——MALICE MIZERさんとかLAREINEさんとかのお話はありましたが、お二人の影響を受けたアーティストで、他に共通のアーティストさんっていうのはいますか?
苑:共通…X(X JAPAN)かな。
団長:Xはそうだね、間違いないね。俺はマシンガンズ(SEX MACHINEGUNS)とかも!
苑:勿論勿論、僕もマシンガンズも通ってます。カラオケでめっちゃ歌ってました。
団長:日本だとやっぱり、そういうね、メタルの人がやっぱ。
苑:陰陽座とか?
団長:陰陽座も聴いてた。あとは俺は、THE冠さんが好きかな。あの人たちはサウンドがパンテラだったから。
苑:そうですそうです(笑)。そうなのよ。
団長:あと、俺のメタルの微妙なその派閥で言うと、結構自分はニューメタルとかいわゆるそのアメリカのメタルも割といけちゃうタイプ。Slipknotとか。
苑:テンポ、BPMがちょっと遅くてもいける?
団長:いけるタイプ。
苑:僕は速くないといけないです。もう(笑)。
すっごい狭いんですよ、メタルだけでいうと。僕はANGRAとか、Sonata ArcticaとかRhapsody(Rhapsody of Fire)とか。
——他は、KamelotとかDark Moorとかですか?
苑:Dark Moorまで出てくるとは(笑)。
団長:女性がボーカルの時のが好きね、私。
苑:あー、そうね、もちろん。
——女性ボーカルだと、あとはNightwishとかですかね。
苑:あの辺りのバンドが段々テンポが遅くなっていって。その辺りで僕もメタルから離れてったんですよね。
それもあって、自分でヴィジュアル系をやり始めた時には、やっぱりメタルの曲が、どうしても出てくるんで。メタルとヴィジュアル系、両方好きだったので。
メロスピを武器にし始めたのが、GLORIAっていう曲を出した頃、完全に他がやってないメロスピをやってみようと。前もちょっとやってたんですけど、ちゃんと自分たちで作っていこうと思った時に、メロスピを超える、その先のメロスピを見つけないといけないなっていうところで、考えてたんすよね。
さっきまさにそれを言ってくれて、団長が。その先のメロスピをやってるみたいなこと言ってくれて、もう本当、嬉しかったです。
団長:面白いことにNoGoDってメロスピ、あんま実はやらない。
苑:そうそう。そうよね。
団長:どちらかというと、我々は、ドリームシアターとか。
苑:確かに。
団長:あとは、どっちかというとメタルでもIn Flamesとか、結構、メロディックデスメタルが主流というか、メインのおかずというか。あと、まあ、やっぱもう完全にHelloweenなんで、自分が。
苑:まあ、白塗り的なところが。
団長:違う違う(笑)。バンドがね!!
苑:あぁ、バンドがってことね(笑)。
団長:Helloweenとか好きだから、やっぱりジャーマンパワーメタルよね〜っていうのもあって、すごく住み分けができてたなって当時から思ってた。
メロスピはモテる、頑張れ!って。
苑:(笑)。
団長:俺たちは、もうちょっと変なことやマニアックなことやるわっていう。
——そういう背景からくるスタイルだったんですね!
苑:でも、ちょいちょい見せてくるよね。賛美歌とか。
団長:そうね、たまに。
苑:あと、今回の現約聖書。あれのBメロもちょっと、様式美を感じた。
団長:あれは完全にIyoda(NoGoDギター Iyoda Kohei)くんですね。あれIyodaくんの曲なのよ。
苑:Koheiくんがそっちなんだ。
団長:Koheiちゃん。そう、今うちのギター弾いてくれてるKoheiくんが、本当にもう、メロスピ脳なので。
苑:なるほど、それで引っ張られてんだ。なるほどね。
団長:(笑)。俺のNoGoD、こういうのもまた入れだしたんだって聴いてて思ったんだけど。あれはもう完全に彼のやりたい音楽やってもらった感じで。
苑:サポートじゃないじゃん(笑)。
団長:サポートじゃないですよ、ほぼ。
——この前インタビューさせていただいた時に、もうサポートじゃないぐらい話してましたよね(笑)
団長:ぐらいやってもらってます。申し訳ない。
苑:なるほどね。そういうことか。
団長:そうなんですよ。
苑:いや、いいね、いい。また色が入ってきて。
団長:そうなんですよ。お互い本当に。だから、響くんと優介くん入って、 それこそ前にJaYがいた時も、あれはあれで、すごくモダンに振り切った時あったじゃん。
苑:確かに、やったね。
団長:すごくカラーをガラッと変えてた時もあれもあれでいい時期だと思うの。オペラとして新しい意欲作だし。でも、今の2人って、 本当にすごいなと思うのは、お苑さんがやりたいメロスピっていうものを、 自分でも見えなかったものを、彼らが光を照らしてる感じがして。当然、彩雨ちゃんとかよーまん(摩天楼オペラベース 燿)とかも、やっぱ一緒に培ってきた土台に、すごく、エンジンかけてるというか、発破かけてるというか。
苑:ああ、そうだね、確かに。
団長:リーダー頑張りましょうよって言われてんじゃないの。
苑:(笑)
団長:頑張りましょう、リーダーッ!つって。
苑:やっぱりあの若さの勢いっていうのは感じるよね。バンドの躍動感みたいなのが出てくるよね。
団長:大体こうメンバーチェンジってすると、やっぱ1回お客さんが離れて大丈夫かなってなるのを、このコロナ禍や厳しい時期をオペラはものすごくバネにしたなって。いや、すごかったですよ。俺らなんて、活動完全停めちゃってたんで、ライブ活動は。
苑:あ、そっか。
団長:人前でのライブをもう3年間しなかったんで。オペラはそこをバネにして。メンバーも入ったタイミングだったりしたじゃん。いや、すごかった。俺らなんて、低空飛行してるようなバンドですけど、オペラは波がすごくある中で、今一番すごくエネルギッシュに登っていってるのを見せてくる。さっきは、お苑さんが、俺らがエンタメでワーって上がるのを追いかけてきたっていうけど、今は逆にオペラのリバイバルって言い方変だけど、ガッとまた次の山を登ろうとしているところを見て、俺らも頑張ろうって。
苑:それは嬉しい。
団長:なんか勝手に励まし合ってるっていいっすね。なんか。
苑:そうそうそう(笑)
——羨ましいです、そういうの。
団長:なかなか少ないですよ、こういうふうに思えるのは、本当に。
——単純に編集部としてじゃなくて、個人的にヴィジュアル系とメタルで、しかも同年代で話せる方がいるって羨ましいなって。話せる人がいなかったので。
団長:もちろん個々のプレイヤーとかで、いっぱいメタル出身の方はいらっしゃいますけど、 なかなかこういう本当に同じベクトルと同じマインドでっていうのは少ないかもしれない。しかもボーカリストで。
苑:しかもボーカルで。
団長:メタルオタのボーカルって意外に少ないんだよね。
苑:ああ、そうかもしれない。
団長:この人もオタクですから。
苑:いやいやいやいや。そんな知識ないよ(笑)
団長:よく言うよ(笑)
苑:有名なバンドと人しか知らないから。
団長:十分オタクですよ(笑)
——誰にもわかってもらえなかったメタルの話がいっぱい聞けて今日はうれしいです。好きなメロスピバンドの話をしても周りに「は?」みたいな…。
団長:あ、ほんとですか。ロイ・カーンの話で、飯が3杯食えます。
苑:いける(笑)
団長:やっぱロイ・カーンだね。
苑 :ロイ・カーンだね。