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【本誌連動】ν[NEU] スペシャルインタビュー 完全版

「ν [NEU] というバンドを見届けてほしい」

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ラストアルバム「N.ever」、そしてラストツアーを引っ提げ、バンドとしての完結を目指すν[NEU]。2025年1月4日には渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)にて、ν[NEU] since2009〜2025 FINAL LIVE『エンドロール 〜何よりも大事な君へ〜』も開催され、メンバーの納得する終わりへと駆け抜けているν[NEU]に今回は話を聞いた。


ヒィロ どこから振り返ればいいんでしょうかね。元々ν[NEU]というバンドは2014年の年末に解散をして、そこから1度、2020年に1年復活という形でやろうとしていて、実際メンバーが再会したのは、2019年。ただコロナの影響で休止してまってたので、どこからお話ししましょうか…。
正式活動は去年の7月からですね。そこから残り1年半駆け抜けようっていう形でやっています。

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mitsu(Vo.)

ヒィロ いろんなことがありましたね、怒涛でしたね(笑)。

mitsu 振り返る時間もないぐらい、今はとにかく走ってるってところもありまして…。変な言い方ですけど、猶予があるバンドではない形で活動しているので、「なんか色々やってきたね」みたいな時間は本当になくて…。今日(5月25日取材:ライブツアー中)もそうですけど、日に日に「今日はどうなる」とか、「今日はこうなっていくといいな」みたいなことの積み重ねでした。本当にちゃんと振り返るのって完結してからなのかなとか思ってるぐらい。
 (復活後)デビューする予定もなかったですし、そもそも本当に最後までやれるのかっていう状況もたくさんあったので、まだ全力疾走中って感じです。

ヒィロ そうですね。振り返れないというか(笑)、ν[NEU]って不思議で、なんか臨機応変にやりたいことが変わっていくというか。元々、音源自体もこのメンバーで復活した時、出す予定もなかったり、音源出そうってなった時もメジャーに行くこともなかったり、メジャーで出そうって言った時も、「じゃあ何を録ろう」って。そこから、再録含めて諸々、すごくリアルタイムに変わるんで、振り返る時間がないのは本当ですね。

mitsu ただ、そういう意味では今回の活動によって、これまでのν[NEU]、解散する前までのν[NEU]の、なんかこう、答えというか、それまでの活動の時に「こういう気持ちがあったよね。その気持ちや、やり残したことってこういうことだったんじゃないかな」みたいなことが、今になって拾えているというか。なのでこの期間がなかったら、あの頃のことももうちょっとわかってなかったんじゃないかな、なんて気持ちは、今活動してて1番思うことかもしれないですね。

ЯeI どうなんですかね(笑)。

一同 えー!(笑)。

ヒィロ でも1番聞いてるじゃん、お店の方で。

mitsu 確かに今までの現役の時とかと比べると、リアルで直で聞けるもんね。

ЯeI いや、でも素直に喜んでくれる子が多いよね。

mitsu うん、まだそうだよね。これから悲しい、寂しい気持ちにさせちゃうかもだけど。

ЯeI 久しぶりに会える子もいるだろうし。

mitsu タクミ的にはどう?

タクミ そうですね。やっぱり悲しんでる人も結構いるっすけどね。実際本数決まってるからこそ。

mitsu そうね、なんか最初の方に、「もう1回解散味わうんですか?」みたいなのもあったよね。でもそれはあくまで喜びがある中でのことだと思うんですよね。そもそも、それがなかったら会えることはなかったと思うんで。やっぱ解散して出会ったことがなかった子も、今回の活動で出会うことが増えたので、そういう意味ではよかったのかなと。ただ、すごく言い方を考えずに言うと、あんまりファンファーストではないかもしれないですね。
 というのも、完結をするっていうことなので、もちろんファンの子が喜んでくれたらと思うんですけど、普通のバンドだったらこう…、「ファンの子が喜ぶのはこれだ」っていうのはまずファーストに考えるところですけど、もちろん僕らもそうでしたが、今回の活動に関しては寿命が決まってるので、まずは僕らがやりたいことをやる、この4人ないし5人だったり、華遊くんもそうですけど、ν[NEU]ってバンドのやり残し、俺らがやり残したことをとにかくやる。それが結果的に、自分たちが楽しいと思えてる分、ファンの子もそう思えてくれてる時に嬉しいなとは思ってるんですけど、いい意味で自分勝手にやれてるよね。

