——メタルと言えばシャウトのイメージもあると思うんですけど。お2人ともどちらかというとハイトーンが魅力のバンドだと思いますが、こだわりっていうのもあるんでしょうか。
団長:あー、そうっすね。やっぱり、せっかくハイトーンが出せる体 には生まれてるってのは、それはやっぱ武器にしたいなと思います。正直キーが高いから正義だとは思ってはないんですけど、その代わりに表現できる音色のレンジが広がるってのはいいなと思って。
苑:確かに。
団長:昔ほど俺のハイトーンすごいでしょ!とか、あんま思わなくはなりましたけど。ただ、やっぱ長く昔のキーのまま変えずに歌いたいっていうのはあるので、そういう部分で、衰えないような鍛え方はしてますね、自分の声帯を。 使い方としては向いてないシャウトとかはしないようにしてますし。でも、やっぱシャウトとかしたくなるときは、自分の喉に合ってるシャウト、いわゆる、北欧のメロデスシャウトなんですけど。
苑:どういうこと?どういうのだろう(笑)。
団長:要は、喉を俺たちあんまガン開きにすると痛むじゃん。いわゆるストロングなグロウルとかって、やっぱものすごく声帯開くんで。あれと、平歌の時の伸縮でやっぱ痛めるので、 なるべく閉めたまま。少ないボリュームで、歪み成分が高くて、マイク乗りのいいシャウトってのは。
苑:あ、アレキシ(アレキシ・ライホ Children Of Bodomのギターボーカル)みたいな?
団長:アレキシ、そう。アレキシシャウトが一番俺の喉には優しい。
苑 :あ、そうなんだ(笑)
団長:「ギャー」って言うの。
苑:あー、やってるね。確かに。
団長:すごくシャウトしてるふうにも、すごいサボってるふうにもなりますよ。
苑:そう、確かに。
団長:「お“ー」ってやるよりはそっちの方が自分の喉にもあってるんで。
団長:ああいうシャウトとかで喉をつぶさずに長く現場にいたいなと。やっぱメタルは、ドラムとボーカルは消耗品なんで。
苑:そうだね(笑)。
団長:肉体労働なんでね。
苑:俺もシャウトはなるべくしないようにしてる。煽ったりするだけで、曲が少しキーが取りにくくななったりするんすよね。なるべく煽らず、叫ばずの方に段々シフトしていってました。
団長:これやばいな。じゃあ久しぶりに2マンだから。俺相変わらずめちゃくちゃ煽るからさ(笑)。
苑:どうぞどうぞ(笑)。
団長:お客さんびっくりしないかな?大丈夫?
苑:大丈夫、大丈夫。
団長:怖いとかなんないかな?
苑:結構その辺もまた変わってきたかもね。昔は2人ともシャウト絶対入れてたじゃん。
団長:あ、入れてたね。
苑:2007年とかあの辺は。 だけど、段々減らしてって。でも摩天楼オペラの方は見せる乗せるっていうのだと、見せる方に徐々にシフトしていってる気がして。ライブは特にね。
団長:どっしりしてるよね。動きがね。
苑:そうそう。また違うふうになっていってるんだなって、バンドの方向感。2バンドは。
団長:自分たちNoGoDに関しては言い方悪いですけど、若いノリみたいなものは1回全部排除しようって言ってた時期もあったんですけど、でも結局そこの時期も含めて 歴史だし、そこを無いようにしちゃいけないなと思って。今のメンバーになってから、やっぱ昔の曲も堂々と。それこそフリが多い曲とか。
苑:あったね、フリ。
団長:そういうのを40歳になってやっと恥ずかしげもなくできるようになったというか…、全力で。
苑:余裕が生まれたんだね、多分。
団長:結局やっぱすべてのNoGoD、 ひっくるめての今だから。
苑:うん、確かに。
団長:昔の曲とかもやっぱね、新しいメンバーが覚えてくれたりする中で、やっぱ 変えたくないものと変えていい、変えたいものって線引きした時に、曲の雰囲気を変えるとかはやめようと思って。ここ数年、数年前より今の方が若いかもしれない。ライブがまた若返ったかも。
苑:いいね、それ。
——2バンドとも、すごく感じますね。
団長:あー、色気かな。増したんだよ、色気が。
苑:そちらも一緒だよ。
団長:あたしゃ、色気なんてものは(笑)。
苑:いやいやいや、そんなことないよ。色気の方向がなんか違うなって。なんかやっぱり、うん、 セクシーになってるよね。昔のワーっていう時より絶対今の方が。
団長:そうね、大人の色気を出していきたくなってるの。
苑:なってるよ(笑)。もう髪型がそうなってる。
団長:そうか(笑)。
苑:(笑)。
団長:まあね、あれなんですよ。あー、名前忘れた(笑)。白スーツ、金髪、グラサン…グラハム・ボネット(レインボー等)!グラハム・ボネットをずっとかっこいいなと思ってて。あの人絶対白スーツで金髪オールバックでグラサンじゃん。
苑:結構いろんなスーツ着てなかったっけ?
団長:あ、いろんなスーツ着てるか(笑)。けど、なんかこう、白いとか、紳士な感じだった。あれはすごいかっこいいなってずっと思って、大人になったら俺はスーツでメタルをやるんだって決めてて。
苑:それで。なるほどね。
——スーツを着られているのはそういうことだったんですね。
団長:で、なんか気づいたら、最近結構海外のメダルバンドもフォーマルな。
苑:ああ、いるね、
団長:シャツに、ベストでやるような。で、入れ墨、タトゥー入ってるような感じのバンド増えて。
苑:そっちの方がかっこいいよね。Tシャツ、ジーパンより。
団長:でもね、なんか自分はステージ立ってる以上、正装はしていたいじゃないですか。自分の中の正装がやっぱ今はもうスーツ。やっぱ紳士の音楽だと思ってるんで。メタルってそうじゃないですか(笑)
苑:確かに(笑)
団長:最近はそういう方で、早くあの岡田真澄さんみたいなロマンスグレーの似合うヘビーメタルになりたいなと思ってますけどね。
——なんか面白い(笑)
苑・団長:(笑)