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【本誌連動】Psycho le Cému スペシャルインタビュー 完全版

「意外と人間味の強いメンバーの集まりだと思ってる」

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結成25周年を迎えたPsycho le Cému。今回のインタビューでは、「25th ANNIVERSARY『QUARTER CENTURY』Galaxy’s 伏魔殿~銀河を駆け抜けろ~」ライブの成功裏に秘められた思いや、新コンセプトのスタートについて、メンバーの皆さんに伺いました。新たな衣装の発表や、これから始まるツアーに対する意気込み、改めてメンバーにとってのPsycho le Cémuとは…など、エンターテインメント性満載の、貴重なお話をたっぷりとお届けします。


seek そうっすね、25周年という節目なので、集大成的な意味合いがあるのかなと思いつつ。でもどちらかというと、今年からライブの本数が多いですし、新コンセプトっていうところもあって、いろんな施策にチャレンジしたいな、みたいなのもあったんで。その始まりのライブになったのかなという印象はありますね。

DAISHI コロナ明けから、この節目のライブは結構大きな会場でやってたんですけど、久しぶりにソールドしたっていうところがあって。当日券1100円っていう初の試みを25周年でやってみたんですけど、意外と反響があって、入れない人も結構いたみたいで。なんかこうやっていろいろ失敗することも多いんですけど、こういう企画も考えていかないとダメだなと思って。今回に関しては、すごい成功したかなとは思いました。

seek 会場で聞いている分だと、応援してくださってる皆さんが、例えばですけど、会社とか学校とかのお友達をこういう企画だから連れて来てくださったとかいうようなお話もありましたけど、当日になるまでやっぱりわからないので。もちろんこの企画の難しさというか、やっぱ思っていた以上に来てくださったって反響が大きかったのは嬉しいですけど、 観れない方が多かったっていうのは、ある意味ちょっと僕らが読み違えてたところでもあったのかなっていうのもあったりします。 その辺も次のツアーでまた新しい方が来てくださってっていうのが続けていけたらいいのかなと思いますけど。

Lida 率直に25周年よりは、新コンセプトであったり、神田明神ホールっていう初めての会場であったり、ちょっとリスタートみたいな印象の方が強くて。20周年から5年、この間にコロナ禍があったわけですけど、その5年間っていう月日をあまり感じてないというか。それよりは新しいツアーも始まるし、その1発目のライブっていう印象の方が強くて。それでもやっぱり25年、メンバー変わらずやってこられてよかったなっていう気持ちは、ライブの後半になればなるほど感じてたような気はしますね。

AYA やっぱり新衣装とか新コンセプトが始まったので、ちょっと緊張感があっていいライブでした。僕的にはあんまり25周年って感じじゃなかったですね。

AYA そうですね、衣装が動きづらかったです(笑)。

YURAサマ 僕も同じで、 始まったなっていう印象の方が強かったですね。その新コンセプトと1年後の予定とかもちょっと発表したりとかもあったので、いよいよここに向かって走り出すぞ!という印象が強かったです。

seek この3年間はRESISTANCE(レジスタンス)っていうコンセプトでやってたんですけど、その期間はどちらかというと今までのPsycho le Cémuの攻め方じゃない攻め方の衣装だったりとか、あえてお芝居をやらないとかっていうようなことにチャレンジしてた期間だったので。今回のこの「Galaxy’s 伏魔殿」という1つのコンセプトは、本当に今までの「THE・Psycho le Cému」というか、エンタメ要素があって、衣装が 派手で、各メンバーにキャラクターがあって、コスプレがしたくなるような印象だったので、そこはすごくね、お客さんからしても楽しみ、「これがPsycho le Cémuなんだ!」みたいなふうに受け取っていただけたんちゃうかなと思います。
 コロナ禍ってどうしてもお客さんもリアクションがしづらいみたいな、ものもあったと思うんですけど、そこを存分に、オープニングの登場からして、メンバーが出てきた時の1人ずつのキャラクターじゃないですけど、歓声が上がるというよりかは、笑いからスタートするリアクションやったので。僕ら自身もすごく久しぶりにその感覚でライブやれたのかもしれないです。

seek そうですね。特に神田明神ホールっていう、その場所というか、地の利みたいなところもあって、もう会場に来た時からそのライブがね、今回は宇宙と和をテーマにみたいなコンセプトだったので、そこの会場のスタートからお客さん楽しんでくれてたんちゃうかなっていう印象がありましたけどね。

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DAISHI(Vo.)

