2024.07.17
【本誌連動】NETH PRIERE CAIN スペシャルインタビュー 完全版
次世代を牽引する、古の継承者。新章突入──
名古屋を拠点に活動を続けるNETH PRIERE CAIN。
“古の継承者”として、90年代ヴィジュアル系を継承しつつも、彼ららしい新鮮な楽曲を世に送り出してきた。始動6年目となる今年、更にその深淵へと踏み出した。
名古屋から全国へ、勢いに乗るNETH PRIERE CAINの今と、彼らのルーツに迫ると共に、ぜひその世界観を肌で体感してほしい。
──「北欧の神々編」が完結し、新衣装・新コンセプト新章が発表されましたが、今回はどのような物語になるんでしょうか。
樹 神々といった物語ではなく、人の心に潜む狂気みたいなのをコンセプトにしています。
作詞とかもそういう感じで、思ってることをそのままSNS通じて言うと問題だと思うんで、歌にしてしまおうかなと思って。人間の内に潜む闇とか。リード曲がまさに狂気そのものを表した曲になります。
──これまでの神話から離れて、人間の心の闇といったコンセプトに至るまではどのように構築されていきましたか。
樹 一応みんなで話し合って。僕ら一応古の継承者を名乗ってるんですけど、1回それに偏った作品があってもいいのではないかと思ってやりました。
──それに関して皆さんはどうでしたか。
珠璃 曲作りにあたっては、古をモロに出せるのはすごいワクワクするっていうか、「これだよこれ!」みたいな、そういう曲調がめっちゃ頭の中にあったんで、自分の引き出しを振り絞ってゾクゾクと気持ち悪い曲を作れたと思います。
樹 めっちゃいい。けど、多分聴いてもちゃんとネスプリだ。って思わせるって感じだと思います。
千草 さっき樹が言ってた、人の闇とかそういうことだと思うんですけど。本人が丁度ね、なんか色々事件が(笑)。
一同 (爆笑)。
千草 実体験を元にしてるのも。
樹 ライブって思ったことをぶつける場所じゃないですか。で、ほんとに色々あったんで(笑)。嘘偽り無くそれは。人生クライマックスなんで(笑)。
珠璃 終わっちゃう(笑)。
樹 崖っぷちだった(笑)。
──実際にリード曲を聴かせていただいたんですけれども、昔のヴィジュアル系の良さもありつつ、新しさもありつつ、ネスプリらしさっていうのをいろんなところに感じてました。
珠璃 今までオルガンの音とかを多様してたんですけど、コンセプトが古だったので今回はガラッと変えて、バンドサウンドでも勝負したいなと思って。
シンセ類も入ってるんですけど、シンセ類よりはバンドサウンドをメインにして。昔よく使われてたクリーンな音とかを強調させてウチららしく作れたかな。
剣路 今回は表題曲の中ではドラムはわりかしシンプルな感じになってて。でもシンプルかつ、こだわりもあったり、新しい要素もあったり。昔ながらを残しつつ、今風を取り入れたようなアレンジを考えてやりましたね。
千草 僕は結構現代的なおしゃれなフレーズが好きなんですけど、今回は古ってことだったんで、90年代系の曲に使われてそうなフレーズを考えようと。昔の曲を聴いたりしてフレーズを作ってみたりしました。
──この曲は既に告知されているミニアルバムに収録されるとのことですが、アルバム全体としてはどのような感じになるのでしょうか。
樹 今回タイトルが全部漢字一文字なんです。初めてなんですよ、これ。今までは神様の名前だったり、鍵括弧でカタカナで花の名前だったんですけど、今回ガラッと変えて漢字1文字で色々表現しました。漢字1文字でパッと出た羅列がめちゃかっこいいと思いました。でも、漢字1文字でも伝わる意味があるので。
珠璃 毎回作品ごとにコンセプトに沿った曲名とかにしてるんですけど。今回は1番古要素強くしたいなってことで漢字だけになりました。
樹 リード曲が『跡』って曲なんですけど。『跡』って曲名、他のバンドさんであんまないと思うんですよ。
──確かに聞いたことないですね。
樹 そいういうのも自分たちらしさというか。まだMV出てないんですけど、MV見たら曲名の意味とかもわかるんじゃないかなと思います。
──古の継承者でありつつも、今までになかった曲名だったりとか。その新しいものをどんどん開拓していきたいっていう意識はやっぱそこにはあったんですか。
樹 ありますね。
──ツアーの話にも触れていきたいんですけれども。新衣装・新章お披露目の東名阪ツアーが始まりますが、このツアーは今までの曲を引っ提げての、新しいネスプリが始まるぞという凱旋といった感じになるんでしょうか。
樹 そうですね。アルバム曲の披露は無いですが、その後にも9月からツアーはちゃんと回るので、その頃にはガッツリやっていく感じです。
珠璃 『跡』はやるんじゃない?
