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【本誌連動】Psycho le Cému スペシャルインタビュー 完全版

DAISHI 僕はやっぱり頭3曲、4曲ぐらいに、必ずサビにちゃんとこのボーカル 歌えるんだなみたいな曲を戦略的に入れようっていうのは常々思ってるんですけど、YURAサマとかにセットリスト考えてもらったら、「おいおい、何曲俺がちゃんと歌わん曲やるねん」みたいな時もあるんで、ああいうのはやっぱボーカルとドラムの人が作るのとは違うな、とかは思ったりもしますけど。やっぱり「その歌を聴いてほしいな」みたいな曲を大体2、3曲までには入れてますね。そういう意味では僕、そんなに作曲をしてないんで、自分の作曲した曲を入れてるみたいな感覚がないから。
 うちのメンバーは結構みんな作曲できるんで、「自分が作曲してる曲、入れた方がいいのかな」とかっていう妙な気の使い方は、他のメンバーよりないかもしれないですね。作曲者だと「俺の日は俺が作曲したやつをちょっと多めにした方がいいのかな」とかっていう気の使い方もあるし、「あんまり俺のやつ入れすぎてもあかんのかな」という逆の気遣いもあるのかわからないですけど、割と僕はよくセットリスト考えるんで、いつも通りです。

seek 僕は結果的にみんなにどう受け取られてるかわかんないですけど、その1本のライブで、この25年間みたいなのを感じてもらえる流れしたいなと思って考えた感じですかね。だからさっきDAISHIさんが言ってた、俺の曲が多いから、少ないからとかっていうのとかはあんま考えてなくて、Psycho le Cémuとしてのヒストリーを、ライブを観てる人がどこまでそれに気づくかはわからないですけど、なんか見てると自然とそういう流れになってたな、そしてなんか最終的には未来というか、今から未来を感じてもらえるようなエンディングでありたいな、という考え方で作りました。

DAISHI 終わったあと、天才って言われたいやつやん。終わったあとファンに「セトリ、神!」とか言われたいやつやん(笑)。

seek しかもやっぱ全曲できないですからね、1日では。そこはやっぱり、選抜選手を選ぶのはすごく難しかったというか。やりたい曲はいっぱいあるし、それこそこういう機会だからこそ久々に聴きたいな、みたいな曲もね、ファンの人からしたらあるだろうし。そこのバランスですかね、難しかった。あとは、他のメンバーが何選んでくんねやろっていうのは、ちょっと見ながら。AYA君とかどうですか。

AYA なんかあれですね、王道じゃない感じにしました。痒いところに手が届かない感じです。

seek 気持ち悪いってこと?(笑)

AYA 届いたらむちゃくちゃ気持ちええけど、届かんかったら、痒いまま終わるんやろなっていう…(笑)。なんて言うんやろ…、ツーアウト満塁を7番バッターに任せました、みたいな感じですね。

seek おー、野球例え。

AYA 野球で言うと4番じゃなくて7番バッターぐらいに打たせたいっていう。

seek ようわからんくなってきたな(笑)。

YURAサマ うん、ようわからん(笑)。

AYA チャンスを7番バッターに回したいという(笑)。

YURAサマ ドキドキするな(笑)。

AYA やろ?(笑)こける可能性もあります。

DAISHI でも、節目のライブが割と王道でやってるから、そういう方がトータルで見たら喜ばれるんじゃない。

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Lida(Gt.)

seek あとはちょっと難しさで言うと、ここも人によるんですけど、僕とかで言ったら水戸と宇都宮とか、やっぱ関東近郊やから比較的、観てる人、一緒のような気がするんで、そこはちょっと変えてあげたい、わかんないですけどね。東北の人と福岡の人って言ったら多分被り少なかったりする。そういう地域性のことも考えたりはしたいな。Lidaさんとかはどうですか。

Lida やっぱりセットリストを組むのが1番大変かもしんないですね。もう25年経つと曲数も多いので、やらなければいけない曲もあるし、やった方がいいでしょうっていう曲もあるし。
 うちの場合、バンドものと打ち込みものとか、なんか全員マイク持ってっていう曲もあったりするんで。その今回に関しては、2デイズで、どちらか1日しか来れない人もいるしな、と思いながら、前後のそのミッションのバランスとかを考えると、必然的にいつものような、オープニングがダンス曲から始まって、バンドものにいって、真ん中、お芝居あって、そこからまたちょっと激しい曲になって、なんか最終的に多幸感で終わるみたいな。これがPsycho le Cémuの割とここ近年の雰囲気だと思ってるんですけど、そういうところに当てはめていくしかないなと思って、1回そういう部分でたたきを作って、あとは作曲者の意図みたいな、なんか「この曲とこの曲、実はコード進行似てるし、 キーも一緒だから合わせたくないな」っていうような。
 作った者にしか感じられないようなところもあるんで、セットリストは1番難しいですね。まだちょっと合わせてないので(取材日6月7日時点)、今のところ僕が作ってるのはこんな感じですね。