DAISHI まさに一昨日ですかね(取材日は6月7日)、お芝居のナレーションを取るためだけにスタジオ5時間入りました(笑)。たまに「本当にこの時間はなんなんだ」という…。

seek 楽器のリハーサル、バンドのリハーサルとはまたちょっと違う、表現しづらい、妙な疲れ方をするというか…(笑)。これ多分他のバンドの方はあまり感じることのない疲れだと思うんです。

DAISHI いや、あれ、ほんまに歌5時間歌った方が全然楽やで(笑)。だって俺、あの日ソファーで寝落ちしてたもん(笑)。顳顬(こめかみ)痛かったもん。

seek いつもの疲れ方と違うっすね。

DAISHI やっぱなれへんことするから。お芝居とかダンスの練習って、それはやっぱり本業がそちらじゃないんで…。観る側の人からしたら全然大したことやってないんでしょうけど、自分らは本当に大変で…。意外とバンドマンというかミュージシャンなんで、衣装と一緒で、他のバンドとは違うことやりたいなっていうとこから生まれてるんで。そうですね、なるべく本当は音楽だけで売れたかったですね(笑)。

YURAサマ 急にネガティブになった(笑)。

seek 全然違いますよね。季節的なものももちろんありますけど、衣装が大きすぎて、ライブハウスの設計上入れないところがあったりとか。でも、あんまりやる前からは考えてないですかね。どっちかっていうと僕らの頭の中にあるキャラクター、「こんなやつおったらおもろいやん」の方が先に出ちゃうから、その段階で楽器を持つことも考えてないし。だから、(写真)撮影やって、ミュージックビデオ撮影があったぐらいから、「これどうやって楽器持つんやろ?」みたいな話になって。
 実際ね、ライブではちゃんと生演奏で弾くっていうところで言うと、それこそ他のバンドの方とは違う、僕とか楽器(ベース)で言うと、ハイフレットって言うんですけど、手元の方に行けば行くほど、実はもうほとんど衣装的に見えてないみたいなことはあるんですけど。なんかそういうのを、衣装ならではで楽器が弾ける技術がどんどん向上していったりとかは、多分他のバンドさんとは違うのかなと思いつつ。

DAISHI AYAくんが今回の衣装初めて着て、ギター弾いた時、めっちゃ下手くそやったもんな。

AYA やばかったですね、過去最高に動きづらいですね(笑)。なんかギターが浮いてるんすよ、前に(笑)。今回(下が)見えないですね。

DAISHI ある程度コンセプト立ててから、みんなで考えつつ、メンバーで意見出しつつですね。ああいう衣装を着たいって思ってるメンバーは多分Lidaくんぐらいだと思うんで。こういうキャラクターだとファンも喜ぶかなっていうのじゃないですかね。YURAサマあたりも着たいかもしれないですけど。

YURAサマ 楽しいですよ。やっぱりあんな格好して、キャーキャー言ってもらえるんで(笑)。

Lida 乗り気じゃないとやってないですね。 元々ああいうヴィジュアルというか、このバンドの特性になっちゃってますけど。もう、始まった時からやっぱり普通じゃなかったんですよね。 音楽の話は皆無だったので。やっぱりヴィジュアル的なイメージ、どうやって目立つかしか話してなかったですし。その中でそれぞれが元々持ってる変身願望じゃないですけど、なんかそういうところが刺激されてるとは思うし、もちろんそういうのを着て演奏するっていうリスクもありますけど、それをもう楽しんじゃってる部分もあるし。それで長いことやれてるっていうことは向いてるのかなと最近思えるようになりましたけどね。

Lida 多分考えてる人いないんじゃないですかね。

seek 曲に合わせての、例えばですけど、シーケンスの音色の使い方とか、やっぱ宇宙的であればそういうスペーシーな音を使おうとか、和テイストを取り入れようみたいな考え方はあるとは思うんですけど、自分らのプレイで、フレーズを衣装によってあんまり変えてる気はしないですね。