樹 『跡』はお披露目ツアーの時点でやります。
──東名阪ツアーへの意気込みや、今回楽しみにしていることもお聞きしたいです。
樹 新しい衣装の解禁ってみんなドキドキすると思うんですよ。僕らもですけど、祈願者(ファンの愛称)の皆さんも。新衣装をお披露目するタイミングって、今まではしれっとイベントライブとかで出してたんですけど、今回はどうしてもワンマンで披露したくて。
僕、新しい衣装が過去イチ気に入ってるんですよ。昔からヴィジュアル系大好きで、エナメルをずっと着たかったんで。どうこの衣装をよく見せようかと、もうゾクゾクしてます。
──エナメルはちゃんと保管しとかないといけないらしいですよ。
樹 めっちゃいろんな方に言われました(笑)、すぐ匂いがって。
──しばらく外っておくとパキパキになると。でも憧れだったんですね。エナメル。
樹 4人の中で。エナメルは僕だけです。
──すみません、話逸れちゃったんですけど(笑)。ツアーについて珠璃さんはいかがですか。
珠璃 色々あるんですけど。なんてったって、お客さんっていうよりか、初めて自分がその服を着てライブするっていう1発目がワンマンじゃないですか。なんかドキドキしますね。言ってみたらまだその衣装に慣れてない自分っていうことになるんで。
今までだったらツアー始まる前に対バンイベントとかがあって、数ヶ月後に「さあ始まりました、ツアーです」ってなるんで。その頃には衣装やメイクには慣れてるんですけど。
今回出だしから東名阪ツアーなんで、初っ端から新衣装で、自分もこの見た目と衣装にまだ馴染んでない状態。自分でもどうなるのかわかんないので、楽しみでもあるし、どういう風な自分を表現しようかなっていう思いもあります。
──すごく個人的な質問ですが、今回使う楽器は今までとあまり変わらずですか。
珠璃 テレキャス使ったり、別のギター使ったりしてます。
──テレキャスはヴィジュアル系の方の中では珍しいなって。そこって何かこだわりとかあったりするんですか。
珠璃 いや、完全に気分ですね。
千草 僕もいつも以上というか。靴とかもそうなんですけど、毎回慣れるまで結構時間がかかるんで。対バンイベントで戦うと一瞬で終わってしまって。慣らしじゃないですけど、いきなりワンマンで、1曲1曲表現したいこととか、見せ方とか、衣装も考えながらできて、いい助走をつけて次に繋げられるかなと思います。
樹 着始めがワンマンなんで。僕も予行練習で衣装だけ着てやりましたよ、最近。
千草 やりましたよ?(笑)。
樹 動いてみたりとか。
剣路 それでコンビニとか言ってるかと(笑)。
樹 家で動いてるだけ(笑)。
とりあえず、もう今は、前は気合いなかったわけじゃないですけど、気合いが全然違う。
剣路 みんなと同じような答えになっちゃうんですけど、新衣装ワンマンっていうのが初めてで、新衣装はMV以降着てないわけで…大丈夫かなっていう。
千草 着方忘れとるかもしれん(笑)。
一同 (爆笑)。
剣路 これ何処の衣装だっけみたいなこともあったりするんで(笑)。みんなと一緒に、お客さんと一緒に新衣装育ていこうっていう感じです。
珠璃 服の話しかしてない(笑)。
──さっきエナメルっていう話もあったんですけど、衣装にはすごくこだわってるように感じました。実際にステージに立った時にここ見てくれ、みたいなのってありますか。 パフォーマンスでここをもっとよく見せたいみたいな。
樹 めちゃくちゃこだわって。衣装の袖の部分なんですけど、上着だらんってなってるんです。
僕の中の古のヴィジュアル系の皆様は常にジャラジャラついてるんですよ。動いた時にファサッてなったり。それを今回めちゃめちゃ見れるんじゃないかと。
あと袖がやっぱり、ここ……肘、これ?