ヒィロ やっぱりその当時、10年前にν[NEU]が解散したひとつの理由としては、多分誰かのためっていうところを意識しすぎたのかなって、振り返ると思っていて。
 元々、ν[NEU]ってバンドは【希望】がコンセプトなんですけど、誰かのための希望っていうのが自分たちにはすごいプレッシャーになっちゃって。本当は僕たちがもっと引っ張っていかなきゃいけないものを、メジャーデビューをさせていただいて、いろんな大人の方が入ってきて、そこに引っ張られてしまったり…。
 やっぱり弱さというのが解散のひとつの理由だったので、今こうやってもう1回活動したからには、その…後悔を取り戻すという言い方は悪いかもしれないんですけど、やっぱり自分たち主導で、あくまでもこのν[NEU]というバンドを自分たちのためっていうのを念頭に置いた上で、そこに周りがついていく、要は引っ張っていくというような形の方が強いかもしれない。

mitsu やらなきゃいけないではなくなったって感じです。やりたいことをやる。

mitsu そうです。むしろ本来のバンドに1番近いのかもしれないですね。バンドっていろいろあると思うんですけど、元々はファンの方もいない、初期衝動の、自分たちの思いで突き進んで行くと思うんで。それに返ることができて、なんか不思議な話ですけど、今になってむしろ原点に戻れているんじゃないかなと。 
 結果、その方がファンの子は喜んでくれるんじゃないかなっていう実感を今してる気がします。

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タクミ(Gt.)

ヒィロ なんかそれこそタクミとかね、ライブ中の時とか、前はもっとお客さんを意識してたけど、いい意味でなんかすごくラフで、メンバーの方見たりとか、ギター弾くことが念頭にある気がしますね、前よりもね。

タクミ それは意図してやってるわけじゃないんですけども、なぜかそうなっちゃいましたね。

ヒィロ 俺がタクミの方見ると絶対こっち見てますから。

一同 (笑)。

ヒィロ 「また目が合ったよ」みたいな(笑)。

mitsu なんかこう、10年以上、間が空けてもそのぐらい一緒にいると、何も決めないんですけどね。決めても守らない奴らが集まったバンドだったりするんで(笑)。なんかこう、決めてたことを破ったりするのが好きだったりするんですよ。なのに、そのタイミングが合ったりするんですよ。「こうじゃないよね」って言った瞬間、「これじゃないわ」って思った瞬間に、大体みんな思ってるんです。「なんかこれやろうかな」って思ったら、そっちにみんなも行っちゃうんですよね、楽しんで。
 昔だったら、ヒィロが転んでしまいましたとか、ЯeIさんがなんかドラム止まってしまった、やばいって思ったことが、「やば、おもろ」みたいな。ここからどうやってこれを楽しもうかなみたいな。それが結果、もしかしたらパフォーマンスって形に繋がっているのか…。すごく自然体ですね、本当に。
 友達とか仲間とか家族だったり、言い方はそれぞれだと思うんですけど、”そいつらと一緒に音楽楽しんでます”っていうのが1番近いニュアンスかもしれないです。

mitsu いわゆる”1発録り”ですが、基本的にまずリハをやって入るのが普通だと思うんですね。
 でも僕らは1発しかやってないんですよ。ただその分、マジでミスれないというのはもちろんありました。でもそれよりも、実際の音源でも自分が喋っているんですけど、ラストライブみたいな気持ちでした。僕ら一応ラストライブ経験してるんで。自分個人としては、ラストライブの時って1曲1曲を棺に入れていくみたいな気持ちだったんですよ。もう2度と歌わないっていう…。それと同じ気持ちに近かったんですよね。だから、「これで最後か、みんなと合わせるのは」ぐらいの感覚で歌ってました。前半はそんな感じで感動してたんですけど、後半はもうなんか長距離ダッシュみたいに大変で(笑)。

ヒィロ 深夜帯だったし。夜11時から朝6時までぐらいで録って…、15曲かな。

mitsu なので、スタジオで楽器隊4人集まって、自分は楽器の音がマイクに声が入るんで、窓を隔てた別の部屋でメンバーの顔を見ながら「せーの」で録ったんですけど。

ЯeI 俺なんてお店終わってから(笑)。

一同 (爆笑)。

ЯeI 今の自分の音を出せればいいと思ってたから、なんか別にミスってもいいやって。

mitsu それはわかる、多分いい意味で。変な言い方じゃないけど、現役でずっとやってきたわけじゃないから、なんか背伸びしてもね。できるものって決まってるもんね。だったら今の俺らを閉じ込めるみたいな感じ。でもЯeIさん…。

ЯeI 結局ミスしなかった。

一同 おー!

mitsu 俺はあの時のЯeIさんは俺が見てきたЯeIさんの顔の中でも1、2位を争う真剣な顔してた。

ヒィロ 神がかってたよね。

mitsu もう、刀持ってるみたいな顔して、真剣なんだって。タクミどうでした?