Lida 僕らは元々、そういうコンセプトライブっていうか、アルバム1枚出したらアルバムの曲を全曲やりますっていうツアーをやったことはなかったので。それをやったのが前回のRESISTANCEがおそらく初めてなんですよ。そこで初めて気づいたんですよね。「みんな、バンドさんはこうやってツアーやっていくんや」みたいな。
 毎回王道のセットリストをずっとやってきたので、そこらへんの感覚が、20周年だろうと25周年だろうと、そこの大きな柱はあんま変わんないのかなっていう。でも、そこを意識して…ね、皆さんも25周年意識して見られると思うんで。なんかうまくバランスが取れたらいいなとは思ってますけどね。

YURAサマ 僕、セットリストはすぐできちゃう方なんで。もう野球で例えたらあれですね、2番バッターに…(笑)。

seek いやいや、例えんでいいよ(笑)。わかりにくくなる(笑)。

YURAサマ 普通にヒットを打ちに行きましょうっていうぐらいの感覚なんで(笑)。
でもあれじゃないですか。前この曲やったから、じゃあ次やろうなのか、もう1回これを…とか。あとは新旧折り混ぜてとか、ライブの流れで盛り上げて聴かせて、最後もう1回テンション上げて…。素材はある程度決まってるんで、全然早いっすね。さっき言った、それぞれパート毎で気にすることはあるんでしょうけど、それで言ったらドラムの部分はあるかもしれないですね。テンポ感があんまり同じものが続かないようにとか、同じリズムが…ね、アウトロが頭打ちで終わって、次の曲またイントロ頭打ちで入る曲とか続くと嫌だなとか、そういうのはちょっと入れ替えたりとかはありますね。
 逆に言うとさ、さっきリーダーが言ったみたいな、コード進行とかは気にすることはないし、DAISHIくんが言ったみたいな、まず最初に歌を聴かせなきゃっていう考えもないっちゃないので。そう考えたら、自分の中ではすごい普通に作ってるんですけどね。DAISHIくんが言ったみたいに、やっぱ変わってるなって言われるんで、そうなんだって思ってるぐらいですけど。自分の中では本当、何にも悩まずさらっと作ってますね。

Lida でもYURAサマって前に出てくる曲もあるから、そこの関係は考えるよね。ダンス曲やって、バンドやって、ダンス曲やって、バンドとはならへん。

YURAサマ まあ、そうね。

Lida でもやってほしいけどね(笑)。 「忙しいな、こいつ」っていう(笑)。全然印象に残らへんやつ(笑)。

seek そもそもですけどね、「お芝居を今回は全員で書いてみようぜー」って、「いやいや、そんなん普通書かれへんで」って なりそうなもんやけど、「じゃあ書いてみるわ」って。全員書いて、「セットリストも考えてみるわ」っていうバンドってあんまりいないからな。

seek そこは多分、うちのバンドのそれぞれの(メンバーの)ポテンシャルが高いんやなとも思いますし。本当にバンドのこと以外の部分、もちろん作曲・作詞もそうですけど、 「なんかやってみたい、やったら面白いんちゃう」っていうのにみんなが乗っかっていけるっていうスタイルのバンドは、Psycho le Cémuぐらいなのかなってすごく思いますけどね。

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seek(Ba.)

DAISHI なんか割と王道で、結構売れてて、会場も大きいバンドの追っかけをした、その次のバンドにものすごく良いかなと思いますけど(笑)。
一同 (爆笑)。

seek どういうこと?(笑)

DAISHI いきなり俺らじゃない(笑)。

seek 違う味がするってこと?