一同 (爆笑)。
剣路 肘だよ、そこ(笑)。
樹 肘からこうやって裂けてるんで。
一同 肘が裂けてる……(笑)?
樹 ジャケットの袖が肘から裂けてるので、僕結構ライブ中にジャケット脱ぎ捨てることが多いんですけど、脱ぎやすかったり。
ネスプリが6年目なんですけど、自分の何が似合うとかがわかってきた集大成かなと。それこそ着たくても似合わないとかあるじゃないですか。でも今回の衣装は完全に自分の何が似合う、何がかっこいい、何が合うとかわかりきった上で作ってる。
珠璃 やっとわかってきた(笑)。
樹 6年目にして(笑)。
一同 (爆笑)。
樹 いやいや、今回の衣装めちゃめちゃかっこよくない?
──かっこいい。めちゃくちゃかっこよかったです。
樹 ほんとに過去イチ気に入ってます。ジャケットの袖あたりだったり、パンツもエナメルで編み上げになってる。中のインナーがスケスケのレースなんです。 そういうとこも見てほしいです。
──写真だけじゃ伝わらないですもんね。実際ライブで動きも含めて見てみないと。
ぜひライブで見てほしいって感じですね。
樹 見られるの好きなんで。見られる仕事ですから。
千草 見せるやないんや、そこ(笑)。
一同 (爆笑)。
樹 見せるのが好きなので。
珠璃 しばらく半ズボンが多かったんですけど。今回は久しぶりになんかスカート上の衣装なので、くるっと回った時にヒラヒラ〜ってなるんです。それをすごく見てほしいな。
あとは意外と肩を露出してたり、お腹も出てたり。なんやかんや割としゅっと見える衣装かな。横になって見てほしい。
千草 横になって?(笑)
珠璃 違う違う(笑)横になった僕を見てほしい。正面ではなくて、横側も。こういうシルエットなんだと。
──360度見てもらえるぐらいの(笑)。そういう動きのあるパフォーマンスがライブでは結構見られるんですね。
珠璃 僕が結構ちっちゃいんで。でかい人と同じ動きをしてもあんま目立たないと思う。だから人よりも大きく動かないとダメだし、その分衣装がひらっとなったらでかく見えるかなって。
千草 基本的に僕が好きなシルエットは、上と下で、シュッとしてるのとちょっとふわっとしてる組み合わせ。今回、上がシュッとして、下がスカートみたいにふわっとしている感じです。その方がライブ映えするかな、みたいに思ってて。僕も身長はそんな高くないんで。スタイルいいじゃないけど、背が高く見えるようにハイウエストのやつとかが多いので、今回もそんな感じです。
──今回髪型も一新されてましたね。珠璃さんと並んだ時のシルエットもすごくいいだろうなって思って。
千草 やっぱ古の方は髪型大きいじゃないですか。
──確かに、ボリュームがある感じ。それで今回皆さんボリュームがある感じなんですね。
剣路 毎回僕が1番最初に考えるテーマが季節で、大体時期的に衣装変わるのが暑い時か寒い時なんですよ。で、今回これからあったかい時期は、ドラムなんでどうしてもすぐ熱くなって汗かいちゃうんで、極力通気性の良い衣装にしたくて。っていうので、今までは結構露出が多い衣装を多くしてたんですけど、今回は珍しく首周りがファーとかで熱くなってて。
今まで季節優先で考えてたんですけど、今回は楽曲優先。今回の曲が、古なコテコテの曲調なので楽曲を優先して考えた衣装になってて。ドラマーにしては珍しい、結構上半身がでかいジャケットに、ファーに…とフリフリしてるみたいな。
で、せめてもの抵抗で下半身、足はちょっと露出して涼しくしてる。
千草 ボーカルみたいな。
剣路 出来上がってみて、裏テーマボーカルだなと思って(笑)。
──確かに今回はアー写見た時にいつもと違うなっていうのは感じてました。
樹 なんだかんだ衣装さんと長く話してきたので、今回衣装作った時にラフ画を見ただけで、誰がどの衣装なのかがわかるようになってきて。
剣路 イメージ言ったら、ラフ画を描いてもらって「こんな感じです」ってわかるようになってきましたね。
珠璃 なんならイメージを対面で伝えながら、こういう感じでって描いて。
剣路 ipadで描いていって、東京ってすげえなって。
一同 (爆笑)。