが、段々と主軸になってきてるんだよね、メタルの。
団長:そうそうそう。我々が元々好きだったサウンドとか、やりたいサウンドが少し、90年代とかオールドスクールを基調としつつだったから、メタルの界隈では少し時代遅れな雰囲気も出てましたし。
苑:綺麗なメロディーを歌うならヴィジュアル系に行った方が良さそうだなって。
団長:そうね。
苑:うん、そういう雰囲気だったね。
団長:なんかそこですごくやりづらさをお互い感じてたってのをそこで初めて知って。同じように思ってる人がいるんだっていうのはすごく感じましたね。
苑:あの時、僕が結構メロスピが好きで、90年代のヴィジュアル系のMALICE MIZERとか、やっぱ綺麗なメロディが好きだって話をしてた時に、団長もLAREINEが好きだっていう。
団長 :そうそうそうそう!!
苑 :LAREINEって、バンド名が出てきた時点で、もうぐっと心が引き寄せられて、同じの聴いてたんだと思って。
団長:だから、お互い同じような洋楽も聴いてたし、同じような日本のバンドも聴いてて、ちょうどいい世代だったのか、いろんなものに偏見が無い。
苑:ああ、無かったね。
団長:いいものがいっぱいあったし、90年代に。で、これもいいし、あれもいいし、全部いいな!
で、自分たち何やろうかってことを模索してる最中で、まあ、まずは、ベーシックなメタルシーンでお互いいたけれど、 その時に、ちょっとお苑さんに、俺はちょっとこれ以上メタルのシーンにいても、やりたいことを見てもらえないからってなって。
苑 :はい、そうそう。そう言ってた!
団長:自分はフィールドを化粧する方向に変えようと思うんだよね、みたいな話をしてて。お苑さんってあんまりスタイル変わってないんですよ、その頃から。シュッとしてて。その時口ピアスとかもしてて。
苑:俺してたっけ?
団長:してたよ、してた!
苑:おぉ、そうか。じゃあ少しずつヴィジュアル系に戻り始めてる頃だったんだ。
団長:だったのかな。そうだ。でもその時に、俺もちょっとヴィジュアル系のシーンに飛び込んでみようかな、なんて思ってるって言ったらさ。俺、その時のこと明確に覚えてんだよね。お苑さんが、「いや、もっとメタルで行こうよ」って(笑)。
苑:(笑)。
団長:俺たちメタルだからさって言われて(笑)。
お苑さん厳しい〜!と思って。だから、すいませんでした!なんか気弱なこと言ってすいませんと思った(涙)。
苑 :ドヴィジュアルだけどね、今ね、今。やばいね、そんなこと言ったんだ。
団長:でも、その時は熱く、やっぱもうメタルこうであれ、ああであれ、って。でも逆に、ほんとにどうやって、じゃあ俺たちの世代でメタルをもう1回そのムーブメントを起こせるか、みたいな話をすごく熱くしたのは覚えてて。
——SIAM SHADEさんとか似たようなこと言っていましたが、やりたい音楽はこうだけど、聴いてもらうためにメイクするってことに最初は抵抗があったってことですか?それとも、聴いてもらえるなら別にメイクしてもありかなとか。
苑:ここの考え方はもしかしたらお互いちょっと違うところかもしれないね。
団長:あー、そうね。だから自分の場合、その綺麗なヴィジュアル系ってものは見る分には好きだったけど、やれるなんて絶対思ってなかったんで。俺は小学校2年生で、L’Arc〜en〜CielさんのMVを見て、 「うわ、こんなかっこいい世界があるんだ。俺もいつかこうなりたい」と思って寝て、起きて鏡見てやめたんですよ。
苑:(笑)。
団長:いや無理や。もう遺伝子が違うってなって(笑)。
そういう綺麗なものは別のものだと思って、ヴィジュアル系ってものに少し、憧れを抱いてたものは幼少期に、早々に捨ててたので。でも、俺そんなのできないから、俺はストロングにメタルで行くぜって思ってたんですが、 ちょうどヴィジュアル系も、色々な派閥というか、すごく表現の自由を感じた時期だったんです。18歳ぐらいの時に、例えばそのMUCCみたいに、その…もう言ってしまえば汚してるメイク。まあメリーもそうだし。あとcali≠gariっていう、全てをぶち壊した人たちがいて。その頃の自分たちが見てたインディーズのヴィジュアルシーンって、すごく自由を感じた。
苑:そうだったね、いろんなバンドがいて。
団長:本当、蜉蝣みたいにもう無茶苦茶なことをする人たちもいれば、baroqueみたいに、もっと先に行ったおしゃれを目指してた人もいるし、 そこで、自分の中でずっと抱いていたヴィジュアル系に対する偏見とか、 自分には無理だろうっていうわだかまりが結構なくなってきた時期だったので。その中で、お苑さんと話してる時に、やっぱお苑さんはすごい美意識高えなと思ってて。そういう人たちは、多分美意識の塊だから。その美意識では勝てないなと思った時に、自分の中にあるその引き出しの中で、Doomとか、JURASSIC JADEとかがいて。
苑:はいはいはい。
団長:あとは、GASTUNKとか。
苑:ジャパメタがどんどん出てくるんだね。
団長:あと人間椅子さんとかも好きで。自分の根本にやっぱり筋肉少女帯っていうのがあるので、俺があれらをヴィジュアル系として捉えてもいいはずだと。
苑:なるほど。
団長:って俺は思って。LAREINEとか好きで、La’cryma Christiとか好きで聴いてたけど、あれには俺はなれないから、もう1個の好きな、いわゆる、化粧するメタル。特に、たまたま自分はそのアンテナがそっちにあったので、俺はそっち方面に行きたいなって思ったので。
苑:団長がNoGoDになってから、エンタメ力がボンと跳ね上がった気がして。
もう周りから見てると、やばいな、すげえどんどん上に行くなっていうイメージだった。しかも周りのメンバーさんは、綺麗なヴィジュアル系の方をやってたじゃん。
団長:ま、確かに。
苑:団長がメインでエンタメ力爆発させながら、周りのメンバーさんは王道ヴィジュアル系。うわこりゃ強えなって思いながら見てたな。まず上手いのが大前提だけどね。
団長:それはやっぱお互いメタルバンドである以上、鍛錬を欠かすなってね。
苑:そうそう、そうそう(笑)
団長:多分その時、お苑さんとかも話したと思うんですけど、その当時のインディーズのヴィジュアルシーンって、勢いと熱量がすごくて。
苑:ああ、あったね。
団長:演奏とか、音楽のアンサンブルっていうのは、まあ、二の次みたいな。ちょっと時期があったよね?
苑:まあまあ、あったね。それはいいでしょって。そのぐらい下手な人たち多かったもんね。
苑・団長 :(笑)。
団長:そうなんよね。
——そうだったんですね。そんな下手な人が多かったとは(笑)。
団長:そうでしたよね?
苑:そうでした。
苑:これはひどいっていうのが。まあまあ…(少し遠い目をする苑さん)。だけど、バンド力として、僕たちが敵わないような活動されている方々もいました。