DAISHI いきなり俺らやったら、俺らの良さがわからん。割とこの売れてはる王道のバンドさんに長く通われて、ちょっと他のバンドも見てみようかな、の2番目か3番目ぐらいに観た時の方が楽しいのかなと思います(笑)。「こんなバンドおるんや!」って。

DAISHI 多分、僕らもそういう作り方してるんですね。いわゆるBUCK-TICKさんとかLUNA SEAさんとかD’ERLANGERさんとかを学生時代に聴いてきて、「自分らでやるんだったら、ちょっとこの先輩方とは違う何かをしないとな」っていうところでやってるんで。GLAY先輩とか、そういう王道なバンドさんを見て、その後とかに見てもらえると、非常に、流れ的には面白く感じるんじゃないのかなと思います。

seek 25年経って、やっぱ自分たちらしさみたいなのって最近考えること多いんですよ。それは俺らが今からどういうところに進んでいくべきかっていう道しるべにもなってるような気がするので、Psycho le Cémuってどんなバンドなんやろって、自分たちを見るようにしてるんですけど。
 地元、兵庫県の姫路市ってところから出てきて、その5人、メンバーが変わらず25年 一緒にやれてるってところは、まず根本的に大きなことだと思っていて。25年間、メンバーが変わらずやってるってことは、見てくれている、ずっと応援してきてくれているファンの方にも同じようなドラマを多分感じていただけてると思うんで、なんかすごく、今日の取材させていただいててもそうですけど、やっぱエンタメに特化してて、面白いキャラクターがいて、みたいなところはあるんですけど。根っこはやっぱり、25年前から変わらず、この夢を見てるバンドマンが「5人で東京に出ていって有名になりたいねん、バンドで大きくなりたいねん」っていうことを、まだ、いまだにその夢の中で夢を続けてるみたいなこともあったりするので。その中で、たくさんのバンドがいた中で、ちょっとずつシーン的にも減ってきて…。
 僕たちは僕たちでいろんな経験したけど、今こうして25周年というところもあって、よりPsycho le Cémuの、こういうエンタメに特化した衣装であったり、キャラクターであったりっていうところが、僕は年齢を重ねれば重ねるほど面白くなってきてる気がしていて。25年選手がいまだに着ぐるみを着て、ステージに立ってますよっていう、年齢不詳なことをやってるっていうのは、すごく僕自身も楽しんでやれてる。Psycho le Cému自体がなんかそういう1つの存在、ジャンルというか、Psycho le Cémuっていうジャンルになれてきてるのかなっていうのは最近よく思います。

Lida 僕個人、このバンドを他と比較して考えたことはないんですけど、 意外とね、見た目よりも人間味があって、人間味をさらけ出すバンドだと思ってるんですよね。あれだけコンセプチュアルでありながらも、普通にライブ中に泣いちゃうんで。なんかやっぱりそういう部分も出して、見てもらって、全部ひっくるめてPsycho le Cémuっていう、意外と人間味の強いメンバーの集まりだと思ってるんですけど。
 このスタイルは最初からずっと同じで、25年やってるってことは、この先もそうなんでしょうし、「もうやれない、無理だ」ってなってたら、25年続いてなかったと思うんですよ。でも、こんだけ続いてるってことは変わらないと思うんですよ。これが僕らの日常だと思ってるよね。他のバンドさんからしたら、「いろいろやって大変やな」とか、「そこもうちょっと詰めたらいいのに」と思うかもしれないんですけど、この作業というか、この一連の流れが、僕には日常で、普通にやってきてるので。それは変わらないと思いますし、それに導かれた人たちが集まったバンドみたいな。
 なので、例えると、DAISHIが言ってたように、他のバンドさんを見て、Psycho le Cémuを味わってもらう方が、違う味がしておいしいっていうのは…、聞こえとしてはずるいのかもしれないですけど、世の中的にバナナが果物の王様って言われてる中、急にドリアンが入ってきて、「ドリアンの方がめっちゃうまいやん、でもめっちゃ臭いらしいで」っていう噂みたいな…。「Psycho le Cémuって、なんか派手で、なんかキャッチーな曲やってるらしいで」。でも、体験したことがないっていうような人も多いと思うんですけど、食べてみたら、「これめっちゃくちゃうまいやん」っていう人もいれば、「やっぱバナナの方が好きやわ」っていう人もいると思うんです。それは当たり前のことなんで。だからちょっと食わず嫌いと言わずね、1回ぐらいして…。

DAISHI 野球で例えてや、野球で(笑)。

一同 (爆笑)。

DAISHI ずっと野球で来てたやん(笑)。

Lida じゃあ野球で言うよ(笑)。野球で言うと…、西武ライオンズでいうところの古いですけど、清原みたいな、ホームラン打つ選手、もうバッターボックス入ったら、「きゃー」って言われる、今の大谷選手みたいに期待感の強い、そういうバンドではないとは思うんですよ、変な言い方すると。なんかやっぱりこう、「それはずるいでー」っていうような塁の出方をするようなバンドだと思うんですよね。

一同 (笑)。

Lida 他の人がちょっと目をつけないところに目をつけてたりとかっていうところ。ライバルがいない道をあえて通っていくみたいな、探して通っていくみたいな。ある意味ずる賢さもあるようなバンドだと思いますね。

AYA そうですね、僕も似たような感じなんですけど。やっぱり衣装が派手だったりとか、踊ってる人たちとかっていう認識がやっぱ強いなって思うんですけど、実は僕ら思ったよりバンドマンなんで。バンドマンとエンターテインメントの比率は結構絶妙なバランスを持ってると思うんで、それがもっと伝わっていけばいいかなと思ってます。

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YURAサマ(Dr.)