Lida 結果、変わっちゃったっていうのは多分あると思うんですよ。衣装の影響で、さっきseekが言ってたように、ハイフレットが見えないんであれば、オクターブ下で弾いてとか、しれっとやってるところはあると思うんすよね(笑)。

seek 多分思ってはるより、僕らそんなに日常から衣装着てるわけじゃないんで、今のこの状態(普段着)でアレンジを考えることの方が多いから(笑)。ただ、いざゲネプロ(本番同様の条件(舞台・衣装など)で行うリハーサル)入った時に「あれ、これ弾かれへんやん」みたいなのが後から出てくる感じ…。

seek うん、経験あんねやったら早くからやっとけよってことだと思うんですけど…。

seek 元々のきっかけは単純にライブの本数がすごい多かったので、通常だとDAISHIさんとか、YURAサマがお芝居の台本とかも含めてセットリストも中心に考えてくれるっていうのを、今回は逆手にとってじゃないですけど、各メンバーがプロデュースするっていうチャレンジをしてみようっていうのがきっかけですね。その人が目立つというよりかは、その人次第ですよね。他の人を目立たせたいプロデューサーもいる。さっきお話してた、お芝居の台本を録ったってところもそうなんですけど、お芝居自体も今回全員がそれぞれ書いてるので。 初チャレンジの人もいれば…そこはそれぞれ、ちょっと面白いプロデュース目線がある。

DAISHI 根本的に最初から僕の思惑的には、お芝居が書きたくないってわけじゃないんですけど、僕より素晴らしいお芝居を書ける人がいるなら、そっちの方がバンドのためになるんじゃないかなっていう意味で、今回初めてみんなに書いてみてもらって、「あれ、もしかしたらめちゃめちゃええ作家さんおったんちゃうん」みたいなのが探せたらいいのになっていうところも僕の中では思惑としてあるんですけど。
 この前、皆さんのお芝居を見させていただき、なんとなく自分の中での、「こいつイケるな」「こいつ無理やな」っていうのは大体…(笑)。

一同 (爆笑)。

Lida オーディションされてたんや(笑)。

DAISHI 見ながら振いにかけましたけど(笑)。そんな中でも、自分も含め 僕よりやっぱ面白い人もいたなって感じはしました。いいとこと悪いとこがある人もいましたし。

seek 当たり前ですけど、簡単なことじゃないですもんね、お芝居。言うなれば、全く曲書いたことない人にさ、「さぁ、曲を書いてみてよ」って言ってるようなもんだったりすると思うんで。そこは普段書かない人はいつもとは違う脳みそを使って頑張って書いたんちゃうか。

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AYA(Gt.)

DAISHI ちょっとこの取材中に場を借りて聞きたいけど、お芝居書いてて苦痛じゃなくて楽しかったなって思うメンバーおった?

Lida 苦痛な人はおらんのちゃう?

DAISHI・AYA 俺、苦痛やった(笑)。

Lida 2人脱落やん(笑)。

YURAサマ いや、でもやっぱしんどいよね。

DAISHI しんどいやろ?

AYA めっちゃ疲れた。

YURAサマ 俺、徹夜してるからね!

DAISHI 徹夜!?

YURAサマ ファミレスで徹夜してるからね!

DAISHI 本気で書こうと思ったらね…。5分、10分のもんでもね、ほんとそれぐらいかかるんよな。

YURAサマ いや、むしろ5分、10分のものを作るってのがむちゃくちゃ難しいよね。

seek これまた今回難しかったのは、神田明神ホールでDAISHIさんが書いてくれてるキャラって、キャラ紹介みたいな冒頭の部分があるんですけど、そこからストーリーとして進んでいかなあかんけど、でもやっぱりその会場でしか観れない方もいるので、話が続きもんになっちゃうとね…やっぱり。「ここのストーリーわからないんだけど」ってなるから、やっぱちょっとどこか、サザエさん的になってないといけないとか…、なんかの縛りがあるんですけど、公演的に今回、新宿BLAZEがあって、新横浜のYURAサマがあって、水戸の僕があって、メンバーが続いていくんで。
 誰かのそのキャラ設定と違うこともやれないというか、みんなのお芝居がちょっとした伝言ゲームみたいになってるような。そこらへんの難しさと、やっぱその5分、10分で収める尺っていう、起承転結がそこで全部収めるっていうのは…、普段書いてる人すごいなっていうのは自分が書いてみて、初めて思った。