タクミ やっぱもう10何年弾いてる楽曲たちだったんで、なんかこうレコーディングするって気持ちよりも、ライブのリハーサルの気持ちで自然体で弾けてたんで、「あっ、これ録られちゃったんだ」って、逆に(笑)。

ヒィロ その当時レコーディングした時は、ライブとかでもやらない、基本的に新曲だったので、正直手探りな状態、完成形が見えない状態で、各自が録ってました。レコーディングもこれでいいのかちょっと疑問もありながらやってたりもしたので。それをやっぱ僕ら、なんだかんだ解散した時間はありますけど、10年以上聴いたり、演奏してきた中で、今は自分たちの曲になったっていう実感があるんですよね。正直、当時レコーディングした時って、自分たちの曲というよりも、出したものをファンの子達とみんなで育てていって自分たちの曲にしていくっていうのがあるんです。今回のレコーディングからしたら、もう自分たちの身体の中に入ってる曲なので、なんか無理をしないというか。昔はもっと難しいフレーズとかいろいろ挑戦もしたんですけど、やっぱりありのままの自分をパッケージしたら、なんかすごく気持ち良くできましたね。

mitsu いやもう2度とやんないですね(笑)。めちゃくちゃ大変だったんですけど、ただこれじゃなきゃ録れない音は録れたなと思いますし。スタジオと違って、ライブってファンの子と一緒にみんなで作るわけじゃないですか。そのファンの子とのリアクションとか空気感で、やっぱりテンポが変わったりとか、フリが変わったりとかしてきたものが今の曲になってるんで、それが録れたことが何より大きかったですね。いわゆるファンの子と僕らとの時間が今の曲を完成させてくれたって感じなので、そういう意味ではこの形が1番ベストだったんじゃないかなと。(レコーディングを)振り返るともう2度とやりたくないですけど、思います。

mitsu 「everlasting light」に関してはシングルカット、「妄想接吻」っていう曲のカップリングだったんですね。「エンドロール」に関しては流通してないんですね。当時のワンマンライブ特典に映像と曲セットで出したので、レコーディングはもちろんしてるんですけど、他の曲と比べると…なんて言うんですかね。音源として出したっていう感覚はもちろんあるんですけど、なんて言うのかな…。この2曲ってライブのイベントで絶対最後にやるとか、解散ライブの最後の曲でもあるんですね。ヒィロが言っていたように当時予想してなくて、「どうなるんだろう」っていうので作った中で1番、ν[NEU]のライブを、最後を締めくくってくれた曲になったんですよ。
 ただ、当時はその位置(ライブの最後を締めくくる曲)として作ってなかったので、その位置の曲になったものを僕らの最後のレコーディングとして録っていくことがファンの方への恩返しというか…。みんながくれたものっていうのが大きい2曲だと思うので、そういう意味で録り直しました。

タクミ やっぱ1番ギターは変わったかもしれない。ぱっと聴いただけで、「あれ?変わったな」っていうのがわかってもらえて、そこが多分新鮮で今っぽいなって思いましたね。

ЯeI 俺はすごく簡単にしちゃいましたね、シンプルに。

ヒィロ なんか前より大ノリになったよね、何よりもリズムが。

mitsu ЯeIさん、10年叩いてなかったんですけど、前のЯeIさんより今のЯeIさんの方が歌いやすいんですよ。なんかワインみたいに熟成されることもあるんだな(笑)、信じられないけどさ。でも人間力というか、そういう違う経験をしてきたからなのかなって。

ヒィロ 今回の2曲に関しては、今までのν[NEU]の隠れ表題曲というか、今のν[NEU]としてのキーワードの曲だったので。せっかく音源化するんで、逆にめちゃくちゃアレンジしたかったんですけど、正直僕の中の限界ってあって…。今回、逆にこの2曲はベースのフレーズに関してアレンジャーをつけました。それこそ僕の、ベースを弾くきっかけになった元Janne Da Arcのka-yuさんという方で、僕の師匠なんです。その方にアレンジをお願いさせていただいて、2曲作っていただきました。なので、僕の中で、自分のフレーズと、師匠に作っていただいたフレーズを掛け合わせたものを弾いて、今にしかできない音になっています。

mitsu ある意味夢が叶ったっていうところもあるよね。

ヒィロ 今回のアルバムは全曲ka-yuさんからお借りしたペースで弾かせていただきました。

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