YURAサマ 本当、さっき言った通りなんですけど、これだけいわゆるエンターテインメントをやらしてもらって、こんな衣装も着させてもらってね。キャラクター、多分それぞれ皆さんが想像してくれたりとかするんでしょうけど、結局これだけ長くやってると、僕らの溢れてる人間性がエンタメになってる部分もあるので。全部見てもらった上で、エンターテインメントになってるのかなっていう気はしてるので、本当に溢れ出る人間臭さを見ていただけたらいいんじゃないかなと思ってます。

DAISHI 今回のツアーは当日券が1100円という試みをしてるんで、ぜひ、もうほぼ全国行くんで、ちょっとでも気になった方は当日券1100円で遊びに来てください。

seek もう25周年という長い期間活動してきてるので、いろんなところで出会ってる方もいると思うんですよ。「25年前に見たけど、そこから観てないよ」という方もいれば、 なんか途中のどこかしらのタイミングで観て…、という方もいると思うので。いろいろな出会い方してる中で、ずっとは応援してきてないけど、今回このタイミングでいろいろな土地を回らせていただくっていうのもありますし、そのチケット代が当日券1100円っていう施策もやってますので、久しぶりにPsycho le Cémuにまたちょっと出会ってみようかなっていうきっかけになるツアーになったらいいなと思ってます。ぜひライブ会場に足を運んでいただければと思います。よろしくお願いします。

Lida 25年経ちましたけど、我々まだ伸びしろしかない5人でございますので、ぜひライブに1度足を運んでいただけたらなと思います。その伸びしろを感じてもらえるようなライブをしていきたいと思いますんで、応援よろしくお願いします。

AYA 今回、芝居の台本も多いし、曲数もめちゃくちゃ多いので、 とにかく1本1本を大事にやっていきたいなとは思っておりますので、応援よろしくお願いします。

YURAサマ 別に当日券の1100円を推したいわけじゃないんですけど、1100円でこれだけ派手な衣装を着て、いい音楽聴けて、笑わせてもらえるなんてこと、逆にあるのかなって思うんで。ぜひ近くに行った際には足を運んでいただきたいなと思ってます。よろしくお願いします。


Writer : 廣瀬 大輔 / Photographer:Sayaka Aoki(PROGRESS-M)

【LIVE SCHEDULE】
2024全国ツアー「METEOR MISSION」
07.06(土)新宿BLAZE ~ミッション開始~
07.07(日)新宿BLAZE ~ミッション開始~
07.13(土)新横浜NEW SIDE BEACH!! ~ミッションYURAサマ~
07.14(日)新横浜NEW SIDE BEACH!! ~ミッションYURAサマ~
07.20(土)水戸LIGHT HOUSE ~ミッションseek~
07.21(日)水戸LIGHT HOUSE ~ミッションseek~
07.27(土)福岡DRUM Be-1 ~ミッションLida~
07.28(日)福岡DRUM Be-1 ~ミッションLida~
08.03(土)OSAKA MUSE ~ミッションAYA~
08.04(日)OSAKA MUSE ~ミッションAYA~
08.10(土)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 ~ミッションDAISHI~
08.11(日)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3 ~ミッションDAISHI~
08.21(水)柏PALOOZA ~ミッションYURAサマ~
08.22(木)柏PALOOZA ~ミッションYURAサマ~
08.24(土)HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ-4 ~ミッションseek~
08.25(日)HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ-4 ~ミッションseek~
08.31(土)名古屋ELL ~ミッションLida~
09.01(日)名古屋ELL ~ミッションLida~
09.07(土)仙台MACANA ~ミッションAYA~
09.08(日)仙台MACANA ~ミッションAYA~
09.15(日)浜松窓枠 ~ミッションDAISHI~
09.16(月・祝)浜松窓枠 ~ミッションDAISHI~
09.22(日)恵比寿LIQUID ROOM ~最終ミッション~
09.23(月・祝)恵比寿LIQUID ROOM ~最終ミッション~

<関連リンク>
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