DAISHI ただ、今回は始まりを、ある程度キャラ設定を書いてくれてるから進めやすい。あれを0から書く時が1番…、「こいつどのキャラにしよう?」っていうのが1番めんどくさいというか…。

seek グッズのパンフレットとか作るじゃないですか。そのグッズの制作一緒にやってる会社の方から、「せっかくパンフレット作るんで、キャラクター紹介とか、攻略本じゃないですけど、星からやってきたみたいなものがあったら面白いと思うんで、1人何文字で書いてください」みたいなものがあるんですけど、それが1番難しい(笑)。

DAISHI でもあの時にはもうお芝居書いてたよ。

seek 書いてたか。

DAISHI 書いてた、書いてた。俺のやつになぞりながら考えとった。

seek みんな考えてた?

DAISHI だからめちゃくちゃ早く考えたもん。1発目のお芝居のキャラクターは。

seek うん。そこらへんが面白いですよね。多分考えるバンドとしては。

DAISHI でもなんか、いわゆるLidaミッションの時は、Lidaくんがお芝居も書いて、セットリストも組んで、演出もやってるっていうのが分かりながら観るライブって結構面白いかなって思いました。あまりないというか…。

DAISHI 先出しというか…。

seek 比較的、DAISHIさんがいつも考えてくれるんですけど、DAISHIさんって、例えばバンド内のキャラクターで勇者のポジション、 センターなんですけど、どちらかというと書いてる時のDAISHIさんって、自分が1番前に出ない、他の人ばっかりが動いてる、なんかいつものお芝居の構図みたいなのがあると思うんですけど、そこが今回、違う人が書き始めるんで、誰がどういうポジションで、どんなふうに話が進んでいくのかっていうのは、ちょっといつもと違うと思うし、それを踏まえた上で見てると面白いっすよね。この人が書いて、この人がこういう風に動かされてんねんや、喋らされてんねや。ちょっとそういうプレイというか…。自分が喋りたくて喋ってるというか、喋らされてるに近い(笑)。

Lida まだ声を取っただけなので(取材日6月7日時点)、ちょっとあれですけど、難しいと僕が感じたのは、メンバーにこういうセリフで、こういう動きを…っていうイメージで台本を書いてますけど、実際のところ、この25年でできること、できないこともあるなっていうようなことも踏まえつつだったんで、そこが1番難しかったですね。逆にPsycho le Cémuは、生で喋るお芝居ではないので、そこらへんがより遊べる部分もあるかなと思って。僕は割とコメディタッチというか、そういう方向にしましたけど。

Lida 際立てばいいんですけど、そうでもない人もいるかもしれないですけど、メンバーの人となりを知っているファンの方なら、より面白いのかなと思うところがあったり。初めて見る方も、ふとそのライブ中に我に返った時に、「これ今、何の時間なんだろうな」っていうような、楽しみ方をしてもらうのもいいのかなとは思います。

AYA そうですね、ストーリーとか話の流れを考えるのは全然大丈夫やったんですけど、実際やっぱりライブで、人前で動きがあってっていう、そこに面白さを出すっていうのはやっぱり難しかったですね。オチとかエンターテインメント性とかを入れるのがすごい難しいなと思いました。

seek こうなってくると、それぞれ個性を出さなあかんのかなみたいな感じになってくるというか(笑)。「俺のセットリスト、ココをこだわっててさ」みたいな感じが必要になってくんのかなみたいな。ちょっとまだ、みんなのやつをちゃんと聞けてないんで。セットリスト自体は拝見してますけど。僕は「こういうストーリーがあった方が、なんか25年を感じてもらえるんちゃうかな」みたいなセットリストの作り方をしてたりするので、逆にみんなのこだわりをちょっと聞けたら面白いなと今思ってます。

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